《魔法の世界でプログラム》領地改革.1
--- コンラート Side ---アルノルト様から、正式に”ノース街代”を命ぜられた。領主が居る街で、代を置くことは珍しいがないことではない。
ユリウス陛下が誕生してから、一ヶ月が経過している。何があったのかは、聞いていないが、ユリアンネ様やラウラ。カウラ。達は、居なくなったと言われた。その時の表は、何か吹っ切れた表をされていた。これで、領地運営をおこなってくれるのかと思ったが、翌日から、迷宮ダンジョンに篭もられて何かを作っていらっしゃった。
出てきたのは、1週間後だった。
戻られてから、すぐに、私と、エードルフと、シュトライト殿と、アヒム達と、フルール殿を呼び出された。
その場で、私が正式に代になる事が告げられ、城塞街を王國には、砦として申請している事。なので、稅制的にも、ノース街の一部である事が告げられた。前代未聞である。王城を取り囲むように領地を持つ侯爵家が誕生したのだ。王城に居る貴族は反対しなかったのか?
素樸な疑問を、シュトライト殿が質問した。「あぁ貴族で、俺に・・・と、いうよりも、マナベ商會の會頭に文句をいうのは、得策ではないと考えたのだろう。それに、領地と言っても、城壁の幅だけだしな。元々、王家のだった部分を、俺がもらっただけだからな。あぁこれから、攻略を開始する、迷宮ダンジョンの地上部分も影響範囲は、"ノース街の一部”として扱う事になったからな。コンラートよろしくな!」
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幾つかかなりぶっ飛んだ事を言っているのに、この人は気がついているのか?フルール殿が呆れた表になっている。アヒム達は付いてこられないのか、怪訝な表を浮かべている。エードルフは、多分この次に語られる事を想像して、表が青くなっている。
シュトライト殿も同様だ。でも誰かが聞かなければならないだろう。
「侯爵閣下」「あぁコンラート。侯爵って呼ばないでね。今まで通りでいいからね。なんなら、呼び捨てでもいいよ!」「・・・解りました、アルノルト様。幾つか教えてください」「ん?なに?」
貴族が文句を言わなかったのは、ゲートの件が有るからだろう。これは、想像できる事だ。この件は、確認しておけばいいだろう。今後、貴族がノース街に來た時の対応にも関わってくる。
問題は、それ以外の事だ。王家の領地を分け與えた?確かに、今回のは、アルノルト様がかなければ、これだけ早期の解決はなかったのだろう、ソレだけではなく、多くの民が死んでいたかも知れない。その意味でも、領地を與えるのは、當然だとして・・・。大きさが半端ない。王都を囲むような、領地を持つ事になる。その上で、3つの”元”城塞街を抱え込むのだ。城壁は、今(考えられない)急ピッチで、建築されている。資材をどこから集めてくるのかと聞いたら、迷宮ダンジョン産だと笑っている。大量の難民がノース街に住んでいた為に、迷宮ダンジョン運営に必要な魔力が大量に集められたそうだ。それを、石材にして、ゴーレム隊に運ばせて、建築を行っているとの事だ。
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”元”城塞街は、王都から半日程度の場所にある。それを繋ぐように、ぐるっと一周だ。どれだけの面積になるのか、考えるのも億劫になる。そして、作っている城壁は、幅が30m以上もあり、大型馬車が數臺並行して走っても問題ない。王都を守る事になる。この城壁は、幅だけではなく、機能面も優れている。5km程度毎に、駐屯できる広さの場所が作されている。そして、壁の中は空になっていて、外側に向けて隙間が作られていて、その部分から攻撃が可能になっている。城壁を結界で守っているので、理攻撃だけではなく、魔法攻撃に対しても、効力を発揮する。その城壁が、高さ15m程度まで積み上がっているのだ。本來なら、數十年単位での建築計畫だが、一つの侯爵家がそれを作ろうとしている。その上で、これは”ノース街”の一部だと強弁しようとしているのだ。
