--- ヒルデガルド Side ---「お兄様。それで、叔父上達は？」「叔父上？あぁ豚と猿の事か？」「そうですね」

し考えると、その言い方もどうかと思うが。あいつを叔父上と呼ぶよりはいい。

「お互いに、罪をなすりつけあって、楽しい事になっているぞ。それから、各貴族からの命乞いで、俺は20名以上の妾を持つことができるそうだ」「やっぱりそうなりますか？」「あぁヒルダ。お前も他人事では無いぞ。貴族の多くは、アルにも妾を送りつけるつもりだぞ」「かまいませんよ。の壁くらいにはなるでしょうから、迷宮につれていけば済む話ですからね」「怖いやつだな」「それで、お兄様はどうされるのですか？」「ん？貴族の當主は、全員死罪。縁戚も未年者以外の男子は死罪で、は全員教會行きだな。子供は、ノース街で預かってくれるのが嬉しいのだけどな」「いいですよ。條件は有りますけど・・・」「え？いいのか?條件・・・は？」

これは、アルノルト様からも言われている。子供が親の罪を引き継ぐ必要はない。人していれば、それは、諌める事ができるだろうが、そうじゃなければ、親の責任まで子供がかぶる必要は一切ない。ノース街でけれる條件は、子どもたちに貴族の稱號を名乗らせない事だ。”フォン”の稱號を外す事。それと、今までのメイドや執事は連れてこられない事になる。當然だ。ノース街では、賃金を払う事はない。孤児扱いになるので、族年金のようなは提供するが、一人で生活するのに困らないくらいの金額になっている。児は、そのまま神殿の孤児院に預けられる事になるだろう。それらを全部飲めるのなら、飲ませる事が、ノース街でけれる條件になる。

「お兄様。アルノルト様からの提案は、これだけです。お兄様と、クリス姉様で調整をお願いします」「わかった。お前は、偽王達を見ていかないのか？」「不愉快な気持ちにしかならないのでやめておきます」「そうだな。わかった。でも、処刑には付き合ってもらうぞ。アルにも伝えておけよ」「わかりました」

憂鬱な事だが仕方がない。勝者の義務を、果たさないわけにはいかない。アルノルト様も、それはわかっていらっしゃる事だろう。

偽王達が捕らえられた時。私とお兄様が會いに行った。

偽王は、何を勘違いしたのか、私が、豚の嫁になるために來たのだと言い出した。不快な気持ちを通り越して、何もじなくなって、アルノルト様から渡されている、刀を抜きそうになってしまった。それから、貴族にも會いに行ったが、聞くに堪えない言葉の連続だ。偽王に騙された、辺境伯に騙された。俺は悪くない。悪いのは、王弟殿下だ！と、責任のなすり合いをするだけだ。それで効果がないとわかると、今度は、び諂い始める。

捕らえられてから、3日後に、シュヴァイガー辺境伯を、エルフ族のロルフ殿が連れてきて。狀況が変わった。より、び諂いがひどくなって、仲間だった者たちを売ってでも助かろうという考えなのだろう。お互いに、それこそいない者を含めて、思いつく限りの事を、話し始めた。両手両足を切り落とされて、オブジェと化しているシュヴァイガー辺境伯の姿は、それは恐怖をうものなのだろう。

が焼かれ、聲も出ない狀況で、下の世話をしているのは、首をされた、他の貴族たちだ。しでも、遅いと、罵聲だけではなく、罰で指を折られたり、それでも態度が変わらなければ、指を切り落としている。その切り落とした、指をシュヴァイガー辺境伯に食べさせている。

拷問を目の前で行わせて、心を折っていく。必要な事かもしれないが・・・それでも・・・エルフ族やドワーフ族の気持ちは晴れない。それがわかっているので、誰も止めようとはしない。ただ、エルフ族もドワーフ族も、アルノルト様から、一つだけ守ってしい約束があると言われている。それが、死刑にならない者には、拷問は行わない。事だけは、絶対の條件になっている。

ここに、捕らえられている者達は、全員死刑が決まっている。罪の重さで罰となる。刑が変わってくる。偽王と二人の辺境伯は、一度魔法で全快にしたあとで、最後の晩餐を3人だけでとらせる。

名譽の死なぞ與えない。一瞬で死んでしまっては、罪の重さと釣り合わない。三人、迷宮ダンジョン産の魔と戦ってもらう。犯してくるような魔もいるかも知れない。それでも、1ヶ月間戦い続けて生きているようなら、罪を許す事にした。

