《魔法の世界でプログラム》ズィーベン迷宮/アハト迷宮

--- アルノルト Side ---10階層に居た、大蛇は無事倒せた。どうやら、階層主ではなさそうだ。

ヒルダが見つけたからも、迷宮ダンジョンが生きているようには思えない。大蛇から、魔石だけを取り出して放置しているが、吸収させるような事はなさそうだ。

どうしてここまで大きくなったのか、どのくらいここに居るのかは解らないが、無造作に捨てられている骨からは、かなりの人數と、かなりの獣が、ここにり込んでいるようだ。丸呑みして、骨だけを吐き出したのか、それとも、何か溶かす・・・。いや、考えないでおこう。

魔石以外に回収すべきもなさそうだし、先を急ぐ事にする。

「にいちゃん。階段あったよ!」「そうか、ヒルダ。フルール。他に何も無ければ、下に行くぞ」「はい」「わかりました」

ナーテが、ボイドを先に行かせる形で、先頭を歩く。その後ろに、俺が続いて、ヒルダとフルールは後ろを警戒しながら、進む。

マルティナは俺の肩の所に居る。エステルは、なぜか、ボイドの橫で、前を警戒しながら進んでいる。

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20階層までは、魔が出てこない。やはり死んでいると考えるのが適當なのだろう。そうなると、大蛇があそこまで大きくなっているのに、魔力が充填されていなかった事の説明が付かない。可能の問題として、10階層にだけ、魔が生まれていて、大蛇はそれを定期的に捕食していたのか?

ログが殘っていれば、調べられるだろうけど、無いだろうからな。

30階層まで降りてきて、今日は休む事にした。ノース街に戻ってもいいか、今までの流れで、適當な部屋で休む事にした。

「アルノルト様」「なに?」「この迷宮ダンジョンが終わると、殘り二つですよね?」「あぁ」「これが終わったらどうされるのですか?」「何も考えていないよ」「・・・考えていないのですか?」「そうだな・・・せっかく、魔法プログラムが判ってきたから、それを使って何か作っていようかな。迷宮ダンジョンの管理はテディに任せられそうだし、ノース街はコンラートが頑張っているからな」「そうなのですか・・・」「なんだ。ヒルダは何かやりたい事があるのか?」「いえ、そうではないのですが、せっかくですから、帝國や他の國を回ってみるのもいいかと思いまして・・・」「・・・それも楽しそうだな」「はい!」

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「主様とヒルダは、それでいいかも知れないが、妾は、街を作りたいな。主様協力してくれるのだろう?」「出來る範囲でな。それに、旅に出たとしても、戻ってこられるだろうからな。結構簡単にな」「そう言えば・・・主様なら一瞬とは言わないけど、連絡が著いたら、簡単に帰ってきてくれそうだな」「そうだな。そう言えば、ナーテは?何かやりたい事はないのか?」「おいらは・・・にいちゃんの・・・ううん。なんでもない。もっともっと強くなりたい!」「そうか・・・」

食事を取り、順番にシャワーで汗や汚れを流して、寢ることになった。ボイドが周りを警戒するので、見張りはおかないで寢る事にした。

朝までぐっすり寢る事が出來た。ボイドの、魔力効率をもうし上げるのと、スリープモードをつけたり、結界に振れた時に、起するモードなんかが組み込まれたら、もっと便利になるかもしれないな。ボイドは特別な個だから、魔力の充填もそれほど難しくはないが、量産型では、多重機能を有効にしていたら、魔力の消費が激しくなってしまう。最低でも、充填後に、1週間程度は持たせないとならないダル。その上で、簡易充填する方法を提供していけば、ゴーレム馬車の荷臺に、監視+結界専用のゴーレムを配置して、安全な旅が出來るようになるのではないか?

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開発出來そうな事を考えながら、30階層の階層主の部屋を抜けて、40階層を目指す。

やはりここまで降りてくると、魔が存在していた形跡さえもなくなってきている。40階層にも階層主は存在していない。軽く、休憩をれたが、それほどの疲労でもないので、そのまま、最下層を目指す事になった。

50階層の扉がしっかりと閉められていた。「にいちゃん」「どうかな?エステル。何かじるか?」「ううん。何もじない」「マルティナはどうだ?」『僕にも、同じだね。何も居ないと思うよ』

「マルティナも、エステルと同じ意見だそうだ。俺にも、じられない。居ないと判斷するが、10階層の様な事も考えられる。武裝の確認を!」「はい」「わかった」「かしこまりました」