「アルノルト様。城塞砦には、守備隊を配置すると思うのですが・・・どうしましょうか?」「う~ん。伝令役と監視要員だけでいいよ。そんなに人數かけられないでしょ?」「え?よろしいのですか?」「そうだね。できれば、城壁の中継地點にも、監視要員の配置を頼みたいかな」「・・・それは、良いのですが、本當に、守備隊は必要ないのですか?は終結したと言っても・・・」「え?あぁそういう心配ね。コンラート。大丈夫だよ。監視要員を24時間監視させて、誰かが攻めてきたり、魔の大量に発生したり、そんな事が起こったら、ノース街までゲートで戻ってきて、ノース街から守備隊が出撃すればいいでしょう?そのくらいの間なら、結界で防げるでしょ?複數箇所同時に攻められたら、時間稼ぎにゴーレムを大量に投すればいいだけだからね。その為に、スペック3を用意してきたからね」
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また新しい言葉が出てきた。ゴーレムのスペック3とはなんだ?本當に、この人は・・・次から次へと・・・。それでいて、自分は普通だと思っている辺りが、異常を強くしている。
「それは解りました。では、エードルフやシュトライト殿がその任務にあたるで良いのでしょうか?」「う~ん。そうだね。エードルフ達もこので経験を積んだし、大丈夫だよね?」「はっ!しかし、閣下・・・アルノルト様。我らも、ゲートを使って良いのですか?」「ん?駄目なの?」「いえ、商人や冒険者ギルドに公開しているのは、存じております。ですが・・・」
エードルフ達が気にしているのは建前の問題だろう。ゲートを設置出來る數に制限があると言って、貴族からの要請を”面倒だから”で斷ってしまうような人だ。その人が、新たにゲートを作っていると知られたら、問題になってしまうのではないかという事だ。その上で、自分たちが使うゲートが、商人や冒険者が使っているを一時的に使うようになれば、文句が出て來る可能がある。
「あぁそれは気にしないで、あれとは別のになる予定だからね。ノース城に守備隊の宿舎があるでしょ。あの中に常設するつもりだからね。ノース街の中から行くなら、魔力は使わないから大丈夫だよ」「え?そうなのですか?それなら、安心出來ます」
アルノルト様は、簡単に言っているが、これがどれだけ、すごい事なのかを考えていないわけではないだろう?ゴーレム達だけでも、十分なのに、ゴーレム達を効率よく運用する仕組みを構築できるのだ。それに、本來なら、ノース街から、約3~4日離れた場所にある。城塞砦には、最低でも3~4日程度は持ちこたえられる兵站と守備隊を配置する必要がある。それが、ほぼ必要ないのだ。兵站に関して言えば、ノース街に戻ってくれば良い事になる。守る時にも、ノース街までの往復時間、長くても數時間持ちこたえればいい。それなら、結界を維持する事でなんとかなってしまう。100名程度の守備隊の派遣で十分という事になる。これだけ広大な”街”だから、守備隊の事を考えると、頭が痛かったが、それは必要なくなりそうだ。
「アルノルト様。ゴーレムのスペック3とか言って居られましたが、どういったなのでしょうか?」「あぁ説明していなかったね」
それから、アルノルト様はおもちゃを褒められた子供の様に、ゴーレムの事を説明してくれた。ゴーレム隊が使っているゴーレムは、主人の命令に従う様に作られている。命令の種類は、ゴーレムによって違うらしいが、かなりの自由度があるらしい。縦が出來るようになっているので、一人が作出來るゴーレムの數には限界がある。これが、スペック1にあたるそうだ
