《異世界落ちたら古龍と邪龍の戦いに巻き込まれまして・・・》第34話 ききょう、笹 そして ベルフラワー

ききょう、笹 そして ベルフラワー

明くる日の朝、ミキたちはそれぞれ 朝食をとったあと別行をとることに。ヒサとタケは、おのおのの武のメンテナンスに出しに行くことに。ミキは、といえば この町の観をほとんどしていなかったのでせっかくだからと言うことで、二人が留守にしている間に観へ。なぜかその隣には、ベルニーニが…。

「ベルさん、ほんとに町の案なんて いいんですか?宿の方は どうされるんです?」

「そっちは、任せておきなって」というのは、ロビーナである。

「いや、任せておきなって…ロビーナさん、宿の人員にあてでもあるのです?」

「あても何も、ベルのいない間は、あたしが 宿の留守番をするんだよ、はいはい、ぐだぐだ言ってないで さっさと観に行っておいで」

「それでは、ロビーナさん、あとは よろしくお願いしますね」とベルニーニ。

「あいよ、しっかり(小聲で)うまくおやりよ」

「もぉ、何言ってんですか」

「でも、ミキちゃんのこと気にってるんだろ」

「まったく、まったくもう。……では、言ってきます」

「この道をまっすぐ行くとベスドラッヘの中央広場に、そして すぐ側にある大きな建が 馬車預かり所なんです」

「そういえば、中は見てなかったですね、初めて ここを訪れたときに もし宿屋が見つからなければ どうしようかって。それで、タケさんに 宿屋を探しに行ってもらったんですよ。で、ヒサさんと僕は、ここで タケさんの帰りを待っていたんです。もうね、なかなか戻ってこないから どうしたんだ~って思っていたら タケさんが、はぁはぁ~言いながら 見つかった~って戻ってきて。で、僕たちは ホッとしたのを覚えています。あれから まだ四日しか経っていないんですね。なんだか 隨分この町にいたような、そうでないような…あれ 僕だけ話しちゃってすみません」

「いえ、そんなこと。それに タケさま…タケさんには 謝しなくてはいけませんね」

「えっ?」

「だってタケさんが うちの宿を見つけてくださってことがきっかけで、このヴェスドラッヘの町も そしてわたしの宿のことも 安心できるようになったのですもの…(それにミキさんにも會えましたしね)」

「そっか、そうですよね。(喜べ、タケ。ベルさんに謝されてる)」

「うーん(、何か勘違いされてるような…)」

「どうされました?」

「いえ、あっ!町の案がまだ途中です、それで この道を左に進んでいくとですね、鍛冶の工房や、武屋さん、あと防屋さんなんかがあったり、そうそう魔法道…魔道屋さんもあったりするんですよ…で 右側の道を進んでいくと お洋服のお店とか、雑貨屋さん、野菜屋さん、お屋さん、それから本屋さんとかね…そうそう薬屋さんとかも」

「じゃぁ 右の道へ進みましょう、うん そうしましょう」

「あれ、でもミキさんは 魔道のお店に興味があったり?」

「あぁ、マーフィの爺さまに聞いたのですね、興味はありますけど 今日は それより雑貨屋さんとか洋服のお店とかそっち方面へ行ってみたいです」

「はい、お任せあれ!です」

「わぁ、きれい。こういうのって 気にったのなかなか見つからないんですよね」

「うん、なになに」

「ちいさな花の髪飾り…紫の花…これって『ベルフラワー』に似てるんだ、どれどれ」と髪飾りを手に取りベルニーニに合わせてみるミキ。

「うん、よく似合ってる」

いきなり、ミキの顔が近づいてきて慌てるベルニーニ。

「もぅ、びっくりするじゃないですか、ミキさんは?何かいいもの見つけました?」

「えぇ、それはもちろん。」と話しつつ、さりげに 先ほどの髪飾りを手にして店員の方へ移するミキ、ベルニーニは、今度は お店用の小を探しているようです。

「すみません、これをお願い出來ますか?」

「いらっしゃい、あちらのお嬢さまにです?かこちらのものでしたら、(小聲で)銀貨五枚になります、理防の魔法が付與されていてるからちょっとお買い得かもね」

「うん、じゃあこれをお願いしますね」

「毎度あり~」

「ベルさん、ベルさん。ちょっとかないでくれるかな」

「えっ、どうされたんです?」

「うん、いいから。いいから」といって先ほど購した『ベルフラワー?』の髪飾りをベルニーニにつけるミキ。

「思った通り、よく似合ってます。ベルさん」

「え、うそ。これって」

「そうだ、確か…」とロビーナの店で購した手鏡を ミキに渡す。

「わたしに?」

「うん、今日のお禮と記念に。け取っちゃってくださいますか?」

「…ありがと、ありがとうございます」

「いえいえ、ベルさんみたいな素敵な人と知り合うことが出來て、おまけに今日は町の案まで、僕 すっごく嬉しいんです。なんか その気持ちが モノでっていうのも変かもですけど」

「わたしも、なんか、何度も嫌がらせされて、もう宿を手放さなくちゃいけないのかなって思ったけど、ほんと続けてて良かった。良かったです。」

「うぉっほん」と咳払い。

そうですよ~、ここは まだ雑貨屋さんの店先なんですから。良い雰囲気醸かもし出すのはまだ早いですよ。

「お客さん、まぁ そのなんです…」

「「すみませんでした!!」」と二人聲を合わせて、撤退てったいするのであった。

ふたりが去っていったあとの店先では、先ほどの店員が ほほえましいものを見たなという顔でたたずんでいたのである。

(あっちゃぁ、もうし空気読んだ方が良かったかね?でもねぇ、あそこで、涙を流してる男たちをほぉっておくわけにもいかんのよね)

「ほら、あんたたちも いい加減しゃんとする!」

「ほんとだったんだ、ベルニーニさんが この町にやってきた旅人と良いじになってるって」

「けどよう、あれ どうみてもの子だったよな」

「うぅ、なら俺もになる!!」

「ほんっと、どうしようもないね~。けど ベルちゃん よかったね」

何故か 町のだれからもされてるベルニーニなのであった。何故ベルニーニが みんなからされてるかって?それは また別の話。

「はぁ、走っちゃいましたね」

「はい、走っちゃいました。久しぶりです」

「あらっ、ここは…そうです。そうです、ミキさん ちょっと一緒についてきてください」

「はぁ、いいですけど?でも こっちの方って町並みからは 外れてるんですけど」

「ふふ、大丈夫ですよ。とって食べたりしませんから」

それから 歩いて十五分?二十分ほどでしょうか。二人が たどり著いたその先に見たものは…。

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