《魔法の世界でプログラム》ドライ迷宮.攻略02

--- アルノルト Side ---最後にジスランが部屋から出ていった。

部屋に殘っているのは、アロイスだけだ。

『アルノルト様。まずは、ジスランの態度をお詫び致します。奴は、この中で一番仲間を、家族を失っているので・・・』「そうか・・・としか言えない話は、後でいい。まずは、狀況の説明を希する」

敢えて冷たい言葉を投げかける。実際の所、同出來る狀況では無いことはわかっている

『そうですね』「まずは、アロイス殿達の事を教えてほしい。魔族とはどういう事だ?」『・・・人族から見たら、魔も魔族も変わらないのでしょう・・・』「そうか、聖獣とも違うのだな?」『・・・聖獣様もご存知なのですか?』「あぁ」『そうですか・・・私達は、500年程前に、霊神様の加護から外れた者たちです』「(やはりな。)この迷宮ダンジョンに、住んでいる理由がわからないのだが?」『それは・・・我達は、元は森に住んでいたのだが、森に兵を進めてきて・・・・』

語られたのは、王國の建國時期まで遡る。當初は、森に住んでいた、アロイス一族は、アーベントロート1世に味方する形で、王國建國に力を貸した。その後、1世本人なのか、配下の者なのか、詳細は結局わからないままだったが、アロイス一族は、森の住処を奪われる形になってしまった。彼らからしたら、アーベントロート1世に騙された形になってしまう。

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「アロイス殿。アーベントロート1世とは會話が出來たのか?」『そう言われています。彼も、霊神の加護持ちと言われています』「それか・・・。わかった。それで、俺に何をしてしいのだ?」『その前に、我らがここに住み始めた時の話を聞いてくだされ』「あぁ」

アロイスは、言葉を選びながら、自分たちの歴史を語った。言葉の端々から、裏切られたという気持ちは伝わってくるが、重要なのは、そこではない。どうして、ドライ迷宮に棲み著いたかだが、答えは案外普通の事だった。迫害され、流れ著いたというのが正解の様だ。最初の數十年は、10階層から下の階層でも生活が出來たようだが、徐々に魔が増えてきてしまった。それでも、対処は可能だったと言っている。問題なのが、10階層の奧の部屋に現れた”牛の魔”が恐ろしく強くて、今まで何度も挑んでは、全滅になってしまっている。

奧の”牛の魔”がいるので、下層にも降りられないし、地上には出る事が出來ない。今の個數で、迷い込む獣や低階層でたまに現れる魔を、討伐して生活を行っているのが実の様だ。このままでは、ジリ貧なのは間違いない。何とかして、下層を開拓するか、地上部分に橋頭堡を作るしかない。それで、アロイス達が選んだのは、地下に降りる事だ。そして、10階層から先にあると思われている。祖先が殘した産を手にれる事を考えているらしい。

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「それで、俺に”牛の魔”を倒してしいという事なのだな?」『・・・・』「そうか、アロイス殿は、この迷宮に関して、どの程度の知識があるのか?」『??。どういう事でしょうか?』「いや、わからなければいい。それで、10階層の魔は、いつ現れたのだ?」『わかりません。何度か、討伐はしているのですが、しばらくしたら復活しているのです。それに、會話もり立たないので、対応が出來ないのです』

階層主で間違いないだろう。さて、攻略をしなければならないので、別に問題はないが・・・。

『アルノルト様?』「あぁすまん。討伐は行う。その後の話になるが、俺は、このダンジョンの最下層に用事がある」『はい。最下層には、何があるのですか?』「・・・確実な事ではないが、この迷宮を制出來る場所が存在するはずだ」『え?』「アロイス殿達が安心して暮らせる場所の提供が出來ると思うぞ」『本當ですか?』「あぁ最下層に行ってみないとわからないけどな。それから、アロイス殿達には、関係ないかもしれないが、俺は王國から、迷宮の所有権をもらっている。貴殿達がこれからもここに住むというのなら、いろいろ話し合って決めたい事があるが、問題ないか?」『・・・』「まぁいい。とりあえずは、攻略をしたいのだが、問題ないと思っていいのだな?」『はい』「よし、話は終わった。攻略後に、話がしたいが問題は無いよな?」『かしこまりました』

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部屋から出て、ヒルダ達と合流する。やはり、あちらはあちらで何か話していたようだ。

