《竜神の加護を持つ年》33.竜神の加護

目が覚めたら、高級な天蓋付ベッドで寢かされていた。

あぁまたやっちゃったのか……。

クロを気にっている、王の顔を貶したのが悪かったのか?

まぁ、聲に出したら不敬罪まっしぐらの発言だったんだけどね!

「やっと起きおったか……」

あれ?珍しい……。

クロが俺のベッドに付き添っているとか、いつ振りだ?

そもそも……今までに、そんな優しい事してくれていたっけ?

また毆られそうな、そんな失禮な事を考えながらクロの様子を伺う。

「ふむ、今はそんな気分ではないわ!たわけ」

そーなのか?珍しい……。

何があったんだろ?

あの後、王族との話がどうなったのか気になる所ではあるけどさ……。

それで、どうする事にしたんだろ?

やっぱ相手が悪すぎだからな――。

らぬ神に祟りなし!

あれ?昔の人って、話の本質がちゃんと見えていたんだね!

やっぱり、普通の魔獣とかなら相手に出來るけど、相手が神じゃぁね……。

俺、思うんだけどさ――。

昔の人の意見は、ちゃんと聞いた方がいいと思うんだよ。

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だって経験が違うんだから……。

だから――祟りを食らわないにさっさと撤退!

うん、間違ってない!

「お主等、人間は面白いのぉ。神の存在を心の半ばでは信じておらんくせに、ちゃんと諺として殘しておるんだからのぉ」

ちなみに、らぬ神に祟りなしってさ――大阪かるたで使われていて、起源は江戸時代なんだってね!そんな昔から使われているとかやっぱり昔の人って偉大だわ!……閑話休題。

閑話休題の使い方あっている?

小説読んでなかったら、この言葉すら知らなかったよ!

「そーだね。それだけ災いとかに臆病になってたんでしょ?科學が発展していた訳じゃないから――。ただ、訳もわからずに一方的な災いに苛まれているじがしてさ。ちなみに似た言葉で……參らぬ仏に罰は當たらぬ。と言うのもあるみたいだよ?」

「ふぉふぉ!本當にお主等、人間は面白い!」

クロの気分も、しは解れた様だ。

「それであれから、しは話が進んだの?」

「おぬしが寢ておるのに、話が進む訳が無かろう?話はまた後で……だそうじゃ」

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まだ諦めてないのか……。

王家が、未練たらしく縋るのも分かるよ?

だって、この時代に大型船でしょ?

そんなが、毎回沈められたら――金がいくらあっても足り無いもんね。

蒙古襲來は……あんま関係無いか。

4000隻近くが、臺風で沈んだけど――それで戦が終わったわけでは無かった様だしね。

でも、その數の船の被害でもまだ諦め無い粘著質の國とかもうね……。

げふんげふん。

「今日の予定はどうなったの?晩餐會だっけ?」

「うむ、予定通り晩餐會は行われる様だぞ。その後で褒をくれるそうじゃ」

そっか。なら褒を貰ってとんずらもありかな?

だって怖いじゃん!

神様が相手だよ?

オクトパスも……そっちもクロと共闘じゃないと、倒せる気がしないわ!

だって、海中に住んでいるんでしょ?

どうやって戦えと?

オクトパスに山嵐ですか?

そんなの格差ありすぎて無理――。

それどころか、足の踏ん張りすら出來ないじゃん!

俺、武とか陸なもの持ってないしね?

あれ?なんかフラグっぽい……。

そうしてやって參りました晩餐會。

豪華な一本の木で作られた、長いテーブルに……。

これまた豪華な絹の生地に刺繍のシーツ?を被せ。

椅子も一つずつが、細かい木彫りの細工が施されており。

腰とおの部分には、厚手の革で中には綿!

フカフカだから、多分綿がっているらしい。

「このシーツの材料を村で作っていただに!」

「あー蠶の養していたんだっけ?さもありなん」

「この手りがいいんですよね。生憎と、オワルスター伯爵によって格安で買い上げられていましたが……」

ちって、顔で犬歯を出す癖やめてください!

ホロウさん、その癖直せば、すごい人さんなんですから!

そんな事を話しているに――。

テーブル上には、豪華な料理が所狹し、と並んでいった。

あの丸焼きなんだろ?子豚っぽいけど……。

こっちは鳥の丸焼き? おっ、魚もあるじゃん!

