《異世界落ちたら古龍と邪龍の戦いに巻き込まれまして・・・》第32話 これでいいの?

これでいいの?

さて、いきなり代(騙?)から 曲者呼ばわりされたミキたちご一行、どうなることやら。

「えぇい、者どもであぇ~、この町を治める代に刃向うなど あってはならんことなのじゃ」

「ヒサさん、タケさん。手加減 忘れないでくださいね」

「ダンナ、それは こっちの臺詞」

の呼び聲に応えて 控えの間から よくぞ こんなにと思うほど出るわ、出るわ。二十人ばかりの私兵が現れる。うまく 守備隊に似せているようだけれども、持っている剣が 守備隊に支給されているロングソードではなく 押しった悪漢の頭が手にしていたものと同じ長剣である。ヨーロッパでは かつて「アーミング・ソード」と呼ばれていたものに類似している、このことからも代及び代の倅が一連のベルニーニの宿襲撃事件の黒幕と推測される。

「うっわぁ~、これって 一人一人相手してたら時間。かかりますよね」

「「だな」」

「じゃぁ、右半分は ヒサさんとタケさんに任せますね。僕は、左の五人と後方の五人をけ持ちます」

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「あいよ」「任された」

「さて、あなた方のお相手は 僕ですよ~…ということで 草縛り×五」

「なっ!」「ぐぅえっ!」「な・なんだ」「うぉっ」「あぅ」それぞれ、違ったうめき聲を上げながら剣を振るう間もなく ミキの魔法の餌食となるのであった。

「ふふ、あなたたちは?どうされますか。向かってきますか、それとも…」

「わ・わかった、俺は 投降する」

「ちょっ、そんなリーダー」

「ずるいっす、なら俺も投降します」

「おれもだ」

「あっしも投降しやす」

「おまえは、どうする?」

「はん、腰抜けが!前から てめぇのこと気にくわなかったんだよ」

「おい、おめぇらも そんな簡単に投降するなんて言ってんじゃねぇ」

「いや、だってなぁ」

「あぁ 別に俺たちあの代に なんの恩義もねぇし」

「あぁ、それに 金だって払いが悪いし」

「という訳だ、やるなら一人で勝手にやってくれ」

「くそったれが!!」

「どう考えたって やつの勝てる相手じゃねぇ。それが わからねぇとは」

「そうなんすか?」

「おまっ!あの嬢「(ジロっ)」でねぇ お方を見てて何もわかんねぇってのか?」

「はぁ、おれは リーダーが投降したんで その方がいいんだろうなって」

「あっしは、あのわけわかんない魔法、ぶっぱなされたら おしめぇだなと」

「あれは、余裕ぶっこいてんじゃない。おれたちを 怪我させないようにって」

「あぁ、その通りだ、おそらく 本気でやりあったら おれなんざ 十秒ともたねぇよ」

「「「まさか」」」

「いや そのまさかだ。それに あっちの二人、あの戦闘スタイル。大剣に 戦斧。ありゃ たった五人で二千からなる領兵とやりあって 無傷で生き殘り 依頼されていた領民すべてを守り抜いたっていう俺たち傭兵のなかじゃ伝説みたいな話になってるあの『雷鳴の響鬼』のリーダーとサブだ」

「なんで、そんな大が」

「てか おれらって…」

「あぁ、あの三人に敵対した時點で詰んでたってわけっすか」

「そういうこった」

「あっちも終わったようだぜ」

「ここは、一つ他の方々のように 退いて頂けませんか」

「何言ってやがる、さっきの威勢はどうしたんでぇ、それに 俺が お前に負けるとでも?」

「勝とか 負けるとか そういう問題じゃないんですが…」

「なぁ、俺は 魔法が使えねぇ、あんたは、魔法が使える。そこでだ、あんたは 魔法を使わずに俺と勝負するんだ、公平じゃねぇか?」

「はぁ~(なんで いつのまにか勝負って事になってるんでしょう、というか とても勝手な言いぐさですよね)」

「どしてぇ、魔法なしじゃ おれさまに 勝てっこねぇってか?」

「いいですよ、魔法なしで」

「そうこなくちゃだ」

「じゃ、このコインが下に落ちたら開始だ」といって コインを放り投げる傭兵その二

(この地面につくまでの時間が 長いんですよねって、しかけてきましたか。っとコインが落ちました)

地!」、そして 相手の懐まで接近、つぎの瞬間手にした扇で、相手の長剣をはたき落とし、そのまま扇を 相手の首筋へ。

「何した、おめぇ いま何やったんだ。この卑怯者が」

「よせ、見苦しいぞ。この人は お前に魔法をうってない、それは お前にもわかるだろう。負けたんだよ、お前は…」

「ということで、こっちも終わりました」

そこで、一人呆然としているのは 絶対勝てると踏んでいた自らの私兵としていた傭兵団が負けてしまい、あげく傭兵団の半分には 裏切られた形である。

「こ・こんな、こんな事ってあるか~!!いくら おまえたち傭兵に金を払ったと思ってるんだ、」

「そんな言うほど払ってねぇじゃないか」

「そうだ、そうだ」

「それにな、俺たちは 傭兵であって 別にあんたに対して 忠義立てする義理も必要もないんだよ」

「終わりだ、終わってしまった。何もかも…五年だぞ、五年もかけて準備をしてきたっていうのに」とブツブツと何かを呟いている代(騙?)