俺が、先頭で扉を開ける。後ろには、ボイドに守られた、ヒルダとフルールが続く。ナーテは、ボイドの橫でるようだ。

50階層の階層主は、存在していなかった。10階層の階層主を倒せれば、後は障害もなく進むことが出來た。結果論としてだが・・・。

管理室への扉や階段を探す。それもすぐに見つかった。

扉は、魔力を流す事で認証を行うようだ。登録なしと言われる。まぁ當然だろうな。管理者不在の為、管理者権限を取得出來ますと言われる。これも、今までのパターンの中に存在している。同じように、管理者権限を取得した。

今までの扉と違うのは、ここで扉が開かなかった事だ。その代わり、一つの認証裝置が出現した。所謂キー力タイプのロックシステムだ。ご丁寧に、裏蓋に”日本語”で説明が書かれていた。

手順に従って、暗証番號を登録する。これで、登録が終了した。

扉を空けて中にる。後は、今までと同じ事を行う。ズィーベン迷宮の攻略が終了した。

ノース迷宮と繋げる。その後、テディに連絡をして、今までと同じように制する様に頼んでおく。

夕方と言われるような時間だったので、一度ノース街に戻ってから、次のアハト迷宮を目指す事になった

「主様。今日は?」「そうだな。どうせ・・・」「わかった。勝手にする」「すまんな。ナーテも、皆の所に行くのなら、それでいいぞ。明日も、いつもどおりの時間に來てくれ」「うん。わかった」「ヒルダ・・・は、主様に付き合うのか?」

「そうなるとおもう。決済事項は、済ませてあると思うけど、それでも・・・」「わかった。それでは、主様。ヒルダ。明日、ここにくればいいのだろう?」「そうしてくれ」

フルールとナーテとエステルが、執務室を出て行く。同時に、コンラートが部屋にってくる。

「アルノルト様。ズィーベン迷宮の攻略が終わったのですか?」「あぁ」「今回は、何もなかったのですね?」「あぁ今回”も”何もなかったぞ」「・・・」「・・・」

「あっ先程、ゼクス迷宮に居た、子供たちが、王都に到著したと連絡がりました。」「そうか、それじゃ明後日位には、到著できそうだな」「はい。それで、陛下から連絡がしいと言われています。どうされますか?」「ユリウスから?クリスじゃなくて?」「はい。陛下です」「わかった、連絡をする。他に、何かあるか?」「アルノルト様には・・・以上です。ヒルダ様。しよろしいですか?ノース街の行政の事でご相談があります」

「ん?」今、ノース街の行政と言わなかったか?まぁコンラートとヒルダでやってくれるのなら、俺が最終的に承認すれば終わりになるのだろう。そうなってくれるのなら、楽でいい。

攜帯電話を取り出して、ユリウスに連絡をれる『おぉアル。攻略は順調のようだな』『そうだな。邪魔する奴らが居ないからな。気持ち良く攻略だけに専念できるからな』『そうか、それで、なんとか迷宮に居た、子供たちだけど、お前の所の領民だよな?』

はぁそういう事か・・・『そうだ。俺の所の子供だ、新婦と冒険者崩れのも、俺の所の領民で間違いない』『わかった。後で、書面になるとおもうが、連絡が行くと思うから、よろしく頼むな』『そうなのか?』『あぁ子供の中に・・・いや、なんでもない』『・・・わかった。何も聞かなかった事にするから、ユリウス。獨り言でも呟けよ』『はぁ・・・お前が知っても・・・。まぁいいか・・・獨り言だぞ』

苦笑するしかないな。そんなにいいたくないのなら、言わなくてもいいのだけどな。どうせ、いずれクリス辺りから回ってくるのだろうからな『子供の中の一人が、帝國貴族の紋章を持っていた。調べてみると、帝國の子爵家の紋章だった。その子供は、父親から貰ったと話しているらしくて、扱いに困っている』『なんだ・・・そんな事か・・・知らなかったとして、ノース街に送ればいい。俺も知らなかったとして押し通す。何のことか解らない獨り言だけどな』

『・・・』『・・・』

『わかった。早急に、ノース街に行けるように手配する』『ユリウス。よせ。普通に、順番を守らせて、普通にノース街までこさせろ。特別扱いは絶対にするな』『なぜだ!』『おまえな・・・クリスに聞いてみろよ』

『アルノルト様』『え・・・あぁクリスか?』『はい。陛下が魔道を落とされましたので、私が話をします』『わるいな』

後ろで、何やらユリウスがんでいるようだが、クリスと話をしても、やはり特別扱いしないで、ノース街に送ると言っていた。その代わり、ゴーレム馬車で送る事になるので、その料金は、王家で払うそうだ。なるべく早くノース街に到著させたいが、特別扱いして、何か理由があるのではと他の貴族に悟られるのも問題だ。それに、子供が多いのも問題になってくる可能がある。その妥協點として、順番抜かしや手続きの簡略化は行わないが、ゴーレム馬車でさっさと送り出してしまおうという事だ。

