《魔法の世界でプログラム》ドライ迷宮.攻略03

--- アロイス Side ---我達にも運気が巡ってきたのかもしれない。このまま、この窟で一族が死滅するのを待つのかと思っていた。

最初、アルノルト・フォン・ノース=ライムバッハと名乗る、人族の子供が我らの住処に來た時には、討伐隊が組織されたのかと思ってしまった。

最初訪れた時に斥候からの報告で、子供だけ4人だと聞いた。ってきた、人族の子どもたちからじ取れる魔力は、奧の間に出現している悪魔以上のようだった。ジスラン達が迎え撃つと言っていたが、それはなんとか押しとどめさせた。勝てるとは思えなかったからだ。

人族の子供は、意思疎通がり立つだけではなく、奧の悪魔の討伐さえもしてくれた。それだけではなく、悪魔を出さないようにしてくれたのだ、流石は霊神様の使い様だ。

今、使い様との話し合いをする為に、部屋に向かっている。使い様は、お一人で來られているという事だったので、我も一人で行く事にした。ジスラン達も、もう文句は言わなくなっている。自分たちが倒せなかった悪魔をらくらく倒した上に、命を救われたのだ、當然の事だろう。

『アルノルト様』「あぁアロイス殿」『それでお話とは?』「今後の事だが・・・」

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いいにくそうにしている。やはり、ここを出て行けという事だろう。

『アルノルト様。我らは、やはりここに居るのは・・・』「あぁ違う。違う。アロイス殿達がここに住むのは別に問題ない。今までの事を説明するのが・・・」『構いませぬ。教えてくだされ』

それから、使い様が話された容は、我らが知りたかった事だった。あの悪魔がどこから産まれていたのか・・・そして、この場所がどういった場所なのかを語ってくれたのだ。いいにくそうにしていたのは、あの悪魔を産み出したのが、我らが”この場所”に、棲み著いたからという事実を、我に伝えるかどうかを迷っていたという事だ。

我の全部知りたいという言葉を聞いて、使い様はお話してくれた。

そして、今後の事として、ここに住み続けるのなら、どうしたいのかを教えてしいと言われた

--- アルノルト Side ---今、目の前に、アロイスが座っている?話としては、迷宮ダンジョンの説明をしなければならない。これは、今後、アロイス達が、ここに住むことを選択した場合には、絶対に説明しなければならない事だろう。

言い難い。アロイス達が”悪魔”と呼ぶミノタウルスが、アロイス達の魔力から産まれただと説明しなければ・・・。

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俺は、何も考えないで、そのまま説明した。れている魔力を蓄積した、迷宮ダンジョンの一部の機能が生き返って、ミノタウルスが産まれたのだと・・・。話を聞いていた、アロイスは一瞬だけを震わせたが、それだけだった。それから、迷宮ダンジョンの説明をおこなった。

一通りの説明を終えて、今後の事を話す事にした。

「アロイス殿。それでも、ドライ迷宮を住処としますか?」『使い様・・・いえ、アルノルト様。我ら一族は、この場所で産まれ・・・そして、死んでいくものと思っております。お許しいただけるのなら・・・』「わかった。それは、俺としてもんでいる事だ。ただ、し教えてしい事がある」

これで、かに安全に過ごせるようになったら、個數が増えてくれるような事になったら嬉しい。魔力の採算だけでも黒字になってくれるとしたら、維持している意味もある。

『何を・・・でしょうか?』「そうだな・・まずは、生活環境や食文化かな・・・後は・・・」

そう、生活を行うのに、何が最適なのかが解らない。人間や亜人ならある程度の知識があるが、アロイス達には、どれも當てはまりそうにない。森に住んでいたという事から、森のような環境が良ければ、どこかの階層を、森林階層にしてしまえばいい。水や食事も同じだ。必要なものが、迷宮ダンジョンで生み出せるのなら、産み出してしまったほうがいい。それから、個によっての生活に必要な広さがどのくらい必要なのかも知りたい。

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アロイスだけで採算が釣り合わない時には、人を招きれる必要がある。その時に、ある程度の階層を開放する必要が出てきてしまう。アロイス達が10階層分だけで良ければ、下層の40-49階層を開放してもよいと考えている。そこを、住みやすい狀況に変更して、狩場や食料調達の場所と生活の場所を用意できればいいと考えている。

アロイス達は、やはり森林の方が住みやすいと話していた。食は、昆蟲や草木でもいいし、魔の様なものでも大丈夫という事だ。狩りの安全を考えると、低位の魔が出るだけで良さそうだ。水は、果や草から採取するので、それほど必要とはしていないと言っている。

