《悪役令嬢は麗しの貴公子》# 閑話 side マーサ

 

 私の名前はマーサと申します。い頃、母と共にこのルビリアン公爵家で雇われ、以來ずっとお仕えしております。

 以前、ルビリアン公爵家には絵本に出てくる妖のような小さな可らしいご令嬢が住んでおりました。

 私はそのご令嬢、ロザリー・ルビリアン公爵令嬢と歳が近いということもあり、旦那様からお嬢様のお世話をするよう仰せつかりました。

 お嬢様は、旦那様と奧様のいい部分だけを集めてお生まれになったと言っても過言ではないくらいの貌と才能を持っていらっしゃいました。

 

 當時、まだ使用人としては新米だった私にも優しく接してくださったのですから。お嬢様のような方を、世の人々は才兼備と言うことでしょう。

 しかし、お嬢様はほとんど笑わない方でした。ダンスや座學の講師の方々にどれだけ褒められようと、どんなに味しい食事を召し上がられようと、いつもつまらなさそうに空を見つめておられました。

 そんなお嬢様が、唯一笑顔を見せるのがご両親である旦那様と奧様でした。

 旦那様は、財務長としてご多忙な日々を過ごしてらっしゃいましたが、奧様とお嬢様を大切にされてました。

 あれから月日が経ち、私がルビリアン公爵家の使用人としてお仕えしてから早6年が経っておりました。

 お嬢様とも、(こんな事を言ったら失禮ですが)まるで姉妹のように仲良くさせていただいていた頃、悲しい事件が起きたのでございます。

 前々から、前ルビリアン公爵夫人から跡取りの事について重圧をかけられ、散々な言いをされた奧様が自殺をなさったのでございます。

 それも、お嬢様の目の前で。

 その日から、お嬢様は三日三晩お目覚めになることはありませんでした。そして、旦那様もお嬢様のお見舞いはおろか、邸にもほとんど帰られなくなってしまいました。

 使用人達も表は暗く、以前の明るさや活気はじられなくなりました。

 そんな時です、お嬢様がお目覚めになられたのは。あの時は、私も本當に嬉しかったのです。

 しかし、お目覚めになられた直後、お嬢様の口からとんでもない言葉が飛び出てきたのです。

 「マーサ、私の髪をバッサリ切ってちょうだい?」

 その瞬間、私は悪い夢でも見ているのかと思ってしまいました。しかし、お嬢様の瞳は本気そのもので覚悟が出來ているご様子でした。

 髪を切り終わり著替え終わったお嬢様は、まるで絵本に出てくる王子様のようで。私としたことが、一瞬見惚れてしまいました。

 その後、旦那様とも話をつけ立派なご令息となるべく、今ではご多忙な毎日を送っております。

 ご令息となってからは、以前よりも生き生きしており、我々使用人達とも笑顔で接してくださいます。

 最近では、メイド達を無自覚にされているようで、使用人達からの坊っちゃま人気は急上昇中です。

 旦那様も、坊っちゃまのために毎日直帰して以前のように一緒にご夕食をとっておられるようになりました。

坊っちゃまの、そしてお嬢様のおで再びルビリアン公爵家に明かりが燈ったのです。

 本人に自覚はないですが、坊っちゃまはご自が思っている以上にすごい方です。これからも、そんな坊っちゃまをながら支えて行きたいと思っております。

 さて、そろそろ午後のお稽古が終わる頃ですね。また坊っちゃまが好きなミルクたっぷりのアッサムティーをご用意することに致しましょう。

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