《魔法の世界でプログラム》フィーア迷宮.中休み
--- アルノルト Side ---トビアスが集落に戻っていった。俺達は、そのままフィーア迷宮に向かう事にした。
「アルノルト様。良かったのですか?」「なにが?あぁトビアス達の事?」「う~ん。面倒だしね。どうせ、攻略して、放置するのなら、彼らに使わせたほうがいいよね」「そうですけど・・・」「それに、ヒルダ。彼らを使いたのだろう?」「え?あっそうですね」
諜報活を行うものたちは、必要になってきている。これからは、國だけに目を向けている狀態では、対処が遅れてしまう。
彼らにゲートを使わせて、國の報網の構築を行ってもらって、その後で、他國への諜報活を頼めれば、狀況がわかりやすくなってくる。移に時間がかかる世界で、報が瞬時に伝えられる狀況が作られれば、俺達が優位に立てるのは間違いないだろう。
「主様。妾達はどうしたらいい?」「ん?フルールは、迷宮ダンジョンのどこかで街を作るって事でいいよね?そうじゃなくて?」「・・・」「え?何か違うの?」「主様。まぁそれが主様なのだろう」
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「にいちゃん。そろそろだと思うよ」「そうか、ありがとう」
フルールが何をんでいるのかよくわからないままになってしまったが、フィーア迷宮が近づいたようだ。偵察出ていた、ボイドが神殿らしき建を見つけたようで、ナーテを先頭に、向かう事になった。
確かに、神殿と言われれば、神殿なのだろうけど・・・。廃墟になり、壁が草木で覆われた狀態になっている。何かの建だった事は間違いないだろうが、ここが神殿であったとは、言われていなければ、気がつかないだろう。
「降りる階段・・・あぁあそこか?」
階段はすぐに見つかった。ポッカリと、下に向かう階段が口を開けて待っているようだ。
「さて、トビアスの話では、ゴーレムが居るらしいからな、注意しながら進むぞ!」「はい」「うん」「はい」
階段を降りるが、ゴーレムが襲ってくる気配はない。手頃な部屋にって、結界を発してから、ゲートでノース街に繋げる。
「え?」「あぁ」「・・・あ!」
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こいつら、俺が忘れていると思っていたのだろう。「今日は、ノース街の屋敷で休もう。俺は、コンラートと話をしてくるから、先に休んでいてくれ」「わかりました。私は、學校と神殿に顔を出してきます」「おいらも、ヒルダ姉ちゃんと一緒に行く!」「妾は、ノース大森林の亜人達の所にし行ってくる」
「わかった。明日の朝から、フィーア迷宮の攻略を開始するからな」「はい」「うん」「かしこまりました」
それぞれの用事を行う前に、軽く湯浴みだけでも、してくると言って部屋から出ていった。俺は、コンラートがどこに居るのか確認して貰って、執務室に來てもらう事にした。確かに、気持ち悪いから風呂にってさっぱりしておきたいが、この後、クリスとユリウスに會いに行く事を考えると、時間的に帰ってきてから風呂にしたいと思う。そのまま、寢てしまいたくなるのだろう。
「アルノルト様。おかえりなさい」「あぁすまんな。忙しいか?」「そうですね。上の人が働いてくれませんので、それなりに忙しいです」「そうか、それなら、そんな上の人を引きずり降ろして、コンラートがトップに立てばいいと思うけどな」「・・・アルノルト様!」「すまん。それで、コンラートに相談が有るのだけど、いいか?」「・・・はぁ駄目と言っても、話すのでしょ?」「當然!まぁ今回は、コンラートに何かしてしいって事じゃないから安心していい」「本當ですね?」「あぁ今回は、意見を聞きたいだけだ」「・・・わかりました」
コンラートに、フィーア迷宮近くの集落の話を一通りした。その上で、集落の長から、フィーア迷宮に街を作る許可がしいという事で、許可を出した事も告げた。
