《竜神の加護を持つ年》30.初の王都

「孝太、いつまで寢ているの?早く學校に行かないと遅刻しちゃうわよ!」

あー母さんのいつもの聲だ……。

おっとりのんびり屋の母さんが、唯一五月蝿くなる瞬間でもある。

「母さん生きていたんだね!父さんは?」

「何を言っているの。この子は……。お父さんならとっくに仕事に出掛けたわよ。孝太も早く支度なさい!」

あー二人とも生きていたんだ……良かった。

親って子供の事思って五月蝿く言うけど、

それってされているからだよね。

また3人で森林公園にも行きたいね!

あれ?3人? クロもれて3人?

なんだか悲しい気持ちになって飛び起きた……。

布のふちが涙で濡れている。

「あー夢か、なんだかまだ1ヶ月も経ってないのに何年も會って無かったみたいだ」

と言うか、ここ何処だ?

知らない天井だ……いやいや、もういいから!それ!

目が覚めて周りを見渡すと、何処かの家のベッドの中だった。

あれ?昨日、何していたっけ?

確かオワルスターを倒して、処理を王子に押し付けて……。

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あっ、そうそう。

イアンがお母さんと再會して――。 思い出した!

またクロに食らったのか……。

あの尾、どれだけ速いんだよ!

B級の剣も、あれだけの人數相手にしても、見切れているのに。

毎回直撃って、やっぱりレベルかな?

俺、魔法も虛空とステータス閲覧と、

あれ?俺攻撃魔法使えた?

最初から読み直さないと……。

取り敢えず、今はまだレベル上げ重視でいいかな。

「コータさん?おはようにゃ!」

へっ? おおータマちゃんじゃん!

「タマちゃん、おはよう!今日も可いね!」

やっぱりの子は、朝から褒めて育てないとね!

タマちゃんはちょっと顔を赤らめて、逃げていった。

――今の逃げるとこ?

その後10分も様子見したのに……。

誰も起しに來なかったので、自力で起きた。

普通の人は自力で起きるって?

の子に起されるのって夢じゃない!

もてない男の妄想乙だって?――糞。

ドアを開けて廊下に出ると、いい匂いが漂ってきていた。

何の匂いだっけ?

どっかで嗅いだ事あるんだけどな。

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ちょっと酸味掛かった……。

あっ、バジルだ!

この世界にもバジルとかあるのかな?

匂いに釣られて、その元に行ってみると……そこには皆が座っていて、

味しそうにピザ?

多分ピザでいいと思う。

を、食べていた。

「ちょっと、起こしにも來ないで自分達だけで食事かよ!」

皆の視線が、痛い。

「ふん!せっかく我が起きたのを知して、タマに起こしに行って貰えば。コータ、朝からしておったんだってな!」

ぶっ。

いえいえ、そんな……事は……。

あっ、あれか?可いね……か?心は複雑だね。

「そんな、朝の挨拶とスキンシップだって」

「コータさんは、趣味だっただに!」

の敵ですね!」

ちょ。

アニメ聲で言うなら、

『帯が曲がっていてよ?と、ごきげんよう』

でしょうよ。

なんか、皆の視線がきついと思ったらそれかよ!

「で……俺のもあるんでしょ?」

「無いぞ?」

えぇっ、もしかしてハブ?

ハブされちゃうの?俺!

「コータさんごめんなさいね、人數分しかパン生地をお店から貰ってきていなかったのですけど、アレフ王子がお見えになったので……」

へー、王子に出しちゃったの?

俺。泣いてもいいよね?

これ泣けるシーン決定でしょ?

「グダグダうるさい奴だな!ワイバーンのでも食っておればよかろう!」

そーいう問題?

俺、ピザが食べたいんだけど……。

日本暦から數えて、もう半年は食べて無いんだよ?

そりゃ、ワイバーンのはおいしいけどさ……。

いつでも食えるより、ここはピザでしょ!

「いやぁコータ殿……申し訳ないね」

苦笑いで誤るなら、食うなよ!

でも戻さなくていいからね!

すっぱいピザなんて食いたくないし!

※お食事中の読者の皆さん申し訳ありません

はぁ……ワイバーン焼いてもらおう。

「で?アレフ王子は何しにきたの?まだまだ証拠品の押収とかやっているんじゃ無かったっけ?」

「あぁ、あれね……セバスに任せてきたよ」

何、その便利な執事。

ニコニコしながら爽やかに言ってやがる!

「さいですかぁー」

「それで、ちょっと今後の事を相談しに來たんだけど――。今回のクーデターを未然に防いだ功労者のコータ殿、一行に褒をね」

かぁ……今は褒よりピザが食いたい!

「へぇちゃんと褒とか出るんですね、財政がきついって言っていたから出ないと思っていましたよ」

ちょっと嫌味いれちゃおう!

「そりゃ、國の問題としてのお金は厳しいけど褒位は問題なく出せるよ」

噓付け、この前は節制しないといけないから大型馬車は買えないっていっていたじゃん!

「そんなもんですか?」

「元々、父の治世は悪く無かったのさ。運が無かったのは確かだけどね」

運で國が運営出來るんですか?

凄いですねーあほか!

「運が無かったって、何が駄目だったんですか?」

「ここで話すのもちょっとね、褒の授與の時に場所を用意するからその時に話すよ」

ここしか居ないんだけどな……。

何がマズイんだろう?

まぁいいけどね。

面倒な話なんて。

「分りました。それで?いつ褒を貰いに行けば良いのでしょうか?」

この言い方失禮にならないよな……?