「その話、あとでゆっくり話して貰うとしましょうか?」と、代(騙?)を 縛ろうと縄に手をかけるミキ。

そのとき、代館のり口から聲が

「おい、そこの愚民。オヤジから手を離せ!」

「おぉ、倅よ。待っておったぞ」

「何捕まってんだよ、オヤジ、そんな愚民に捕まってんじゃねぇよ」

「だいたい、お前ら 何の権限があってうちのオヤジを捕まえてんだ」

「おや、あなたが この代の息子さん?あなたにも 暴行教唆と、強盜教唆と、その他諸々の疑がかけられています。あっ、まだありましたね。無銭飲食ですか」

「あぁ?何言ってやがるんだ」

「何も 何でも あなたの罪狀を読み上げているだけですが」

「だから 一何の権限で俺たち親子を捕まえようとしてんだ」

「そうですね、一番大きな罪狀は職詐稱の疑いでしょうか。あなたのお父上は、こちらにいらっしゃる町長(まちおさ)の方々に、代としての就任時に 『辭令』を見せることなく就任しました。そして それは この皇國では 立派な罪となります。またあなたのお父上は、本來、代に任命される折に け取るはずである『辭令』を見たこともないと仰っておいでです。それは、お父上が言うまでもなく代職に実は なかったということであり、これまで 代の名を騙っていたと言うことに他なりません」

「また権限というのであれば…ヒサさん、タケさん。もういいでしょう」

「あれ やるのか?」「やっぱり?」

「はい」と言い笑顔でうなずくミキである。

「いきますよ~」

「こちらにおわすお二方をなんと心得る、このお二方は、陛下より任じられた皇帝勅使あらせられるぞ」

「こちらは、『ヒサ・ヴェルナール・フォン・ブラウン子爵』に、『タケ・マクシミリアン・フォン・メルバーン子爵』にあらせられる、お二方とも 勅使の証を!」

言われて、懐から『勅使の証』を取り出すヒサとタケである。

「控えなさい、代(騙)及びその長男」

「う・う・うそだぁ~ そんなわけあるか 確かに わしは ご領主さまより ヴェスドラッヘの代になれと命じられたのだ。わしは、けして騙りなどでない。」

「おやじ、嵌められたんだよ。あんたも俺も。」

「そんな、あの方が 何故わしを嵌める必要がある」

「あぁ 嵌められたって言うのは 違うかもな。知らなかったんだろうよ、皇國法ってのをな」

「何が、これで お前もゆくゆくは 代職に就けるだ、あんな馬鹿の口車に乗った俺の、俺たちが 馬鹿をみただけじゃねぇか」

「ところで、あなたが先ほどから 仰ってる『ご領主さま』とやらは、いったいどちらのご領主さまなのでしょう」

「『モンド・グラーナ』のご領主さまである」

「そうなのですか、間違いありませんね。」

「だれが!自分の生まれ育った土地のご領主さまのことを忘れる訳なかろうが」

「では、ここに いまの発言に相違ないと言うことを 署名していただけませんか」

「ふん、そのようなことか」

おそらく、この時の代(騙)もその長男も怒りと憤懣とで 冷靜さを欠いていたのであろう。本來であるなら後々のことを考えて署名などしては、してはいけなかったのだが。

「真偽殿、彼らのいまの発言に虛偽は?」

「うむ、虛偽はなかったと証言しよう」

「わたしも 虛偽はなかったと証言しよう」

「では、お二方も 申し訳ないですが こちらに署名をお願いします」

「「うむ」」

「ふぅ~、ようやくこの件も解決の目処がたちましたね」

「おいおい、なんだかわかんねぇが いつの間にやら あいつらから 言質をとっちまったな」

「おめぇ、こえぇな」

「何を 仰ってるんでしょうかね」

「ねぇねぇ、もしかして もしかしなくてもだけど あの代たち、解任されるの?」

「うむ、わしらも そこの所をしりたいぞ」

「最後の方は、うやむやのうちに片付いたようだからの」

「うむうむ」

「あと、お二方は、子爵さまであらせられたのですかの?」

「「あは、あっはっは」」

「逃げるぜ、タケ」

「あいよ、アニキ」

と、まぁ 快刀麻の如く片付いたわけでは ありませんでしたが ひとまずの事件解決なのでしょうか?あの代(騙)とその長男は 近いうちに 皇都からの使者がやってくればそのまま司法によって裁かれることになるようです。

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