エルフ族も、ドワーフ族も、それに承諾した。面倒とばかりに、斷ろうとしていた、アルノルト様を説得するのが一番大変だった。

刑の執行は、他の貴族の罪が決まってからになった。シュヴァイガー辺境伯の姿を見て、告白や告をお互いにしているので、それの裏取りが大変な作業になっている。被害者が存命の場合には、被害者に話を聞いて、死刑をむか？減刑をむか？と聞いている、一人でも減刑をんだら、名譽ある死になると考えていたが、被害者が"死をんだ”。

連座する商人や各ギルド職員や、冒険者にも、波及した。

王國の大掃除になってしまった。既得権益を守ろうとした商人もいたが、貴族に連座する形で、罪を暴かれていった。

全員で、518名の死刑者が出る事になった。それに、縁戚まで加わると、死刑をするだけでも大変な手間になってくる、かと言って、許すという選択肢は、ユリウス陛下・・には取る事が許されない。新しい時代の幕開けを告げる為にも、古い制を壊す必要がある。

冒険者は、そのまま奴隷になるか、死刑をけれるかの選択肢を迫る事になり、全員が奴隷になる事になった、奴隷は、そのまま労働力になるので、ノース街で使う事になる。商人は、私財沒収の上、國外退去になることになって、王國だけではなく、迷宮ダンジョンがある場所には立ちられない事になる。

アルノルト様から、死罪となった全員を、迷宮ダンジョンの50階層辺りに放り込んでおけば、魔が処理してくれるかもしれないけどどうする？と、提案があった。死刑となる全員に、民衆の前で斬首されるのがいいか、迷宮ダンジョンの50階層から生き延びる方を選ばせる事になった。冒険者は、奴隷となる事が決定しているが、特例として生き殘れたら、奴隷から開放する事を約束する。

期間は、1ヶ月。持ちは、軍で採用されている武と防。それに、3日分の食料と水だ。この食料も、一部の貴族が資の橫流しをしていて、通常よりも半分以下の費用で作られただ。渡す時に、その貴族の名前と一緒に資を渡している。二人の辺境伯が、エルフやドワーフの魔道や武・防をしがったのかも、はっきりとした。奴らは、軍の発注に口利きをして、通常よりも威力が弱い武や防を卸させて、差額を懐にれていたのだ。渡される、武・防や食料まで、奴らが自分たちの首を締める結果になっている。ポーション類も同じで、偽王の懐に差額がるようになっている。こうして集めた金で、派閥を形していったのだ。

今まさに、命をBETした、賭けが始まる。私とお兄様は、アルノルト様に言われて、アルノルト様の作業部屋に移している。そこから、モニタリングをしたり、魔の調整を行ったりできると言うことだ

50階層や前後5階層分は、この時の為に、迷路に作り変えられている。50階層だけは、ゲートを設置する関係もあるので、広く作ってあると説明された。

518名は、ロルフ達エルフ族が、50階層に連れてきた。

連れてこられた奴らの表からは、これから、何が行われるのか・・・本當に、生きて変えられるのか？そんな事を考えているのだろう。

この処刑方法は、自分が取り仕切ると言って、アルノルト様が設定から準備から全部行っていた。エルフ族も、何か手伝わせると固辭してしまったために、連れてくる役目を頼む事になったようだ。

冒険者からは、一人の參加者もいない。貴族と貴族の関係者や商人だけの參加だ。

並べられたディスプレイには、全員が補足できるように、細心の注意がされているのだろう。複數の小型ゴーレムがバレないように、奴らを監視する事になっている。

開始の合図もなかったが、エルフたちが部屋から出た事を確認して、アルノルト様が、キーボードを叩き始めた。

”最初は、ノーマルなゴブリン辺りでいいかな？”

なんとなく、楽しそうな聲に聞こえてしまうが、これは処刑の一種なのだ。被害者で、殺されるところを確認したいと願った者は連れてきている。もちろん、アルノルト様の作業場ではなく、ノース街にあるある建の中だ。

アルノルト様の作で、ノーマルゴブリンが、10匹程度が襲いかかる。これは、犠牲者もなく倒す事に功する。

これで、迷宮ダンジョンが楽に攻略できると思ったのか、気分が大きくなって、悪口を言い出す。それだけではなく、偽王を中心に、元々の力関係のまま団結しだしてしまった

「アル！」「なんだよ。ゴブリン程度なら、殺されて當たり前だろう?それよりも、ゴブリンに勝った程度で舞い上がるってどこまでめでたい頭の持ち主達だよ？」「・・・・もう、いい。それよりも、どうするつもりだ?」「どうするも・・・ユリウス。こいつらは、俺達から、ザシャとディアナを奪った奴らだ、生かしておく必要は無いのだろう？それに、”あの方”にもつながっているのだろう？簡単に死んでしまったら困るからな」「・・・そうだったな」