大まかな命令を繰り返すようにしたが、スペック2で、今建築に使ったり、畑作業に使ったり、している。同じ作業を繰り返す事が出來るだ。使い方はそれほど難しくなく、最初に作業を教えこんでから、繰り返させる事になる。単純作業なら、これで問題はないが、なにかイレギュラーな事が発生してしまった時には、対処が必要になってしまう。その部分を修正したが、スペック2.5と呼んでいて、今出回っているゴーレム馬車は、殆どが、このバージョンでいているらしい。現在は、これにしだけ安全裝置を強化したを作して、主力商品になっている。
そして、今回のスペック3は、防に特化した守備ゴーレムだという事だ。元々のゴーレムは、魔の思考がベースになっていて、攻撃された者を攻撃するや、一番近い敵を攻撃すると、いった行原理だったという事だ。アルノルト様は、これをスペック0と呼んでいた。そのスペック0をベースにして、守備に特化したきをするゴーレムを作したという事だ。指定された場所を守るモード。侵者を排除するモード。仲間の救援に向かうモード。これらの、守備に必要なモードを兼ね備えていて、命令を與える事で、その命令通りに行を開始する事になる。”フレンドリーファイヤー”にならないように、味方と敵の區別が出來るように、特定の識別札を持つ者は攻撃しない様になっているとおっしゃっている。これを作っていたとの事だ。それ以外にも、いろいろおもしろい機能を組み込んだから、それは実踐をおこなってみればわかるという事だ。スペック3は、納得した。守備に特化した自でくゴーレムという事だ。それなら、大量に投しての時間稼ぎなんかは出來るだろう。
最後に聞かなければならないのは、迷宮ダンジョンの事だ。
「アルノルト様。先程のお話では、迷宮ダンジョンを攻略されるとお聞きしましたが?」「うん。するよ。クリスにもユリウスにも許可はもらっている。王國が把握している・・・9つの迷宮ダンジョンを攻略するよ」「9つですか?」「うん。多分だけど・・・それじゃ終わらないと思うけど、とりあえずは、9つかな?」「それはどこにあるのですか?」「ん?あぁ言っていなかったね。場所は”ここ”って事だよ」
そう言って、出された地図に9つの印がついている。全てが、城壁予定場所と、王城との中間地點にあり、等間隔に広がっている。
「アルノルト様。これは・・」「う~ん。何らかの意図があったとは思うのだけどね」
迷宮名はすでに決められているようだ。古い言葉で、數字を表している
ノース街道から見て、右回りに、”アインス・ツヴァイ・ドライ・フィーア・ヒュンフ・ゼクト・ズィーベン・アハト・ノイン”となっている。覚えやすくていい。
「アルノルト様。これらの迷宮ダンジョンの上にも街をお作りになるのですか?」「え?コンラートが作りたければ作っていいよ?俺は、面倒だから、進出したいギルドが居たら許可するだけのつもりでいたよ」「それではなんのために?」「う~ん。強いて言えば、頼まれたからだけど、まぁクリスやユリウスが街を作るとか、言ってきたら協力してあげればいいとは思うけど、俺の中では、迷宮ダンジョンの上だから、ノース街の一部って考えているから、管理運営は、ノース街の代に任せる事になるからね」「必要ないです。それこそ、ご子息が産まれたりした時の領地にしましょう」
「あっそれいいね。カールの所に子供が出來て、領地がなかった時とかに渡せばいいよね」「・・・ライムバッハ辺境伯からは難しいとは思いますが、そうですね。そういう使い方が出來ると思います」「わかった!アヒム!好きな場所を選んでおいてね。お前を代にするからね。それとも、ベノンやクルトの方がいいか?それとも、6人別々にするか?」
「え?」「はぁ?」「・・・」「大將。勘弁してください。俺らは、冒険者家業で十分ですよ」「えぇそうなの?命令出來るけど?」
「本當に勘弁してください。コンラートの旦那も、笑ってないで何か言ってくださいよ」「すまん。アルノルト様。彼らや、勿論、エードルフやシュトライト殿を、代にするのは辭めて下さい。犠牲者は私だけで十分です。それに、そんな事をしたら、貴族連中がうるさく言ってきますよ」「あぁそうなのね。それなら、暫くは、攻略もまだ出來ていないけど、街が出來そうになったら、コンラートに相談するよ」「畏まりました」
