《魔法の世界でプログラム》王都開放.3
--- ユリウス Side ---偽王達を捉える為に、罠を張る事になった。幾つか決めていた作戦の一つだ。
「クリス!」「なんでしょうか?」
偽王達が逃げ込んだと思われる、場所を指差しながら・・・。
「奴らを捕まえてきた貴族がいたら、金貨100枚と罪を許す旨の告知は終わったのか?」「はい。先程、王都中に知れ渡るようにいたしました」「そうか、わかった。これで、居所がつかめればいいのだけどな」
ギードとハンスが、笑いをこらえているのが気になるが、俺は自然のまま話を続ける。クリスが書いた字を読む”演技が下手”と書いてあった。俺自を指差して確認してみた、クリスだけではなく、ギードやハンスやナーテまでもが頷いている。
クリスが笑いをこらえながら、話を続ける「それで、どうしましょうか?」「そうだな。數日は、ここで解放軍からの連絡を待つ事にしよう。北門や西門や東門での戦闘は続いているのだろう?」「はい。わかりました、それでは、ここに食事を運ばせます」
もうすでに準備してあったのだろう食事が運ばれてきた。
いい匂いがするが多いのは、隠れている奴らへの嫌がらせだ。これから、數日間、これを続ける。極限までには至らないだろうが、そこで俺たちは、呼び出されて、現場に向かう事になる。その前に、西門や東門は鎮圧した事を伝える。そうなると、合流すべき場所は、北門に限られる。
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それ以外では、逃げられないように、しっかり網を張って待っているようにする。
さて、仕込みも十分なのだろう。數日後、部屋に兵士が一人駆け込んできた。
報告は、最初から決まっていた事だ。”西門と東門の制圧に功。殘るは北門だけ、ユリウス殿下には、西門と東門で現地視察をお願いいたします”だった。
それから、王城の隠し扉、隠し通路、地下施設、それぞれのの搬送が終了した事を報告させたその上で、指示した隠し通路と隠し部屋の捜索が全て終了した事を報告させて、偽王と一緒に居る人間たちを、見つける事ができない旨を報告させた。
もちろん、すでに補足しているが、そんな事は、今いう必要はない。民や王城を捨てて、無様に逃げて、苦しめばいい。
ヒルダに言われるまでもなく、俺もそう考えている。奴らは、生きていてもしょうがない。それなら、俺の為に、王國の為に、死んでもらう事にする。
「わかった。案しろ。それに、偽王共は、ここにはいないのだろう、お前たちも捜索範囲を城だけではなく、王都の中を探せ。特に、関連していた貴族の屋敷を壊してもいい。探し出せ!」「「はっ」」
--- ヒルデガルド Side ---お兄様が何か変わられた。何がと言われると困ってしまうが、雰囲気が以前とくらべて、王者の風格をまとい始めている。覚悟を決められたのだろう。どういう心境の変化なのか・・・でも、悪い事ではない。このお兄様なら、王國を任せられる。そう思えてくる。もとより、私は、アルノルト様に嫁いだら、家から出ない様にしようと思っている。私に子供ができても同じだ。お兄様やクリス姉様なら、私達の子供の事も考えてくれるだろうが、領地を継がせるつもりも無ければ、王家との絆にするつもりはない。産まれた子どもに任せる。多分、アルノルト様も賛してくれるだろう。
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お兄様達と、北門に來ている。戦闘が行われている様子はないが、それを演出する為に、ノース街からゴーレム隊に攻めてきてもらっている。王都側も、必死に守っている雰囲気を作っているが、いわゆる演習でお互いに致命傷になるような攻撃はしていない。北門を守る兵士達には、ゴーレムを壊した者には、賞金をだすと言っているので、真剣味が出ているだけだ。
「ヒルダ」「何でしょう。お兄様」「お前も、一緒に居るのか?」「もちろんですわ。お兄様。私も被害者家族ですからね」「・・・・そうだったな。それに、イレーネ。お前は・・・」「ユリウス様。私にも、ここにいる資格はあると思うのですが、駄目ですか?」「駄目じゃないけど・・・あぁアルの仕業か?」「いえ、違います。私がアルノルト様に頼んだのです」「そうか・・・わかった。ナーテ!」「なぁに、あっイレーネ姉ちゃんも來たのだね。それじゃヒルダ姉ちゃんと一緒にゴーレム隊で護衛すればいいの?」「頼めるか?」「うん。北門を攻めている中から、數名こっちに來てもらうよ」「頼む」「了解!」
ナーテリンデがどんどん頼もしくなってくる。
ナーテが連れてきたゴーレム使いのの子をえて、お茶をしながら、偽王達が來るのを待っている。クリス姉様の予想では、明日の夜になるのではないかという事だ。一応、アルノルト様に確認したら、多分、夜じゃなくて、晝間に來ると思うと言っていた。