そうなのだ、偽王が口走った”あの方”の報は、アルノルト様に即座に伝えられた。それから、この死刑方法が考え出される事になった。

”次は、もうし苦労するかな・・・ゴブリン30にオークを10で、誰でもいいから一人を連れ出して、奴らの目の前で、犯しながら食べろ！”

なんて命令を出すのかと思ったが、エルフ族やドワーフ族がやられた事を考えれば、それに、王城の地下にあった死。貴族共が、領の弱い立場の者たちにやってきた事を考えれば當然の報いだ。

「ユリウス！」「なんだ・・・」「お前が間違った方向に進んだら、俺は遠慮なく、この力をお前に使うからな！そのつもりでいろよ。俺に力を與えた事を後悔したくなかったら、民と向き合って、大量の反面教師達を思い出せよ」「あぁ・・・わかった。肝に銘ずる！」

お二人が、話している間に、さっきまで威勢よく騒いでいた一人・・・確か、男爵だと思った・・・が、ゴブリンを刺した武が抜けなくなってしまったところを、オークに襲われた。オークは、捕まえた者の足を摑んで引きずっていく。脆い鎧は、それだけでボロボロになっていく。剣もいつの間には折れてしまっている。一匹のオークが、男爵の鎧を剝ぎ取り、肩口に噛み付く。絶が聞こえてくる。噛みつかれた部分のが全部に知られているようだ。が滴るのが解る。下半の鎧もいつの間にか、剝ぎ取られている。男である男爵の後ろのにオークが持っていた太い混紡を突っ込んでいる。わめきながら、命乞いをしているが、オーク達はやめる事はない。男爵の一を切り落として、男爵の口に放り込む。吐き出そうとする所を、無理やり奧に押し込む。男爵は、生きたまま、オークに食べられていく。らかそうな部や腹などを噛みつかれて、臓を取り出されて、食べられている。この時點で死んでいても不思議はないが、意識が保てる魔法がかけられていて、死ぬこともできないで居る。限界まで、食べられてから、魔法の効力が切れて、男爵は息絶えた。その間、時間にして20分程度。貴族たちは、何もしないで、その景を見守っていた。

オーク達が、男爵を食べ終わって、立ち上がった。絶とも取れる聲を上げながら、武を振り回しながら、オークに攻撃をかける。その蔭で、男爵一人の犠牲で、ゴブリンとオークを排除する事ができた。

安堵している所に、今度は、ゴブリン100を突撃させる。今日は、これでおしまいとアルノルト様は言っていた。

あとは、迷宮ダンジョンに、3階層程度の魔を徘徊させるのだと言っている。正直、3階層程度なら余裕で突破できると思っていたが、アルノルト様の予想では、前後２階層が限界だろうという事だ。

実際に、３日目が過ぎた辺り、２階層上にたどり著いたが、ここまでだった食料がなくなってきたのだ。もともと、與えられれば、すぐに手にるような環境でいた奴らが、計畫を持って我慢するなどという事ができるわけはない。

醜い同士討ちが始まった。相手が食料を持っているのかと思って、襲うが、相手も同じ考えのようで、食料など手にるわけではない。

そして、お兄様から、アルノルト様に、そろそろ終わらせろと命令が降った。

アルノルト様は、準備していた、アラクネを迷宮ダンジョンに解き放った。アラクネは、下半は蜘蛛で上半がになっている。

下半で捉えた者に、卵を産み付ける。子蜘蛛達は、苗床になっている人間を食らって大きくなる。アラクネに卵を植え付けられた時に、全部を食い終わるまで、死にならないように、生かされている狀態になる。意識を保ったまま、自分が子蜘蛛に喰われている事がわかる狀況が続くという事だ。もちろん、苗床になった人間が植えては困るので、自然と栄養をとるようになっている。それが、人間の死でも食べる事で、子蜘蛛に影響が行き渡るのだ。

本當に、迷宮ダンジョンで死刑が行われている。全員が死ぬまで、２週間が必要だったのは。アルノルト様がいろいろ実験をしていたからだ。それを咎める者は誰もいなかった。

迷宮ダンジョンに生存者がいない事を確認した。「ユリウス。終わったよ。これからは、お前とクリスの出番だ。俺は、ノース街で引きこもるからな」「わかった。任せろとは言わないけど、なんとかしてみせる」

お二人は握手をわしたこれで、前會議から始まった、は、お兄様とアルノルト様によって、収束したのだ