《異世界落ちたら古龍と邪龍の戦いに巻き込まれまして・・・》第3話 話してみたら
話してみたら
いま、この場の雰囲気を一言で 言い表せば 凍りついている。としか 言いようがない。それは 陛下の一言がもたらしたものだ。
「ミキを 我が 娘 ちがっ 我が息子として 迎えいれることを 宣言する」
いや、なんでそうなる?
「ルージュ・エリステル陛下!それは いったいどういう意味でございましょう」
集まった中で、最初に復活したミキが そうたずねた。
「うむ、それも 含めて説明しよう」
「まず あの日、そなたは ほとんど死にかけておったということは、覚えていようか?」
「はい、中を痛みが襲い、意識をたもっているのも限界に近く…」
「実はのぉ、あの時點で そなたの命の燈はほとんど消えかかっておったのじゃ、そうして その命をつなぎ止めておくために回復のを使ったのじゃが それでも 蘇生の儀を執り行わねば いま そなたは ここには存在しておらなんだ」
「そして その蘇生の儀に用いたのが 竜の寶玉の一つ、命玉というもの。これは 竜が 新たな生命を育むために長年にわたって 創り育ててきたもの、そなたに用いた命玉は 我が數百年かけて育てたものじゃ。そして その命玉を取り込み その力でもって蘇った そなたは 言わば 我が子同然でもあるのじゃよ。否 我が子といってしまってもよいじゃろう」
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「斯様な大切なものを お使いくださって わたしを 生き返らせてくださったこと 誠に 謝申し上げます、ほんとうに ありがとうございます」
「いや、そこまで 謝してもらうわけには、なにぶん心苦しい事もあるでな、それを これから話そうと思う」
「はい」
どういった事があるのだろう、しかし いかなる事があったとしても 僕の命をつないでくださったことには、かわりない。あのときじた 厳かであるけれど 暖かく力強い言葉は いまも僕の心の中に殘っている。だけど いまは そのエリステルさまの事を 拝聴しよう。
「そなた、確か 巨大な何かを見のでは なかったかな?」
「はい」
「そして その巨大な何かが 爭っていた。その爭っていた巨大な何かは 我と 邪竜におちてしまった里のものじゃ」
「めったには、ないことなのじゃが ごく稀に 長きにわたって生きた竜の中には よこしまな思いに取り憑かれ 邪悪なものにそのを落としてしまうことがある。そして そういったものを 討伐するのも我の役目なのじゃ。そして あの日、おそらく 否 間違いなく召喚の儀に巻き込まれ この大陸に そなたは 落ちてきた。それも われと邪竜の爭う真っ只中にのぉ」
「一度、何らかの加護によって地上への衝突が やわらいだ直後、我の放ったブレスによって そなたは 再び空中に舞い上がり そのまま 勢いをまして落下してしまったのじゃよ、我の事というのは そぉいうことじゃ。じゃからの そんなに 謝せんでもよいのじゃよ。」
「いえ、それとこれとは 別問題でございましょう。我がの 不幸は召喚の儀というものに 巻き込まれてしまったこと。そして エリステルさまは、おそらく この國、この大陸に住む 人々のために 邪竜と戦っておられた。そこへ たまたま 巻き込まれたわたしが 落下してしまった。このことでエリステルさまが 苦悩されることは ないものと存じます」
「…そうか、そう言ってくれるか。我の方こそ そなたに 謝せねばならぬかもしれぬな」
「えっと エリステルさま、大変 不躾な質問になるかもしれませんが お尋ねしてよろしいでしょうか?」
「うむ、この場は そういった話をするために設けた場じゃ、なんなりと問うてみよ」
「はい、では わたしは 確かに 巨大な何か いえ 巨大生を見ました。そして また 命玉とは 竜が そだて育んだものと伺いました。もしかすると エリステルさまが あの時の巨大生? いえ 竜なのでしょうか?」
「うむ、そのとおりじゃ」
そっかぁ、そうなんだ。この世界には 竜がいるんだ。僕の名字の竜崎、もとの世界じゃ空想の存在とされていたけど この世界には ほんとにいるんだ。それも 僕の いま目の前に。あのときは、はっきりと見られなかったけど いつかエリステルさまに その姿を見せていただけたらなぁ。