『了解した。こちらのれは、コンラートになるとおもう』『えぇ解っています。その旨を伝えてあります』『ありがとう。クリス。ユリウスによろしく言っておいてくれ』『解りましたわ。おやすみなさい』『あぁおやすみ。皇后陛下』

クリスからの反応がある前に、通話を切る。

まだ、ヒルダとコンラートは何かを読み合わせをしている。「ヒルダ。コンラート。子供たちだけど、早ければ、二日後には來る事になりそうだ」「かしこまりました。制を整えます」「頼む。って、保護者も居るから、保護者と話してみてくれ」「かしこまりました」

急的な決裁事項がないという事なので、俺は一足先に風呂にって休む事にした。

自分だけしかいないベッドで目をさます。起きた事がわかったのだろう。メイドが部屋にってきて、朝食をどうするのか聞いてきた。食堂で取るのも面倒なので、持ってきてもらう事にした。

貯食を待っている間、迷宮ダンジョンのログを確認して見る事にした。日々増えていくログを全部見るのは、そもそも不可能だが、特定の問題がありそうなログだけを出して確認する事なら出來る。どっかのタイミングで、イベントビューアみたいなも作っておきたいな。ログ形式が統一されているのが救いだけど・・・それでも、見難い事には間違いない。件數も多いから、単純に検索しても時間ばかりかかってしまう。

迷宮ダンジョンのシステムとは分離した、端末裝置を用意して、ログの解析とイベントのトリガーを行う様にしようかな。幸いな事に、端末はまだまだ沢山あるし、”電気代”や”パケット量”を気にしなくて良い。リソースは、”魔力”だけが必要になっているのだからな。

持ってきてもらった、朝食をつまみながら、直近のログを眺めている。しっかり調べていないから、絶対とは言え無いけど、問題はなさそうだ。ノース迷宮で飽和狀態だった魔力もいい塩梅で拡散している。あと二つ、迷宮ダンジョンが増えても問題はなさそうだ。

朝食を済ませて、執務室に向かうと、皆が揃っていた。ズィーベン迷宮の口にゲートを繋げて、そこから、アハト迷宮を目指す。

「コンラート。言ってくるな。子供たちを頼むな」「はい。いってらっしゃいませ」

見送られるような形になったが、ズィーベン迷宮に移した。方向を確認して、アハト迷宮に向かう。

距離的にも、本日中には到著できるだろう。予想通り、目的の場所に到著した。小屋が存在していたが、小屋自が”王家”に寄って封鎖されていた。立て看板と、効力が切れた魔道だったが、念のために、クリスに連絡して、確認してみた。

問題ないという返事がすぐに帰ってきた。それに、笑いながら、”ヒルダが居るのだから問題ないでしょ?”と・・・。

「フルール。ここは・・・なしだろう?」「えぇそうね」

この迷宮は小高い丘の上に立っている。目立つ上に水源があるとは思えない。急に木々を増やしたとしても、ダークエルフ達が住めるようになるとは思えない。さくっと攻略して、最後のノイン迷宮に期待する事になった。

アハト迷宮は、小屋のすぐ下が、1階層になっていて、どうやら、丘自が、迷宮ダンジョンになっているようだ。広めの部屋が幾つか連なっている。天井部分も今までの迷宮ダンジョンに比べればかなり高めになっている。どうやら、何か使い道が有ったのだろう。

ただ、死んでいる迷宮ダンジョンである事は間違いなさそうだ。5階層までは、今までの迷宮ダンジョンの3~4倍近い天井の高さになっている。6~9階層は、それよりも高い更に倍と言った所だろうか。

10階層の扉も開けられていて、階層主も存在しない。10階層も、同じくらいの高さがある。

下層の階段を探すが、見つからない。扉が奧にあったので、扉を開ける事にした。

扉はそのままでは開けられなかった。管理室にるように、魔力を流して、管理者権限を取得してから、扉を開ける事になった。

それは、見慣れた管理室へとつながる扉だった。

「え?10階層でおしまい?」

確認の為に、ノース迷宮に繋げる前に、端末に魔力を流す。火をれてみる。ディスプレイも繋げてみてから、確認してみたが、10階層しかない。

なぜこんな事になっているのか?高さは関係ないと思ったが、何かの理由で、10階層までしか作られなかったのか?

理由が解らないが、アハト迷宮を攻略したのは間違いなさそうだ。

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