《召喚された元勇者はこの世界に適応する》

ここは、神世界。

「あれ? あ、私死んだんだ」

私の前には自分が橫たわっていた。周りには2人の男がいた。

「あの人たちは? 私を助けてくれたのかな? そうだったらいいな。でも、私はもう……」

「なら、その私に譲ってくれないか?」

私のに向かって1つのが近づいて來た。

「貴は?」

「私は、魔王。魔王ササラだ!」

「貴が魔王? 私のって何するの?」

「私はもう戦いたくない。彼らに會えれば魔王である私は死ぬことが出來る。もう、戦いたくないんだ」

「……私はもう死ぬのね。なら、私のは魔王さんにお譲りします」

「うん。ありがとう。最後に貴の名前を教えてくれないかしら」

「はい。私の名前はミユです」

「それじゃ、ミユちゃん。次転生したら、また會いましょうね」

「はい!! それでは……? ねぇ、魔王さん」

「うん。私も同じ事を聞きたいわ」

何故か。天界に近づいていた私の魂が、自分のにまた近づいて來たのだ。そして、魔王さんの魂はまた天界に帰ろうとしていた。

「ちょっと、私違うところに行っちゃうじゃない!!」

「魔王さん!! 私に捕まって!!」

見えない手を魔王さんにばした。

「……いいの? またあの世界に戻れるかも知れないのに。本當に良いの?」

「はい。私はもうあの世界に未練なんてありません」

魔王さんは私の手を握り返してくれた。

「魔王さん。未練が無いは噓です。やりたい事が1つだけあったんです」

「何よ?」

「楽しくワイワイとみんなと旅したかったな」

「……分かったわ。それじゃ、貴の分まで……なんて言わないわよ! 貴も一緒に來るのよ!!」

そう言って、魔王さんは私の事を抱き寄せ。そのまま、私のに近づいていく。

「これで、私と貴は2人で1人よ。私のことはお姉ちゃんって呼びなさい。ミユ」

「まお、お姉ちゃん!! これで、一心同。2人であの人たちと一緒に旅を楽しみましょう!!」

「……はい!!!」

私は涙を流しながら自分のに戻っていった。

「あ、起きた?」

「みたいだね。良かった」

「流石、聖だね。回復魔法は伊達じゃ無いね」

「伊達じゃ無いわよ。ね、大丈夫?」

「大丈夫だ! ありがとう!」

「元気だな。さっきまで生死を彷徨ってた人間じゃないな」

「それはそうだ。私は魔王なのだからな」

俺とりりかはその子の放った言葉の弾にやられてしまった。

「國王陛下!! 大変です!」

「どうした?」

「只今、魔法師団から報告がありました。魔王が復活しました」

「何!?」

魔王の復活。それは世界を揺るがす、大事件だ。

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