「アルノルト様」「ん?どうした?」「・・・その集落の者たちは、諜報活を主な収源としていたのですよね?」「あぁそう言っていたぞ。駄目だったか?」「いえ?話を聞いたからではありませんが、私の予想通りの者たちなら、アルノルト様が反対しても、味方に・・・配下にするように、進言するところです」「そうなのか?有名なのか?」「はい。父も・・・ヘーゲルヒ辺境伯も知っているはずです」「え?そうなの?もしかして、貴族の間では有名なの?でも、ヒルダは知らなかったようだよ?」「私が知っているのは、偶然です。ヘーゲルヒ辺境伯が、ライムバッハ辺境伯の弱みを握るために、契約しようとして、斷られたのを聞いていたのです」「へぇそうなの?そんなこと、トビアス・キースリングは、何も言っていなかったけどな」「そうなると、違う集落なのかもしれませんが、これからのノース街の事や、アルノルト様の事を考えると、配下として絶対に必要となります」
えらく前のめりだな。確かに、諜報部隊は必要なのはわかっているけどな。それに、カルラ達も居るからな・・・。
「コンラート。カルラ達では駄目なのか?」「駄目とはいいませんが・・・・アルノルト様。その集落の事を、陛下にご連絡したのですか?」「いや、これから、王都に言って話してこようと思っていた所だけど・・・」「・・・アルノルト様。できれば、その集落の事は、陛下やクリスティーネ様には・・・」「了解。いいよ」
「軽いですね」「え?だって、話さないだけでしょ?聞かれたら答えていいのだよね?聞かれたら、”近くに難民が居たから、街を作って住んでもらった”と、言えばいいよな?噓は言っていない」「・・・まぁそうですね。それに、カルラでは駄目かという話ですが、駄目ではありませんが、男にしか剝かない場所や、王家と反目に回る事を考えると、全面的に、任せる事は出來ないと思います」「そうか・・・わかった。集落の人間にも、攜帯電話を渡そうかと思うけど、いいよな?」「はい。是非、そうして下さい。臺數には、余裕があるのですか?」「あぁ大量にな!」
「え?そうなのですか?」「ん・・そうだけど、まずいか?」「いえ、そうではないのですが、私がノース=ライムバッハ侯爵の代わりに、會議に出ていますと、必ず、貴族や商人から、攜帯電話を回してしいと言われますので・・・」「そう?何臺か預けておくか?」「いえ・・・止めておきましょう。無闇に配っていいものではありませんし、アルノルト様。攜帯電話を作る事は出來ませんよね?」「あぁそうだな。今ある臺數で打ち止めだな」「それなら、これから必要になるかもしれませんから、無闇に配らないようにしましょう」「わかった。集落の連中には配っていいよな?」「はい。全員には止めてもらって、臺數を絞って渡しておけばよろしいかと思います」「ありがとう。そうする」
「アルノルト様。本日は、お時間は?」「大丈夫だよ。これから、ユリウスに會いに行こうと思っていたけど、止めたからな。ヒルダ達も、今日はゆっくり休みたいと言うから、出るのは、明日の朝だよ」「それなら良かったです。ノース街とノース大森林。ノース街道の事で、お話があります」「え?時間・・・」「ありますよね?」「はい。大丈夫です」「よかった。まずは、ノース街の事ですが・・・」
ノース街は、街として急激に大きくなってしまった関係で、行政が追いつていない。これは、當初から問題になっていた事だし、問題化するのは解っていた事だった。しかし、俺達の予想よりも早く、問題化しつつあるということだ。許可制にしている幾つかの業種で、申請が貯まり始めているという事だ。その他にも、後から來た巨大資本を持つ宿屋や商店が文句を言い始めていると言っている。
「わかった。まずは、後から來た奴らへの対応だが、”文句があるのなら、侯爵に直接言って下さい”ではどうだ?それに、後から來て、最初から居る者たちと同じ待遇を要求するのは無理な話だ」「解りました。そういうことにします」「あぁあともし、嫌がらせなんかしたら、ノース街から追い出すと言っていいからな!」「はい。ノース街という事は、城塞砦でもですか?」「當然だな。出り止にする」「解りました。そう連中には伝えます」「あぁそれで、申請の件だけど、どの業種だ?」「ノース大森林にる許可と、ゲートの利用許可です」「そうか、他には?直接、領民に関係しそうな事は無いのか?」「住宅の申請くらいでしょうか・・・」「審査が遅いのは、人がないからか?単純に件數が増えているからなのか?」「件數が増えているからです」「審査をして許可を出す者は、しっかり休めているのか?」「・・・いえ・・・」「大森林への許可と、ゲートの許可は、待たせておけ、そして、しっかり休ませろ。いいか、強制的にでも休ませろ。それで、文句を言ってくるような奴は、後回しにして構わない」「待たせるのですか?」「そうだ。ノース街でしか提供していないだからな。嫌なら他に行けと言ってしまってもいい。それで、人が減ったりしても気にするな」「かしこまりました」「いいか、まずは領民の生活が大事だ。ノース街がかだから、儲かりそうだからと後からやってきた奴らは、気にするな」「・・・はい」
