《異世界落ちたら古龍と邪龍の戦いに巻き込まれまして・・・》第9話 一歩前進
一歩前進
「さて、新しい紙作りについては 先ほど話し合ったように
一、紙作りに適した植の調査から始める
二、何種類かの植で紙を実際に作りやすい、品質の良いと作ってみる
三、紙作りの工程の中で 魔法により短できる工程を発見し人件費等の費用をなくする
四、同時に、新しい筆記についても考察していく
と、以上こんなじで進めていきたいと思います
ガストールさん、リョージュンさんには お時間を取らせてしまいますが よろしくお願いします。あと クラリッサさんには 陛下付きの侍の方々の中で より機転の利く方々を二,三名選んでいただいて 報が もたらされた場合に それらをとりまとめる人材を お願いしたいです。」
「そうそう、闇雲に紙作りに 適した植を探すのもいいのですが、こちらの資料をもとに 探してみるのも 良いかもしれません。あとで 絵の上手な方に 書き寫していただき それを元に探索してみてください。模寫が上手で、口の固い方を よろしくお願いしますね」とガストールとリョージュンに向けて依頼をするミキであった。
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「陛下、以上で よろしいでしょうか?」
「陛下…」
「つーン」
「陛下、以上で よろしいでしょうか?どうされたのです」
「ふん、どうされたも こうされたも ないわい。會議が始まってからずっと陛下呼ばわりで なんか すっごくすっごく距離をじてしまうのぉ」
「陛下、會議は 公の場でございます」
(((ミキ)さん)殿…固い)
「なんで この會議のメンバーが ガストール、リョージュン、クラリッサだけなのか しは考えてみよ。我にとって この三名はも同然なのじゃ。そして そなたのことを まるっとすっきり 落ちてきたときから見守っているものたちばかりじゃ、せめて この場にいるものだけの時は その堅苦しい呼び方を せんでくれ」
「(はぁ。ちょっと気を張りすぎましたね)わかりました、母さま、あと皆さまも 今後は わたしの母さま呼びをお見逃しいただけるようお願い申し上げます。」
「「「もちろん!」」」
「いやな、ここのところ ずっとミキが母さまと呼んでいて いきなり陛下だなんて 言い始めるから こちらとしても 違和と寂しさをじていたんだよ」
「その通りですぞ」
「わたしも 寂しくじていました。わたしたちは ミキさまにとって その…お心をゆるせる存在ではないのかと」
「申し訳ない、わたしの陛下、いえ 母への態度が 卻って皆さまにまで 疎外をじさせるようなことになっていたのですね。皆さまと 過ごさせていただく時は あまり気を張らないようにさせていただきます。」
「「「うんうん」」」
「では 改めまして 母さま 以上のように 『夜明けの風』第一回會議で 決まりました。よろしいでしょうか?」
「うむ、よろしく頼みますよ」
「では、これにて 第一回「夜明けの風」會議を終了いたします」
そういうと、ミキは リョージュンとガストールへ渡す資料をまとめるために 席を離れていった
◇
さて、いま現在執務室には エリステル陛下、ガストール、リョージュン、クラリッサの四名がそろっており 何を 話しているかというと…
「ようやく一歩前進したじですな」
「ほんとうに」
「あぁ、一歩前進だ」
「すまぬのぉ、いや みんな ありがとうね。」
「でも ミキさまの あの公私をわけられるところは とても良い気であるかと」
「そうじゃな、これならば 陛下の名代となって 他國の方々と折衝を行ったとしても申し分ないかと思われますな」
「まぁ、なんだかんだと言っても お披目の式典も終わった。この國のたちとも 今後何かと やりあうことも 増えてくるだろうしな」
「「「「それでも!!」」」」
「「「「わたしたち(我ら)といるときくらい、気を抜いて リラックスしてしい」」」」
やっと母子としても そして 同じ事を推進していく仲間としての三人との間柄も ようやく一歩前進した一幕であったようです。
◇
さて、一人自室へと戻ったミキであったが 現在何をしているかというと…
「あぁ~ ダメだ。こんなときプリンタでもあれば 良かったのに。魔法でなんとか ならないものかなぁ。模寫なら 難しくはないと思ったけど。一枚、一枚手書きだから 疲れるよ」
そう、紙作りに適した植を 模寫しているのだけれど 書き慣れていないこちらの紙…いや まぁ羊皮紙なのだけれども なかなか巧くいかない様子。いま現在、二人分しか出來上がっていないようで。まぁ 言い出しっぺですのでね
「ふふ、母さまったら。拗ねてみたりして、まぁ おかげで 他のみなさんとも また一つ距離が 近付けたようで…ありがとう、母さん」
ミキの方も エリステル陛下と 他のみんなの思いを理解できているようです。こちらも 一歩前進ですね。
「だがしか~っし、僕の一人歩きの件、まだ母さまに言えてないよ。全然許可 もらえてない。これじゃ 一歩前進どころか 三歩進んで四歩下がるだよ」
と、自室で ぼやいてるミキのところへ 何者かの影が…
「ミキさま、々お時間をいただいて よろしいでしょうか」
現れたのは、クラリッサである。
「どうぞ、おりください」
「失禮いたします、こちら陛下からの お手紙です(陛下も 直接お伝えしてあげればよろしいものを…)」
「ありがとう、ちょっと読んでみる」
「って、やった。やりましたよ。出たんですよ、一人歩きの許可が出ました」
と喜びをあらわにするミキであったが…一方クラリッサの方は
「ようございました」
と落ち著いたもの。
「あれ、クラリッサさんは ひょっとしてご存じでした?」
「はい、お披目式の前には 既に存じ上げていました。あとガストールさまも、リョージュン先生もです」
「陛下も、みなさんも もちろん わたしもですが 心配だったのです。護衛(表向きの)もつけずに、皇都、皇都周辺への一人歩きなど。もちろん近衛騎士団長を瞬殺したと解っていても…です」
「すみ・ありがとうございます。ですが、やっぱり 嬉しいものです、陛下に、母さまに しは認めていただけたような気がするんです。こちらの世界に落ちて、瀕死の狀態の僕を助けて 救っていただいて おまけに 母と呼んでもいいとまで言ってもらえて。僕の居場所を作ってくださって。だから 僕だって何かしたいんです。母さまと呼んで 甘えるだけじゃなく、困っていれば なにか出來ることがあれば しでもお役に立ちたい。そのためにも 自分の足で この皇都を、そして 周辺の人々の暮らしを見て回りたい。そして 人々が 何か困っていれば その手助けになりたい。それが きっと 母さまの役に立つことだと思うから」
思いもかけないミキの告白を聞いてしまったクラリッサであった。
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