などとのんきなことを 考えてる ミキであった。
「ところで、ミキよ。そなた 我のことを いつまでエリステルさま などと呼んでおるのじゃ。出來れば ルージュお母さんと 呼んでくれたりはせぬかのぉ」
「「「ハッ!」」」
今の今まで 凍りついていた三名が ようやく戻ってきたようで
「そのことです!陛下、斯様なことを陛下お一人のご決斷にて お決めになるなど」
「いんじゃないかな」
(あらあら)
「よいではないか、いずれ その命玉を用いて我の子を世にだそうとしておったのじゃ。頃合いとしてもちょうどよいではないか。それに 我が 退位して引き篭もってしまうわけでもなし」
…ルージュお母さん?、どうしてルージュお母さん? うん?うーん 目の前にいる陛下は どう見ても渋いお方なのですが
って悩みどころは そこかよ!と突っ込みをいれたくなりますね
「エリステルさま、またしても不躾な問いになることと存じますが 今一度お尋ねしても?」
「うむ、なんなりと問うがよい」
「では、何故に ルージュお母さんなのでしょう?わたしの目には どうみても渋い男にしか見えないのですが」
「「「「あぁ」」」」
「それはじゃの」といいつつ陛下が持っていた 扇子?のようなものを一振りすると眩いが発せられ 次いで の中から現れたのは これぞ まさしく絶世のの形容が相応しい しいであった。
「これが われの うんっ!ミキ、この姿が わたしの本當の姿よ」
「えっと~、ここに いる皆様方は 既にご存じで?」
「あぁ」
「はぁ、おしい」
「はぁ~」
上から、リョージュン、ガストール、クラリッサである。
えっと ということは、命玉が 次代の竜を生み出す玉、寶玉だとして エリステルさまは だから…もしかしてお相手のだんなさまとなるべく人が いるということ?もしかして リョージュンさんだったり…
「あら、その顔は…もしかして がっかりした?それとも 焼きもちかな。でも リョージュンは ないわよ」
「えっと、先ほどからエリステルさまの口調が変わっていらっしゃるようなのですが」
「そうね、でも こちらがわたしの 本來の口調なの。ついでに言うと ふだんからこの姿じゃないのも 普段の口調が あぁなのも いろいろあったのよ」
「ほんとに いろいろあったなぁ」とリョージュンさん
「まったくもって けしからん」と宰相のガストールさん
「おしいです、陛下」とクラリッサさん
「そ・そうなんですね、わかりました」
「えっと、ミキちゃん それで これからは わたしのことを ルージュお母さんって 呼んでくれるのかしら?」とエリステルさま
「正直、そのお姿で わたしのようなものが お母さんなどと呼ぶのは 烏滸がましくもじるのですが エリステルさま「ルージュお母さん」、ル・ルージュお母さんの命なれば」
(何言ってんだ、こいつ)
(確かに、陛下のお姿と、このものの容姿 親子と言っても差し支えないのぉ)
(ミキさま、あなたが それを 言いますか)
やはり 上からリョージュン、ガストール、クラリッサである
「さて、ガストール。この件は もう決定事項なの、何か問題でも?だいたいこの為だけに蘇生の儀にかかわったものだけを この場に集めたのだから」
「はっ!これより ミキ殿のことは、ミキさまとお呼びし 陛下のご子息として接することといたしましょうぞ」
「わたしも異議は ないですな」
「で、クラリッサだけど、これからしばらくミキのサポートをよろしく頼みますね」
「はい、承りました」
「いろいろと大変だと思うけど ミキのことよろしくね」
「エリ・じゃない、ルージュお母さん、でも公の場では わたしは どの様にお呼びすれば?」
「そうね、まだミキのことを 公の場に出す訳には いかないわね。いろいろと この世界のこととか この國のこととかも覚えてもらわなくちゃいけないし」
「そうね、しばらくは 離宮で暮らしてもらって、リョージュンとクラリッサをつけようかしら、お願いできる?リョージュン」
「まぁ そうなるわな」
リョージュンさんとエリ・ルージュお母さんって とてもくだけたじで話してるけど どんな関係なのかな?ちょっと興味あるかも…とまたまた 話に関係ないことを暢気に考えてるミキである。
「さて、これから 忙しくなるわよ」
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