「アルノルト様」「ん?」「ジスランとかいう奴が、攻略するのなら、自分たちも著いていくと言っていますがどうしますか?」「アロイス殿?どういう事だ。ジスラン殿が付いてくると言っているようだぞ」『??そんな事は・・・ジスラン!』

『長。俺は、この者たちが信用できない。だから、俺も一緒に行く!』『ジスラン!』「あ・・・アロイス殿。俺らは別に構わない。ついてきたければ、ついてくればいい。だが、助けないし、著いてこられないようなら置いていく。それでもいいのなら・・・だけどな」

『構わない。それでいい。俺も、お前たちを頼るつもりはない』『ジスラン!』

「アロイス殿。俺達も無限に時間が有るわけではない。攻略に取り掛かるが問題ないよな?」『・・・もう』「それはいい」

いい加減にイライラしてきた。別に著いてきたいのなら、著いてくればいい。邪魔さえしなければ問題ない。

「ヒルダ!ナーテ!フルール!エステル!準備をしろ。攻略を開始する」「「「おぉ!」」」「はぁーい」

後ろで、制止の聲が聞こえたが、階層主の部屋に踏み込む。やはり、想像していたように、”ミノタウルス”だ。

「エステル。合ゴーレム。ナーテは、ヒルダとフルールをボイドで防。俺は、前に出る!」「はい」「了解」「わかった」

抜刀して、ミノタウルスに突撃する。勝算が有るわけではない。だが、10階層の階層主は、強さはそれほどではないだろうと予想している。

ミノタウルスが、持っていた斧を振りかざした。俺の頭をかち割ろうとしているのがわかる。すぐさま、橫に躱しながら、刀でける。刀が悲鳴を上げる事はなく、斧の方が悲鳴を上げている。

魔法の構築が出來たと、ヒルダとフルールがんだ。俺は、刀を橫にはらって、ミノタウルスの脇腹にダメージを與える。”ぶもー”とび聲を上げながら、斧を構える。

刀を引いて、俺が一歩離れた隙間を、ミノタウルスがめる前に、ヒルダとフルールの魔法が、ミノタウルスを襲う。それで勝負有り。

かなり威力を抑えた魔法だったが、10階層程度の階層主を倒すのには十分だ。ゆっくりと、倒れ込む。ミノタウルス。

倒れ込んで、かなくなってから、數秒後に、奧の扉がゆっくりと開いた。

やはり、アロイス達が迷宮にいるので、魔力が供給されて、迷宮が中途半端に起きてしまっているのだろう。罠が生き返っていない事から、そこまでの大が復活しているとは思えない。それでも、下層には急いだほうがいいだろう。

唖然としている、ジスランを放置して、俺達は、11階層に向かった。想像していた通りだが、魔が湧いている。この程度の魔なら、俺一人でもなんとかなるかもしれないが、連攜を確かめるためにも、ヒルダとフルールとナーテと分擔して攻撃する事にした。俺が前衛とタンク役を引きける。ナーテには遊撃として、ヒルダとフルールの後衛と俺との間を埋めてもらう。ボイドが居るので、タンクを行ってもらうことも出來る。

を退治しながら、下層を目指す。後ろからジスラン達が付いてきているが基本的には無視する事にした。俺達は、一直線に下層の階段を目指すが、彼らは、橫道にそれて、何かを集めている。産なのだろうが・・・言わないでいたが、どうやって、10階層に戻るつもりなのだろうか?もう、10階層の階層主は復活していることだろう。もしかしたら、魔力の充填が足りなくて、時間がかかるかも知れないが、それでも、復活してしまったら、誰かが攻略するまで、戻ることが出來ないのだが、大丈夫なのだろうか?指摘して、何かまた文句を言われるのも、面白くないので、考えない事にした。

20階層の階層主の部屋の手前まで來た。俺の予想では、20階層の階層主が居る可能は、半々というレベルだろう。それは、下層に向かえば向かうほど、明らかに魔の數が減ってきているからだ。

「ヒルダ。どうだ?」「まだ大丈夫です。魔力も殆ど使っていません」「そうか、ナーテは?」「おいらも大丈夫!平気だよ!」「フルールは・・・別に大丈夫だよな」「主様。妾に対して冷たくないか?まぁ大丈夫だけどな。後ろから來ていた、人達よりは平気だぞ」「そうか、奴らは?」「途中、エステルが監視で著いていたが、もうかなり上の階層でへばっているようだぞ」「そうか・・・それなら、し急がないとならないかもな」