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「ヒルダ。アルは、晝間だと言ったのだな?」「はい。はっきりと、理由も言っていました」「理由?」「はい。お兄様なら、すぐに気がつくだろうと言っていました」「クリス。解るか?」「いえ、偽王達は、闇夜にまぎれて、北門の兵士に合流すると考えていました」「そうだよな」
二人して、考え込んでしまった。素直に、アルノルト様に連絡して理由を聞くなり、私に尋ねればいいのに、本當n不用な人たちだ
「お兄様。クリス姉様。アルノルト様は、別に晝間でも夜でも同じだけど、晝間の方が、可能が高いといっただけです。その理由も、”偽王と宰相は、自分たちの行いが當たり前の権利だと思っていて、悪いとも、負けているとも思っていない”だそうです。その上で”そんな人間が、逃げ込むように北門の兵士に合流しないだろうし、連れている貴族への虛勢という意味でも、闇夜に紛れるよりも、晝間に兵士たちのところに出向いて、跪かせる事を選択する”と、思うと言っていました」
二人とも、お互いの顔を見ながら、笑いだしてしまった。”確かに、言われてみればそうだな。あの豚は別にして、猿はそう考えるだろうな”と、言っている。
それから、晝間でも、王都兵とゴーレム隊の演習を行い。お互いにしのぎを削っていると思わせる事にした。
その日の夜にきがあった。王城に殘していた、ゴーレム隊から連絡がった。偽王達が、隠し部屋からはいでてきて、殘されていた食料を”豚”の様にあさっていると言っていた。
全員の腹を満たすような量はもちろん殘されていない。そして、黒パンなど固くまずいや軍の攜帯食に使うようなだけを殘してある。嫌がらせのように、水は一切殘していない。
食事を取れるが、の乾きを癒やすためには、井戸から水を汲み上げる必要があるが、貴族や偽王にそんな事ができるわけはなく、途方にくれていると言っている。それから、思い出したように、地下倉庫に行くが、もちろん、そこに殘されていたワインやミードは全て持ち出している。空の樽に石を詰めて重たくしただけがおいてある。期待して、開けるが、石だけしかっていない。
普通なら、ここまでやれば罠があると思って警戒するのだろうが、バカは馬鹿で、手當たり次第に、破壊しまくっている。
そんな事を繰り返しているが、力を消耗するだけだという事に考えが至って、北門の兵士と合流して、そのままノース街に攻め込めばいいと、功率を考えない提案がなされた。
その日は、休むようだ。もちろん、王城には休めるところがない。ベッドや寢所に使えそうなところは、壊したり、持ち出したりしている。唯一あるのが、地下牢にだけはベッドをおいたままにしてある。
そんなところで、寢られるかと言っていたが、貴族の屋敷や王都は、北門以外は、全て鎮圧したと話しているので、外にでるのは斷念したようだ。
翌日、晝間にアルノルト様が予想していた通りの出來事が発生する。
--- 北門兵士 Side ---ユリウス殿下から、北門に偽王達がやってくる事を教えられた。最初は、夜影にまぎれて近づいてくるはずだから、その時に、全員を生かしたまま捉えろが命令だった。
それから、數時間後にまた呼び出されて、命令の追加があった。もしかしたら、晝間に偽王の一行がやってくるかもしれないから、そうしたら、宿舎に通して、歓待して差し上げろという事だ。その時に、薬を盛る事を指示された。薬は、魔法がかけられたで、飲めば、しばらくしたら眠くなるというだった。
俺の妹は、貴族の家でメイドをしていた。この戦が発生した時に、逃げようとした所を捉えられて・・・。後は、お決まりのコースだったようだ。は地下牢で見つかった。全で中を鞭のようなでうたれた跡があった。わかりやすい拷問の跡だ。ユリウス殿下にお願いして、俺は配下になった。
「名前は?」「はっオストといいます。ユリウス殿下」「オスト。お前は、昨日までは、偽王に従っていたのではないのか?忠誠心は無いのか?」「忠誠心ですか・・・持っていました。でも、忠誠心は、私だけが持って、與えるではないと思います」「・・・そうか・・・」「はい。貴族の、一部の貴族と思いたいのですが、忠誠に価しないと、多くの者が知る事になるでしょう」「わかった、オスト。今日から、お前は、北門を守る守備隊の隊長に命じる」「はっ謹んでおけいたします」
このやり取りから、數日後には、ノース街からやってくるゴーレム隊との模擬戦を行なえと言われた。それも、ゴーレムを1倒す度に、銀貨1枚の報奨が出ると言われていた。最初の頃は、ゴーレムを大量に破壊できた。かなりの報奨を得る事もできたが、だんだんと勝てなくなってくる。うまく連攜をしたり、破壊にしでも手間取ると、別方向から攻撃されるというじになってきた。
それで、不思議に思って、ヒルデガルド様に聞いてみた。最初は、複數のゴーレム使いが単純な命令を加えるじで、戦いをしていた。そこで、學習した事を、ベースに、ライムバッハ子爵が魔法の構築を変更して、ゴーレム使いを減らしていく。今では、俺たち2,000の守備隊を、5人のゴーレム使いで運営していると聞いた。それも、子供だけのゴーレム隊に、2,000人にもなる、守備をメインとしているが、正規軍としての訓練を積んだ俺たちが勝てなくなってきている。
