《異世界落ちたら古龍と邪龍の戦いに巻き込まれまして・・・》第5話 お披目式
お披目式
その日は、城、皇都含めた周辺の町や村は 朝から妙にそわそわしていた。人のみならず 何故かたちまでそわそわしていたのは 謎であるが。まぁ さもありなん、これまで ずっと長くこの竜皇國お呼びリンドブルム帝國を治めてきた古竜であるルージュ・エクステリスの第一子のお披目式が執り行われるというのだ。
皇都近郊の人々
「なぁなぁ、陛下の子は どのようなお方なのかな」
「おれっちが 知ってるわけなかんべよ」
「でもよう、聞くところによるとすっげぇ人なお方だって話なんだがな」
「えっ、それは 初耳だわ。そんな噂どこから仕れてきたのよ」
「ほら、この前、あった武道大會。あれに 出場してた近衛騎士団の団長さんと対戦して見事優勝を果たしたっていう仮面の人…あの方が 陛下の子ではないかって話なのよ」
「あぁ、それね、その話なら わたしも耳にしたわ。でも それって ただの噂話でしょ?」
「でもまぁ あとしばらくしたら」
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「「「そう、しばらくしたら」」」
「「「「子さまに會える」」」」
噂好きな○○○○たち
(古竜さまのお子が ついに)
(だな、ついに 古竜さまにもお子が)
(何年前だったか、三年前になるのか 古竜さまと邪竜の壯絶な戦い…)
(あの直後だったな)
(だな、凄まじいまでのマナの力をじたかと思えば、すぅっとそれが 収束されて…)
(あれって あのとき 次元の裂け目から落ちてきた人の子の中に収まったのよね?)
(((!なんで そんなことが解るんだよ)))
(えっ?だって わたし あのとき わりと近くで見てたもの)
その他、周辺の人々一切合切含めて 皆の気持ちは
とにかく【めでたい】の一言につきるだろう
爭いと貧困、天災に魔の氾濫、荒れ果てた大地を れた人々の心に安寧と希を取り戻した大陸の言わば救世主ともいえる存在、それが ルージュ・エリステル
みなが、その子のお披目を 歓迎しない訳などないのだ
で、その子さまと偉大なる陛下はというと
「母さま、どうしてもお披目の式典…」
「はぁ、ミキよ いい加減腹を括ってはどうだ?あと二時(ふたとき)もすれば 式典が始まるのだ。そなたもそろそろ 著替えなくては ならんだろう。さきほど クラリッサが探し回っておったぞ」
「僕には、ああいった裝は似合わないって思うのですが…」
「似合う、似合わないは そなたが 決めることでない、周りが 決めることだ。それに そなたの言を取りれてずいぶんと質素にしたではないか」
「はぁ、まぁ そうなんですけど」「ぶっちゃけ 式典なんて出たくないです」
「この三年で 主もずいぶんと砕けてきたのぉ」
「それは、もう母さまの子どもですから」
「そ・そうか…うんうん そうであろう そうであろう、うん?」
「それは ほめられておるのかの」
「…」
「とにかく、ドレスにならなかっただけでも良しとせんか、そなたを 我の息子でなく、娘としてお披目しようなどという不埒ものもいたというに」
「ゲッ!それは 真の話ですか?」
「うむ、あまりにもそなたの容姿ガの、われの素の姿に似ておると言うことでな。実は 息子でなく娘なのではないかという話もあっての(こんな話がミキの耳にでもってしまったら城がどんなことになるか、しれたものでないわ)」
「ふ・ふふふ そうですか そんな話が?ところで その方々は?」
「うむ、厳粛に罰をくだしたぞ」
「そうですか、えぇ ならばよしとしましょう」けど、僕ってそんなに母さまに似ているのかなぁ。母さまの方が ずっとしく 神々しいのだけれど。
「さて、もうよいかな?そろそろ くるぞ」
「そうですね」
「ミキさま~!ミキさま~!」
「ここにいますよ」
「お時間ですよ、早くお著替えになってくださいまし」
「はい、それでは 母さま、式典の場で」
「うむ」
◇
「これより 竜皇國皇帝・ルージュ・エリステルさまが一子、ミキさまのお披目の儀を執り行うことを宣言します」
「みなのもの、よくこの場に集まってくれた、謝する。そして これより この場に 參じるものこそが 我の一子、ミキである。ミキをここに」
ってなじで お披目式は、厳粛に しかし終始和やかな雰囲気で執り行われた。ミキはというと別段張したじでもなく 堂々とその姿を 會場に集まった皆々に現し、また式場に集まった皆々も その姿に そしてその振る舞いに まさしく陛下の子である、陛下おめでとうございます、今日の日をこうして迎えることが出來、我ら一同謝申し上げますと、なぜか皆、目を潤ませながら言祝いでいたという。まぁ なかには ミキに対して うっかり姫さまには…などと口走ってしまい 一瞬式場を冷気が襲うかと思ったりもしたが、この二年でミキもし落ち著いたのか ニッコリ微笑み、「さきほど 陛下より紹介いただいた ルージュ・エリステルが一子、ミキにございます。」と終始笑顔を絶やすことなく答えていたのであった…あったのだが 何故か 相手の方が 急に顔が青ざめてしまうと言う不可思議な現象が 所々におきていたという。
◇
「おわったぁ、ふはぁ~ 疲れました。地球にいたときは こんな式典に出席することなどなかったですし、ましてや この僕自が 式典の主役だなんて、ねぇ。大學の學式以來です。こんな規模の式典なんて。」
「ミキ、その大學というのは どういうものなの?」
「うん、それはね…」
こうして 親子の語らいは 朝方まで続くのであった
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