それらの事から、43-49階層を森林階層に変更した。に関しては、地上と連するようにする。生活環境や、食料に関しては、これで問題が無くなったと思っていい。

「アロイス殿。アロイス殿達の様な一族は、他にも居るのでしょうか?」『・・・わかりませぬ。なくても、我達は、我達しか知りませぬ』「そうですか・・・解りました。何か、他に要がなければ、先程の通りに設定を行います。低階層部分から深層部分に移になってしまいますが、問題ないですよね」

最終確認の意味合いもある。一応、地上部に抜けられるゲートは作するつもりだが、必要なければ、作らないだけだ。

『お願いいたします。しかし、我達は、使い様にここまでしてもらう理由が・・・』「そうですね。それも話しておきましょう。」

俺が、アロイス達にむ事は、難しい事ではない。迷宮ダンジョンに住んでもらう事での、魔力の提供をおこなってくれる事になる。これだけでも十分な意味がある。確かに、赤字になる可能はあるが、それでも、徐々に好転していくように思える。

もう一つが、これから、魔族・・・それに類する種族が見つかった時のモデルケースになりえるという事だ。

どうせ、維持しなければならない事には違いはないのだから、それならば、誰かに居てもらったほうがいい。魔力がしでも稼げれば問題としては無いのだろう。

これらの説明をした事で、アロイスは納得してくれたが、まだしだけ半信半疑な様子だ。

それは仕方がないことだと思うので、俺は、アロイスに移の準備だけをお願いして、40-49階層の設定変更を行う為に、管理室に移した。テディが來て手伝ってくれる事になっているので、ヒルダにテディを連れてきてもらう事にした。

ついでに、全部の階層を見直す事にした。39階層から行ける場所は、50階層に設定した。50階層には、ノース迷宮から持ってきた、ゴーレムを大量に配置した。數で潰す作戦を取る。階層主としては、今のところは配置しないが、挑戦者が現れそうな場合に、その時に配置できる魔で最強ので守らせる事にしている。

今、アロイス達が居る1~10階層はまだ手を付けないでおく。11階層から下を、コストが安い形で構築を行う事にした。構築は、テディとヒルダに任せた。

「そうだ。フルール悪いな」「何がじゃ?」「あぁフルールに聞く前に、ドライ迷宮を、アロイス達に渡しちゃったからな」「なんだそんな事か、構わぬよ。それに、妾がむような場所ではなかったのでな」「そう・・・それなら良かった」

フルールに一言斷ってから決斷すべきだったのだが、その場の流れで渉を始めてしまった。

40~49階層の設定も終わった。魔力の流れも問題はなさそうだ、ドライ迷宮の充填率も上がってきている。

機材の持ち出しは、今までの迷宮と同じで後日行えば良い。まずは、設定に問題が無いことを確認しなければならない。設定の反映には、2日程必要になりそうだ。進捗合からの判斷だ。

OSアップデートの、進捗バーの用に途中で急激に速度が上がる事もなさそうだ。2日ほど時間が出來てしまったのだが、コンラートとクリスに報告だけはれておくことにした。

ドライ迷宮の攻略が終わった事や、40~49階層には、魔族を名乗る者たちを住まわせる事などを報告した。王都でも、ノース街でも問題は発生していないということだ。

このまま、俺は、次のフィーア迷宮の攻略に取り掛かる事にした。設定が終わってから、暫くは、アロイス達の移をおこなって、生活に問題が無いかの調査/調整が必要になるのだろう。テディに丸投げしようかと思ったが・・・テディがぬいぐるみである事や、アロイスとの話を俺がまとめている事から、俺が話を聞いたほうがいいと、言うことになった。

アロイスにそのことを告げてから、ヒルダとナーテとフルールとエステルを伴って、次のフィーア迷宮に向かう事にした。「なぁ主様。一度、ノース街に戻らないかえ?」「どうした?」「あぁ食料は大丈夫なのだが、著替えが・・・な」「そうか・・・ヒルダとナーテはどう?」

「私もそうですね。戻られるのなら、戻って、ステータス袋の中を整理したいわね」「おいらも!お土産も有るし、一度戻れたら嬉しい」

「エステルは・・・まぁいいか」「何それひどい!」

煩いのは置いておくとして、皆が一度戻った方がいいと思っているのなら、ノース街に戻る事にしよう。食料はあるが、獣のや拾った鉱や薬草なんかを、ノース街に置いておいた方がいいだろう。荷にはならないが、意味のないを持ち歩くのも嫌なじがする。それに、そろそろ大きな風呂にって、ゆっくり休みたいという気分になっているのも確かだ。

「そうか、フィーア迷宮に著いたら、一度ゲートで戻る事にするか」「はい」「うん」「嬉しいです!」

フィーア迷宮までも半日程度の予定だ。

一度、街道に出て進む事も考えたが、このまま森の中を進む事にした。行程の2/3程度が過ぎた所で、小さな集落を見つけた。こんな所に村があるとは・・・。

そう思って、集落に近づこうとしたら、木の上からだろうか、弓矢で狙撃された。確実に命を取るための攻撃ではなく、足止めを意図する攻撃のようだったので、立ち止まって、呼びかけを行う事にした。