ライムバッハ子爵は、誰と戦爭をするつもりなのだろうか?これだけの軍隊が、人的な部分で、低コスト運営できる事への恐怖。そして、ゴーレムという作る事が容易なでの運営ができるのだ。
ユリウス殿下から、新たな指示を頂いた、翌日に、本當に偽王が訪れた。「オスト様。陛下が・・陛下が來られました(ユリウス殿下の予想通りです。偉そうにしています)」「そうか、ありがとう」
あぁこんな奴の為に・・・・。そう思えるような人が目の前に居る。切りたい衝を抑えるのが一杯だった。臣下の禮を取っていたために、表は隠せていると思う。
それから、貴族たちが何か偉そうな事を言っているが、簡単に言えば、腹が減ったまず、飯の酒をよこせ。も居るならよこせ。だった。
「陛下。申し訳ありません。食事はご用意致します。酒もしですが用意できますが、皆様の分は・・・ノース街のせいで資が屆かなくなってしまっています。それに、守備隊はもともとがいません。これも、ノース街がなかった頃には、召喚などが來ていたのですが、今では來なくなってしまっています」「なに?オストとか言ったな。それならば、余がノース街とやらを手中に収めたら、も飯も好きにできるという事なのか?」
え?なんでそうなるか解らない。まぁユリウス殿下からは、かわいそうな豚と言われているが、その表現がすごくあっている。
「・・・はい。ですが、今は、ノース街から來ている、ゴーレムをどうにかしないとなりません。陛下や貴族の皆様が立ち上がったら、ノース街のゴーレム隊と言っても、平民の集団です。恐れをなして逃げ出すでしょう。是非お力をおかしください」
何か、豚や貴族共が言っているが、耳にってこない。睡眠魔法りの食料や飲料を、大量に貪っている。貴族の中には、寢始めるものが出始めるが、肝心な偽王と偽宰相が寢ない。
それから、30分後に、やっと全員が寢てくれたようだ。ユリウス殿下に連絡をれる前に、全員を縛り付ける。この役割をんだのは、全員が偽王達に親を殺された者達だ。
それから10分後に、ユリウス殿下がクリスティーネ様と數名を伴って、天幕の中にってこられた。
「オスト隊。悪かった。一番つらい役をやらせてしまったようだ。心から謝罪する。ギード!ハンス!」「はっ」「了解!」
呼ばれた二人が、俺の前にやってきて、一禮してから、持っていたを、ユリウス殿下に渡している。「いえ・・」「オスト以下、北門守備隊。お前たちが、を終わらせた英雄だ。オストには、騎士職を與え、それ以下の者たちも、準じた勲章を授ける」
一気にいろいろ言われて、しパニックになる。俺が”騎士”?守備隊の隊長程度の俺が?
「・・・」「(隊長。お決まりのセリフですよ)」「あっ北門。守備隊隊長オスト。謹んでおけいたします」
渡された書簡には、部下たちに與える報奨とそれに沿うような報奨金が記載してあった。俺が、これを部下たちに分配しなければならない。らしい。それから、りっぱな剣が渡された「これは?」
「あぁ俺の友人で、ノース街で遊んでいる奴が居るのだけどな、そいつがドワーフとエルフとの共作で作り上げた武だと言っていた」「え?魔道・・・なのですか?」「いや・・・なっていったか?クリス」「はいはい。オスト殿。それは、魔法武といいます」「え?魔法武って時々出土するというアーティファクトですよね?それを作った?え?」「まぁそうなるのでしょうね。それが量産化できた第一號と言っていました。一號らしく、いろいろ試作段階の機能がっていて、"ぶっ飛んだ機能”と言っていましたよ。オスト殿?魔法は使える?」「え?あっ火の霊の加護がありますが、0.74で初級程度の威力しか出せません。申し訳ありません」「いえ?いいのですよ。ちょうどいいと思います。オスト殿。これを、剣のにはめ込んでみてください」
渡されたのは、赤い石のようなだ。魔石とはしだけ違うようだ。はめ込んだ時に、何か力が奪われるようなじがした
「うまく作できそうですね。それでは、オスト殿。剣を上に向けて"ファイアボール”と詠唱してください」「え?」
言われたまま、上に向けて"ファイアボール”と詠唱した。そうしたら、ごそっと力を奪われるような覚になって、剣の先から火の塊が出現して、猛スピードで、剣先からまっすぐに飛び出した。
「え?魔法?なんで?」「うん。うまく作するようですね」
そう行って、クリスティーネ様は、いくつかの石を渡してくれた。
それらは、”ウォータボール”、”サンドボール”、”サンダーボール”、”ウッドボール”、”ダークボール”、”ライトボール”、”ヒールボール”と詠唱するらしい。ヒールボール以外は、攻撃魔法になっていると言われた、ヒールボールは、癒やし魔法のようだ。石を換することで、これらの魔法が使えるようになると説明をけた。國寶級のだという事がわかる。辭退しようと思ったが、褒を辭退されたら、流石に傷つくと言われてしまったし、俺が使って、問題點がなければ、軍の標準裝備にすると、言われたので、使う事にした。
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