ナーテとフルールが、怪訝な表を浮かべる

ヒルダが俺に変わって説明してくれるようだ「ナーテ。フルール。私達は、魔を倒してきたわよね?」「うん」「あぁ」「魔はどうしてきた」「・・・」「捨ててきたな。迷宮ダンジョンが吸収・・・そういうことかえ?」

「そうですわ。フルール。魔を、迷宮ダンジョンが吸収して、新たな魔が湧き出す可能があるのですわ」「そうか、妾達なら対処できるような魔でも、奴らに対応出來るとは思えないという事か?」「出來ると思えて?」

ヒルダもかなり冷たく言い放つ。実際、無理だろう。數なら対処出來るかも知れない。もしかしたら、暫くは大丈夫かもしれないが、奴らは軽裝だった。食料もそれほど多く持っているようには思えなかった。それに、産とやらを集めるのに必死になっていた。それでは、魔との戦闘も數回が限界だろう。そのうち、力が著きたら、魔の餌食になってしまうのだろう。別に俺達の責任ではないので、気にしてはいないが、これからの渉で有利に運ぶためにも、彼らにはギリギリで助かってもらう方が好ましい。

「さて、皆が大丈夫なら、20階層の階層主に面會しよう。もしかしたら、ご不在かもしれないが、その時には、更に下の階層を目指す事にしよう」「「「おぉ」」」

20階層の奧の扉を開ける。行きこんで開けたが、そこには階層主はいなかった。その代わり、下層に続く階段だけがポッカリと口を開けていた。

「終わりだな」

この階層で階層主が出てこないのなら、これより下の階層で出てくるとは思えなかった。実際、50階層まで一気に駆け下りたが、20階層より下は、魔にも遭遇しなかった。30階層と40階層と今いる50階層にも、階層主の部屋らしき場所は用意されていた。

50階層の階層主の部屋から下につながる階段は見つからなかった。玉座の間の様になっている近くに扉があり、そこから、管理室に行けるようになっているようだ。

これからは、いつもの作業だ。管理者が不在になっているので、登録を行う。その後、ノース迷宮とゲートで繋げる。魔力の充填が始まるのを待っている間に、管理室の中をする。アインス迷宮やツヴァイ迷宮とそれほど機材に違いは見られない。

ドライ迷宮が生き返った事を確認して、地上に戻ってから、アロイス達との渉を行う事にした。ヒルダとナーテとフルールには、殘ってもらう事にした。設定の変更が間違いなく発生する事になる。

10階層まで降りて、アロイスに面會を申しれた。すぐに、アロイスは俺の所にやってきた。

結局、攻略に3日半かかってしまった「アロイス殿」『アルノルト様。ご無事だったのですね。アルノルト様達が悪魔を倒されてから、皆で奧の探索を始めたのですが、翌日にはやはり復活してしまったのです』「やはりな。それで、ジスラン殿は戻ってこなかったのか?」『・・・はい』「他には?」『・・・ジスランに著いていった全員です』「何名だ?」『10名になります』「そうか・・・アロイス殿。俺なら、助け出す事も、10階層の悪魔を復活させなくさせる事も出來る。どうする?」『お願い出來ますか?ジスランは、ああ見えて、若い奴らからは頼りにされています。それに、今若いものが居なくなるのは・・・その為なら、我がなんでも致します』「わかった。し待っていろ」

攜帯電話を取り出して、ヒルダに連絡して、設定を変更して、階層主が復活しないようにさせた。変更したのは、10階層だけだ。20階層から下は、まだ復活するようにしてある。

「アロイス殿。これで、悪魔はいなくなったと思う」『おい。確認してこい』

表に控えていた従者に聲をかけて確認させるようだ。10分後、興した態度で従者が駆け込んできた。

『長!悪魔がいませんでした!これで、下層に降りられます!』

さて、これから、アロイス達が、ドライ迷宮に住んでもらう為の渉をしなければならない。正直、彼らだけだと赤字になりかねない。それを埋める手段を考えなければならない。

面倒だけど・・・彼らの行き場所を奪うのもしのびない・・・だが、ノース大森林に住まわせるには、異形すぎる。俺も、話が通じなければ、”大きな蟲”程度にしか思えないからな。

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