《異世界落ちたら古龍と邪龍の戦いに巻き込まれまして・・・》第29話 明かされていく謎
明かされていく謎
「こんにちわ~、お言葉に甘えて早速來てみました」
ここは、昨日も よったヴェスドラッヘの町の小屋さん『ロビン商會』、店は 朝も早いことから客もまばらの様子。それより 朝早くからお客がいることの方が すごいのか。
「あぁ、ミキちゃんだったかしらね。いらっしゃい。もうしで手が空くから待ってちょうだいね」
「あ、朝早くからすみません」
売れている品を見てみると、どうやら茶葉を購している様子。小屋さんだけどちょっとした日用雑貨も扱っているみたいですね。
「お待たせ。昨日ね、あのあとすぐ町長まちおさに連絡を取ってみたのよ、そうしたら 『辭令』なんて見せられてないって言うじゃない。で、今ここに來ているのよ、紹介するわね」
「こりゃ、またえろう別嬪さんだのぉ、わしがこの區の町長まちおさのマーフィと言うものじゃ」
「あっ、初めまして。皇都から來ました『エチゴヤ』商會のミキと申します」
「ほぉ、『エチゴヤ』さんとな、これは これは。ロビーナさん、あんた とんでもない人とお知り合いになったようじゃな」
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「?」顔に疑問符が浮かんでる小屋將のロビーナである。
「どうやら、何も知らぬようじゃの」
「すみません、昨日は ただのお客としてこちらをお尋ねしたものですから」
「いやいや、これも何かの縁じゃろうて」
「なんだい、なんだいマーフィの爺さん。あたしにも 解るように話しておくれでないか」
「そうじゃの。こちら『エチゴヤ』のミキ殿は、あの『ライトエール』を考案し 一手に扱っておるなかなかのやり手」
「えっ!えぇ~~~、あんた お貴族様じゃないけど とんでもないお人だったんだねぇ」
「そんなことありません。ただのミキですよ」
「まぁ、世間一般に名の通っておるのは『ライトエール』じゃがの。わしは それよりも あの『保冷と保溫』の魔道を開発者として興味があるのじゃがの。っと 話がそれよったわい」
「なんとも まぁ。うちでも使わせて貰ってるよ。『保冷・保溫の魔道』」
「それは、有り難く存じます。どこかご不便なところはございませんか?」
「あぁ、そりゃ文句なしに」
「これこれ」
「それでの、わしが 今日ここに來ておるのは なんじゃったかの。そうそう、今の代が就任したときに 『辭令』を見たか どうかじゃったかということで その話をしに來たんじゃ。ロビーナさんにも話したのじゃがの、わしは 見ておrんのじゃよ」
「そうでなのすか」
「うむ、二年前じゃったかの、わしもな、先代の代が著任するときには、『辭令』もみせてもろうたのじゃが、今の代が著任するときには 見せられんかったの。まぁ 先代代の聲かけで著任したということじゃから、誰も何も 疑わなんだがの」
「そういうことですか」
「それにの、わし以外は、仮に辭令を見たとしても それが本かどうかなど 解らぬよ」
「わしは、たまたまなり手がのうての、二度目の町長まちおさを拝命しとるのじゃが、他のもんは 今回が初めての町長(まちおさ)なんじゃよ」
「実はですね、こんなことを 言うのもなんですが 代が新しく赴任・就任する場合 『町長まちおさや村長むらおさが 存在する町や村の場合 そこに赴任するものは、民との折衝をスムーズに行うためにその町、村の代表者及び代表者によって選出された數名のものに挨拶を行う際に必ず辭令書を持參、雙方確認を行うこと』という決まりがあるんです。」
「なんと!そのような決まりが…」一瞬 町長まちおさに張が走る。
「えぇ、もっとも それを 町長や村長むらおさが 知らなくても罪に問われることはありませんけど」
「ふぅ~、良かったのじゃ。良かったのじゃ」
「もっとも それを しなかった代には 相応の罪がありますが…」
「なんと!それは まことか?」
「はい、ひどい場合は 代職の剝奪及び鉱山送りとかですね、まぁ ただ単に忘れていた場合は、現行職の解任、つまり代を辭めていただくという形になるでしょうか」
「ほうほう」
「出來れば 他の方々からのお話も念のため伺ってみたいのですが…」
「ロビーナさん!」
「あいよ、爺さん」
「さっそく他の區の町長まちおさ連中にも集まってもらうとしよう」
「ツグミ~、あんた ちょいと他の町長まちおさたちを呼んどいで」
「は~ぃ」
「急ぐんだよ、この時間なら 寄り合い所にいるかもしれないから」
「えっ?えっ? こんな早くから 大丈夫なんですか?」
「「大丈夫に決まってます」る」
「はぁ、そうなんですか」
そのときミキの頭上から一枚の紙が舞い落ちる。
それを すっとけ取ると 中には…
<ミキさまへ
急ぎ昨日の件につきお知らせいたします。
現代には、背任・橫領及び先代代へ毒殺容疑あり、追って証拠となるものお屆けいたす>
と、認めてあった。
「そうですか、そういうことですか」
とミキが 読み終わると同時に
「ごめんくださいまし、こちらに皇都からお見えになっているミキさまは いらっしゃいますでしょうか」
小屋のり口を見やると そこには 昨夜話したジーナの姿が。それもメイド服にを包み。
「いらっしゃい、ミキさんなら こちらに。」
「わたしは、皇都の商會『エチゴヤ』にて ミキさまのお側にお仕えしているものにございます、ジーナと申します」
「おやまぁ これは ご丁寧に。わたしは ロビーナって言うんだ。よろしくだね」
「旦那さま、こちらに 背任・橫領の証拠、そして こちらの毒が彼のものの部屋の金庫より出てきたものです。あと『辭令』につきましては 代屋敷の何処を探しても見つかりませんでした、よもや彼のものが離さず持っているとも思えませんが…」
「そうですね、すみませんが ジーナ。『真偽』を二人ほど呼んでおいてもらえませんか、出來れば皇都から一人とこの町…すみません、ロビーナさん。この町に 真偽は いらっしゃいますか」
「そうだねぇ、確か…」
「真偽ならおるぞ、東區の代表の倅が真偽のはずじゃ。」
「ツグミ~、東區へ「は~ぃ、今から早速行って呼んできますね」、早っ!」
「なんか 元気な方ですね、ツグミさん」
「もぉ~、なんだろうね。あの子ったら!お客さまの前で 恥ずかしいったらありゃしない」
「主が それを いうか?ロビーナや。お主なんぞ、もうすぐ結婚するって段になっても跳ねっ返ってばかりおったはずじゃが?」
「ちょいと、およしよ。爺さん。そんな昔の話を持ち出すんじゃないよ」
「おふたりとも 昔から?」
「あぁ、この人は うちの亭主の親なんですよぉ。あたしにとっちゃ、義理の父親ですかね。まぁ あたしの何処が気にったのか しきりに今の亭主をすすめてきましてね」
「あやつは、わしの目から見ても 悪い奴ではないんじゃが いかんせん覇気にかけておる。多、跳ね返っておっても 芯のしっかり通ったおなごを 嫁にしたほうが いいってもんだ。まぁ 婿に行ってしもうたがな」
「ハッハッハ」
「えっ、それじゃぁ マーフィさんの跡は?…どなたが」
「おぉ、それなら問題ないのじゃ、わしには 倅が三人に 娘が二人おっての…それに まだまだわしは、引退なんぞせぬぞ」
なんだか 和やかなじのロビン商會の店先ですが…次回、怒濤の解決編へ…となれば いいな。
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