「それから、大森林の問題も同じか?」「あっいえ、違います。大森林に住む者同士で、種族間の流の許可を求めてきています」「え?今更?」「はい。かられは、アルノルト様の配下のつもりで居ます。それで、亜人同士をある程度、離れて配置しているので、流しないようにしてきたようです」「へぇそうなの?別にかまわないよ」「え?そうなのですか?」「あぁそれで、何か新しい技が産まれたら嬉しいよ。そう伝えておいて」「わかりました」
「あっ・・・あと、さっきコンラートが言っていた、ノース街道って何?」「え?アルノルト様が名づけられたのではないのですか?」「俺?知らないよ」「ノース街と王都を結ぶ街道の名前です」「へぇそんな名前なのだね」「あっ・・・まっいいですが、ノース街道のアチラコチラに、広場の様な場所がありますよね?」「あぁ休憩所ね。作ったよ」「あの場所に、宿屋や商店を出したいと言ってきている者がいますがどうしますか?」「いいよ。でも、條件は付けるよ」「それは當然ですね。その條件はどうしましょうか?」
「そうだね。宿屋なら料金を、三つくらいに分けて、提供させる」「それは?」「えぇ~と。例えば、”一番安い宿屋は、銀貨5枚以上取らない。中間は、大銀貨2枚まで、一番高い宿屋で、大銀貨5枚まで”と、いうじだね。料金を均一化する事で、安心して泊まれる様にする」「それだと・・・」「何も”泊まる方”は、困らないよね?宿屋が必ず人が來て、泊まっていくからってサービスの質が低下したら、客が減っていくだけだろう?」「それもそうですね。金額は、宿屋で決めさせればいいですか?」「そうだな。商人ギルドの連中にも聲かけて、金額を決めさせてしい。そうしないと、高止まりしそうだからな」「わかりました。そう手配します。商店はどうしましょうか?」「そうだな。商店は自由にさせればいい。その代わり、全ての場所で、マナベ商店も出店すると伝えておけ」「え?」「そうだな。條件としては、店舗の広さは、全部均一にするように伝えろ。大きいも小さいも許さない。全部同じサイズになるようにしろ」「それは・・・」「そうだな、商人ギルドに決めさせればいい」「かしこまりました」
「これだけか?」「はい。後は、陳が沢山來ています」「わかった・・・コンラートが、重要だと思う事から、処理していこう」「あと、面會希も來ています」「あぁ早めに會っておいたほうがいいのは・・・」「沢山有りますが・・・・アルノルト様でなければというはないので・・・」「それじゃコンラートに任せる」
それから、ヒルダ達が帰ってくるまで、コンラートに陳されてきた案件を処理した。どれも、くだらない話ばかりで、卻下の連続だったが、宿屋にレシピを提供したいと言ってきたや、魔法に関しての話は、後日ゆっくりと話を聞くことになった。
せっかく、休めると思ったのだが、風呂にったのは、てっぺん近い時間になってからだ。こんな事なら、ライトの魔法を組み込んだを作らなければよかったと本気で考えてしまった。
魔法の開発は楽しいが、開発した魔法のせいで自分が忙しくなってしまっている現狀をどうにかしたい。ゲート魔法も、自分が、楽をしたいから、改良を加えていたのだが、ある程度出來てしまえば、自分が忙しくなる原因になっている。
もう考えるのは、やめよう。このまま考えていると、新しいが作りたくなってしまう。今日は、風呂でゆっくりして、そのまま寢る。
9つの迷宮攻略が終了するまでは、魔法は作らない。自分の事は、自分がわかっている。作っていると、他の事がどうでも良くなってしまう。本當に、火付現場に出ていかないと・・・。
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