「あぁ・・・主殿?」
黙って話を聞いていた、ダークエルフのフルール殿が何か有るようだ
「ん?なに?」「街を作る云々は別にして、妾に一つ預けてくれんか?」「ん。いいよ。どうするの?」「亜人達の住む場所街が、しいと言われておるのじゃよ」「へぇいいね」「あぁノース街は、亜人への偏見がなかったのじゃが、それでも人が増えてきて、いざこざが、増えないとは思えないからな」「そうだね。それは申し訳なく思っているのだけど・・・」「あぁ主殿が悪いわけじゃないのは、妾達も亜人達も解っておる。最初は、ノース街の中に特區を作ってと考えていたのじゃが、それだと、どうしても、人族との接點が増えてしまうからな」「そうだね。それなら、最初に攻略する所を、亜人の街にするよ。ノース大森林から、ノース街に住みたいと思っている人たちも、最初は、その亜人の街に行ってもらうようにすればいいよね?」「わかった」「あっそれから、コンラート。今ノース大森林からの資の買い取りを、行政が一括しているよね?」
急に話を振られたが、たしかに、エルフ族やドワーフ族を介してだったりするが、ノース大森林由來のは、ノース街が買い取ってから、市場に流している。そうしないと、値段がおかしな事になってしまう。
「はい。そうしています」「それは、ノース街に取って大きなメリットになっている?」
買い取り自はさほど大きなメリットになっていない。値段の差額も、売り手に還元している。手間が多いわりに、金銭的なメリットは乏しい。街全で見れば、商人が買い取って自分の街に持っていくので、通行時のメリットが有るくらいだ。
正直に、アルノルト様にそう伝えた。
それを聞いたアルノルト様は、しだけ考えてから「フルール。その街を作る事自は賛するし、協力もするけど、一つ頼みがある?」「主殿。頼みなどと言わずに命令して下さい」「あぁそうだけど、一応頼みかな・・・。その街で、亜人が自由に商売出來るようにしてしい、そして、その街に”人間の商人”が、買い付けに行けるようにしたい。街から、商人が出る時に、関稅という形で稅を徴収して、それを、亜人街からノース街に治める事で運営を行う・・・。こんな形にしたいけど、いいか?コンラートも問題はないか?」「主殿。わかった。細かい部分は、実際に、主殿が迷宮ダンジョンを攻略してから、コンラート殿と話をすればいいのだろう?」「うん。コンラートも頼むね」「はぁ・・・解りました」
亜人の街・・・確かに、ノース街は他の街に比べると、信じられないくらいに、亜人に対して寛容だ。しかし、それはアルノルト・フォン・ノース・ライムバッハ侯爵が居るからであって、亜人達をけれているからではない。初期の領民なら問題にならなかった事も、が終結してから訪れるようになった、貴族達やその護衛は、多い時には日に何度も、同じような、いざこざが発生する。それらの問題への対応を考えていた所だったので、フルール殿の提案は、ちょうどよいのかもしれない。亜人の街との友好関係を構築して、そこから利益を得て、信用と信頼をお互いに得ていく、それが出來なければ、ノース大森林由來のが市場に出回らなくなるだけだ。案外いい考えかもしれない。後で、フルール殿と詳細に詰めなければならない。
「あっそうだ!迷宮ダンジョン攻略は、俺とヒルダとナーテと・・・あと、フルールにも付き合ってもらうけどいいよね?全部一気に攻略するつもりだから、短くて半年位はかかると思うから、その間、コンラート領地よろしくね。乗っ取りたくなったら、乗っ取ってくれていいからね!」
話も終わりかと思ったが、最後にド級の弾を落としてくれた。連絡は出來るだろうが、攻略が上手く進まなければ、1年近く・・・いやもっと長く領主不在になるという事なのか?
12ハロンのチクショー道【書籍化】
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