なんか打ち解けているしいいか。

「うん、イアン君ももうしばらくお母さんと一緒に居たいって言っていたから5日後に出発でどうだろうか?」

「まぁ、それだけ日數あれば……」

「じゃよろしく!イリアさん。ピザ味しかったですご馳走様!」

「いえいえ、何もお構いできませんで――」

そんなイアンのお母さんにまでいい顔して、アレフ王子は帰って行った。

「所で、この街ってこれからどうなるんだろうね?」

「何でも王都から代わりの代が來るみたいですよ?うちの商會があるトーマズで前に代代理だった人で暫定的みたいですけどね」

暫定的って事は、良い人材が居れば違う人が納めるって事か。

え?俺?褒に爵位なんて貰ってもけ取らないよ。

だってあの王子の子分にりたくないもん。

モテない僻みじゃないよ!

「でも、オワレスの街も大変だね。村の復興や蠶の養だってまた一からなんでしょ?」

「多分、次の代代理で稅収の大幅見直しが掛けられる。そう王子様がおっしゃっていたので……。私の勤めるパン屋さんは逆に良いかもですけどね」

5日間何しよう?と――。

皆に聞いたらお金無いから何もしないって言われた……。

――世知辛い。

「俺のバックに、皆の分のお金もっているからみんなに分けるね。まずイアンが金貨7枚ね。他の人はそれぞれ金貨2枚ずつで――」

えっ?イアンの分が多すぎ?

だって、イアンは冒険者ギルドで依頼けたんだよ?

それが未払いらしいし……。

指名依頼の主が捕まったから、

どちらにしても、俺が保障するしかない。

盜賊から金貨を分捕っているしね!

その後、めちゃめちゃ●●まくった。

大事だからもう一度いいます、もういいって?

はい……●の中は食いです。

でもこの街――。面白い所ないんだもの。

なんでも稅金が高くなったから閉店して他の都市に引っ越して、

贅沢とかしなくなって長いから、最低限の日常品の店しか開いてない。

ショッピングセンターが出來た後の、街の商店街みたいだ……。

統治する城主で、ここまで変わるのも珍しいらしい。

本當に何もする事が無く

イリアさんの大人の魅力で、目の保養をしていたり――。

クロをからかって、気絶させられていたり。

うん、いつもの日常だ。

そしてやってきました。5日後……。

「いやぁ、お待たせしたね。こっちも大の証拠は集まって、今頃は伯爵家取潰しの準備が王城で進んでいる筈だよ!」

あぁ、やっぱり取り潰しなんだ。

王家にクーデターを畫策した家など、危なくて殘しては置けないらしい。

「それとも、コータ殿がここの街を統治してみるかい?」

「いえ、結構です。貴族とかに興味ありませんので」

「それは殘念だね。報奨金が浮いてクロ様も味方に付けられて一石二鳥だったのに……」

そんな事だろうとは、思っていたけど普通本人目の前にして言わないよね!

「まだまだ若輩者ゆえ……」

「そっか、気が向いたらいつでも言ってくれていいからね!」

遠慮しときます。

そんな馬鹿な會話をしている橫では、イアンとイリアが別れを惜しんで抱き合っていた。

何か似た様な顔とスタイル同士で抱き合うって背徳刺激されていいかも!

あんまエロイ事書いて、R15指定違反とか無いよね?

「じゃぁ、お母さん行って來るね!」

「コータさん、イアンをくれぐれもよろしくお願いしますね」

「はい!俺にとっても大事な仲間なので……。旅のお世話からベッドでのお世話までお任せください!」

「あらあら……もしかしてそういう関係だったの?おばあちゃんになるのも早そうね、ふふふ」

「それはないだに!コータさんは、趣味だって発覚しただに!」

「ちょっと!お母さん勘違いしないでよね!知っているでしょ?私が年上好みだって!」

「そうだったわね、ファザコンとロリコンじゃ稱最悪ですものね!」

何言ってくれちゃっているんですかね……。

この親子と犬は――。

俺はまともだ!

「じゃ本當にお世話にりました。近くに寄ったら必ず顔出しますね」

「待っているわよ!」

「「「「「では!行って來ます」」」」だに!」

フロストさんは久しぶりに皆と一緒で、なんだか楽しそうだ。

クロと一緒だからだろうって?――多分ね。

でもいいよね!

旅は楽しくが一番なんだから。

王子と王も今回も一緒だ……うちはタクシーか!

「いやぁ、君の所のドラゴンライダーは凄いね。こんなに早いなら大型馬車も一考の価値はあるかな?」

「まさか、これ程とは思いませんでしたね、お兄様!」

俺が一人者臺で手綱を握っている間、馬車は隨分と賑やかそうだ。

フロストさんは何も言わなくてもいてくれるんだから。

俺が、者する意味ないよね?

俺も……そっち行って駄目?

聞いてみたら。無人の馬車なんてホラーだから!と斷られた。

確かにホラーだよね。

昔、見た映畫で無人の車が追い駆けて來るのがあったな……うん。

やっぱりホラーだわ。

そんな事で、やってきました初の王都。

目の前には、一際巨大な門が來訪する人々を出迎える。

これあれだ……寫真で見た事ある。

なんて言ったか……そう!凱旋門!

あれに似ているわ!

あれの橫に、ずっーと市壁が繋がっているじ。

威圧凄い。

凱旋門の上部には、以前見たピクシードラゴンがモチーフの、紋章が掘られており王家の威が來るものに見せ付けられる。

「うひゃぁ、こりゃすげーな!」

馬車の中から顔を出した皆も、一瞬呆けている。

クロとフロストは……平常運転だ。

「ようこそ!王都へ」

王子の指示で貴族門へ向うと、ちょうど門番に止められそう挨拶された。

さらに王子が、馬車から顔を出すとビシッと敬禮して迎えられた。

さぁ、いよいよこの世界初の大都市、王都だ!

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