「我は、アルノルト・フォン・ノース=ライムバッハ。なぜ我らを攻撃する。こちらには、戦の意思はない。食料など出來たら売っていただけると助かる」

集落からの返事はなかった。暫く待ってから、再度呼びかけようとした時に、一人の男が集落から出てきたのが解った。

「王國の貴族が何の用事だ!」「私の事をご存知のようだ。急に來て申し訳ない。私達は、この近くにある迷宮ダンジョンに用事がある。その前に食料や水や、もし、場所を知っていれば案をお願いしたい」「・・・。ノース=ライムバッハ侯爵。我らを討伐する為に來たのではないのか?」「討伐など・・・そもそも、私には、そのような権限はありません。意思もありません」「本當か?」「もちろん」「長!」

後ろから、一人の老人が出てきた。「アルノルト・フォン・ノース=ライムバッハ侯爵閣下。部下の無作法をお詫び致します」「長!この者は、王國の手先かも知れぬのだぞ!」「大丈夫だ。お前たちは、持ち場にもどれ。侯爵閣下のお相手は、儂がやろう。よろしいかな?」

俺に向かって言っているのだろう。長と呼ばれた老人に向かって、一禮する。

「うむ。どうぞこちらに・・・」

長の所まで、歩いていって、再度一禮した。刀を、長の従者らしき者に預けようとしたが、「必要なかろう。侯爵閣下なら、武が無くても、儂ごとき簡単に殺せるだろう」

どんな反応をしたらいいのか迷うような事を言われてしまったので、刀を元の位置に戻す。

集落の中にって見ると、木々でカモフラージュされているが、砦の様になっている。さっきの弓での攻撃も、木の上からではなく、壁の上からなのだろう。昨日今日できた砦ではなさそうだ。広さはそれほどでも無いが、井戸や畑もある。人數的には、2~300人が住んでいるように思える。

奇異な目で見られているというじではなく、恐怖から來る目線の様なじがする。

そして、集落の中央にある建に通された。

「侯爵閣下」「すまない。長殿。まずは、貴方のお名前をお聞きしてよろしいか?それとも、長殿と呼んでいたほうがいいか?」「申し訳ない。トビアス・キースリングといいます。この集落の長という立場に居ます」「キースリング殿。それで、この集落は?」

「・・・侯爵閣下は、この集落が目的で來たのでは無いのですか?」「さっきも言った通り、この近くにある迷宮ダンジョンが目的だ」「・・・そうなのですか?迷宮ダンジョンというと、この近くには・・・朽ち果てた神殿はありますが・・・」「多分それだな。地下に降りられるような階段が有ったりしないか?」「ございます。しかし、魔とは違う、何かが守っていて、奧にる事は出來ません」「そうか・・・ナーテ。ボイドを!!。キースリング殿。あのようなゴーレムではないか?」「え?あっそうです。儂も數回見たことがあるだけなので、確かな事は言えませぬが・・・」

「さて、キースリング殿。貴殿達は?」「はい。私達は、王都や貴族の街で、人頭稅が払えなくなったり、貴族に家族を害されそうになって、逃げてきた者たちです」「そうのか・・・ここで、暮らしているのだな」「・・・他に、行き場所はありません」「それで、よく俺の事を知っていたな」「當然でございます。儂達の味方をしてくださる人たちや支援してくださる人たちもいらっしゃいます。それに、各街や貴族の所に、村の者を忍び込ませています」「なるほどな」

「え?それだけですか?」「ん?他に、何か言うべきなのか?」「・・・いえ、てっきり閣下は儂たちを・・・」「それはさっき言った通りだぞ」「あっそうでした。それで閣下は、これからどうされるのですか?」「どうするって、フィーア迷宮を攻略するだけだぞ?」

「え?あっ・・・ハハハ!!!」

急に笑いだした。何がおかしいのか解らない。そもそも、俺は、こんな場所に集落があるとは思っていないし、クリスの報にも記載されていない。

「申し訳ない。なるほど、なるほど」「キースリング殿?一人で納得しないでしい。しだけ”イラッ”とするぞ」「それは、申し訳ない。侯爵閣下。儂は、貴方を勘違いしていた」

キースリングが語ったのは、俺がこの集落を訪れてきたのは、自分たちを配下にする為に來たのだと思っていたようだ。それで、俺を試すような事を何度もしていたようだ。

知らないふりではなく、本當に知らなかったという事に気がついて、自分が自分たちの事を過大評価していたとの思いで笑いだしてしまったのだと言っていた。

キースリング達は、この集落を基點に、いろいろな貴族や商人の報を集めて、それを売って自分たちの安全を買っていたのだと話していた。その為に、俺がそんなキースリング達を雇いに來たのだと思っていたようだ。

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