《召喚された元勇者はこの世界に適応する》魔王
さっき、ふらふらと歩いていたが倒れるのを見かけ助けた。そして、りりかの回復魔法でなんとか一命は取り留めた。そして、彼が起き上がり開口一番ーー
「私は魔王だ」
と、言い出したのだ。
「え、魔王ってあの魔王?」
「昔、勇者に倒されたあれ?」
「あぁ、その通りだ。懐かしい、私の話を聞かずにいきなり、「お前が魔王だな! 死ね!!」と、攻撃を仕掛けて來たのだったな」
「それは、災難だったね」
し、この魔王にが湧きそうになったがなんとか阻止できた。
「って、お前が魔王なのはわかった。そしたら、お前はこの世界を征服するのか? それとも、破壊するのか?」
「……ぷっ、そんなわけ無いだろ」
魔王はお腹を抱えながら笑い出した。
「お前は、私が魔王だったら殺すのか?」
「そりゃ、魔王だからな」
「魔王だからね」
「それじゃ、私が人間と和平を結ぼうとしている。って言ったらお前はどうする?」
「え、それは……」
魔王。それは、悪の源。人を人と見ず、何もしていない人間を殺し、しまいには家畜のように扱う。それが、俺の中の魔王だった。
「……お前は、何しにこの世界に戻ってきた? その返答によってここでお前を倒す!」
俺は、魔王に向かって剣を構えた。
「安心しろ。私がお前の元に現れたのは、魔王としての私を殺してもらう為だ」
「???」
「そうだな。時間はある事だし、長々と説明させて貰うぞ」
「お、おう」
その時、街全に聲が広がった。
「冒険者、傭兵の皆さん! 北門に魔の群勢が押し寄せています! モンスタービートが発生しました!! 一般人の方々は今すぐ南門近くに避難してください!! もう一度繰り返します!!」
「悪いな。お前の話はまた後でだ」
「行こう、明人くん。魔王はそこに居なさい!」
「何を言っている。私も行くに決まっている」
「だめ!」
「行く!」
「だめ!」
「行く!」
その後も、この攻防は続き、結局りりかが折れた。
「急ぐぞ!」
北門に著くと、殆どの冒険者と傭兵が集まっていた。
が、ざわざわとしていた。
「どうかしたんですか?」
「ん?」
近くにいた冒険者の人に聞いてみた。
「実はな、ここに魔王がいるとかなんとか。自稱元魔王幹部の奴が言ってるんだよ」
「え?」
チラッと橫目で見ると、魔王は顔をそらした。
「それって、どれだ?」
「ほらあれ、あそこで浮いてる奴が居るだろ。あれだよ」
その冒険者が指差す方を見ると、確かに浮いてる奴がいた。
その時、自稱元幹部はこちらを見ていた。様な気がする。
「我は魔王幹部フェリエスタ!! ここに魔王様が復活した事を察知した! さぁ、魔王様をこちらに引き渡してもらう!!」
ニゲナイデクダサイ
主人公の聖二が目にしたもの。 それは、待ち合わせしていたはずの友人…… ではなく、友人の形をした"何か"だった。 その日をきっかけに、聖二の平和な日常は崩壊する。
8 58異世界転移で無能の俺 ─眼のチートで成り上がる─
淺川 祐は、クラスでの異世界転移に巻き込まれる。 しかし、ステータスは低く無能と蔑まれる。 彼が唯一持ったスキル「眼」で彼は成り上がる。
8 139都市伝説の魔術師
ゴールデンウィークが明け、六月。『事件』後、家族と仲睦まじく暮らしていた柊木香月とその妹夢実。 彼の本業である學生生活と、『裏の仕事』も順風満帆に進んでいた。 彼の裏の仕事は魔術師だった。それも魔術師として優秀な存在であった。 最強の魔術師にも弱點はある。 「私は……仕方がない。都市伝説に『殺されても』仕方ないのよ……!」 「そうであったとしても、罪を裁かれようとしても……女性が涙を流している。それだけで助ける理由には充分過ぎると思うのだが?」 魔術師柊木香月は都市伝説から彼女を守るべく、取った行動とは――! 「……どうしてお兄ちゃんは毎回のように女の子を助けてくるのかな? もうこれで數えきれない程の回數なのだけれど。お兄ちゃん、慘殺か虐殺、どっちがいい?」 「ちょっと待ってくれ夢実! いつから君はヤンデレになったんだ! 頼むからそのコンパイルキューブを仕舞ってくれ! なあ!? 頼むから!!」 現代に生きる魔術師とその爭いを描く、シリーズ第二弾登場!
8 85永遠の抱擁が始まる
発掘された數千年前の男女の遺骨は抱き合った狀態だった。 互いが互いを求めるかのような態勢の二人はどうしてそのような狀態で亡くなっていたのだろうか。 動ける片方が冷たくなった相手に寄り添ったのか、別々のところで事切れた二人を誰かが一緒になれるよう埋葬したのか、それとも二人は同時に目を閉じたのか──。 遺骨は世界各地でもう3組も見つかっている。 遺骨のニュースをテーマにしつつ、レストランではあるカップルが食事を楽しんでいる。 彼女は夢見心地で食前酒を口にする。 「すっごい素敵だよね」 しかし彼はどこか冷めた様子だ。 「彼らは、愛し合ったわけではないかも知れない」 ぽつりぽつりと語りだす彼の空想話は妙にリアルで生々しい。 遺骨が発見されて間もないのに、どうして彼はそこまで詳細に太古の男女の話ができるのか。 三組の抱き合う亡骸はそれぞれに繋がりがあった。 これは短編集のような長編ストーリーである。
8 161転生しているヒマはねぇ!
異世界で転生する予定になり、チキュウからマタイラという世界の転生界へと移動させられた『カワマタダイチ』。 ところが、控え室で待たされている間に、彼が転生するはずだった肉體に別の魂が入れられ、彼は転生先を失ってしまう。 この大問題を、誤魔化し、なおかつそうなった原因を探るべく、マタイラ転生界の最高責任者マーシャが彼に提示したのは、冥界に來た魂を転生させるこの転生界の転生役所で働くことだった。 ニホンでやる気を持てずに活力なく生きていたダイチは、好みの女性陣や気の合う友人に勵まされながら、少しずつ活力を取り戻し、それでも死んだままという矛盾に抗いながら、魂すり替え事件やマタイラの冥界と現界を取り巻く大問題と、わりと真面目に向き合っていく。
8 76高欄に佇む、千載を距てた愛染で
山奧にある橋。愛染橋。 古くからその橋は、多くの人を見てきた。 かつては街と街を結ぶ橋だったが、今は忘れられた橋。 ある日、何故かその橋に惹かれ… その夜から夢を見る。 愛染橋に纏わる色んな人々の人生が、夢になって蘇る。
8 118