調味料をふんだんに使った、豪勢な料理に皆のお腹も鳴りっ放しだ。

「それでは始めましょうか。 古竜クロ様と庇護者コータ殿、そのお仲間の皆さんをこの席にお迎え出來たこと嬉しく思います。依頼の件はまだ調整が必要ですが……私ども王家は皆様を暖かく、そして最大限のおもてなしをご用意させて頂きました。今後の皆様方とのよりよい関係発展を願って病みません。今日の出會いを祝しまして短いですがご挨拶とさせて頂きます」

王妃の挨拶に続いて、第一王子のアレフの音頭で乾杯した。

「言っている通り本當に豪勢だな。これ胡椒かな?この時代の胡椒って金と同格?と思っていたけど……」

「よくご存知ですね、コータ殿は胡椒を見た事がおありの様だ!」

あ、やばっ下手に喋れないじゃん!

俺が、この世界の人間じゃ無いとかばれちゃうよ!

「本當にうまいにゃ!村ではこんな味しいもの食べた事なかったにゃ!」

タマちゃん良かったね!

俺も、可い貓娘が喜んでくれて嬉しいよ。

後でモフらせてくれないかなぁ……。

らかそうなんだもん!

え?何処をって?――。

じゃないよ?

だってなんて……げふんげふん。

ちなみに、タマちゃんは白と黒の模様が混在した尾をもつ。

長100cmくらいで痩せている。

ポチは白い白だが、タマちゃんは健康そうなをしている。

やっぱり獣人って耳と尾以外は人間と同じみたいだね。

これなら人間とも子作り出來るのかな?

「コータさん、にゃんか視線がいやらしいにゃ!」

「タマ、今すぐコータさんから離れるだに!赤ちゃんができちゃうだに!」

俺は、食っていた魚の香草焼きを噴出した。

いやぁすみません。お里が知れるようでお恥ずかしい……。

まぁ、みんな大笑いしていて楽しそうだからいいかな――。

「あら?この娘さん達はコータさんのお嫁さん候補じゃないのね?」

「はい、王妃様……殘念ながら異とは意識しない関係の者ばかりでして」

あれ?俺、またなんか地雷踏んじゃった?

まさか……ライトノベルの定番!うちの娘をとかいうじ?

俺、あんな泣き顔の王様いら……。

やばい……またクロにノされる所だった。

生憎と、その先は話が続かずに……話しは褒の魔道の件に移る。

えっ?そりゃ無いだろう!って?

普通は姫とのイチャラブ展開?

だって、これ以上同行者増やしたら作者がパンクしちゃいそうなんだもん!

「コータ殿はどんな魔道をご所かな?」

うーん、貴方みたいにモテモテハーレムを作れそうなのがいいです!

悔しい位の男子で、爽やかイケメンと比べるなって?

それは無理って言うものでしょう!

俺だって本當はハーレム作りたかったけど――。

現時點で、可能がありそうなのはアルテッザだけだよ!

「そうですね……僕、魔法攻撃とかあんまりしないんで、対魔獣の武の方がいいかもですね!」

あ……つい口がって言っちゃった。

だって魔法はイメージだから……。

やる気にさえなれば出來そうだけど――武はね。

金貨1000枚使えば用意出來るかもだけど……。

老後に……え?若いのに14歳で考える事じゃ無いって?

だって、現代の新聞とかでよく書いてあるよ。

簞笥貯金が有効だって!

老後じゃなくても、マイホームもしいしね!

「武ですか……何かあったかな……ちょっとセバスに調べさせるね」

そう言って、セバスさんを呼んだアレフ王子が小聲で何かを指示していた。

晩餐會も終わり、俺達だけ場所をティールームに移し――紅茶を皆で飲んでいるとセバスさんが、大きな箱を二人の騎士に運ばせながらやってきた。

「コータ殿、アレフ様から依頼された魔道をこちらにお持ち致しました。どうぞお手に取ってお選び下さい――」

なんか、剣やら弓やら槍やら斧やら……雑多にっているな。

クロは、この中でいいとか分かる?

俺のステータスでは、人間しか見られなくてさ……。

なんでだろう?

鑑定魔法は定番なのに!

「魔素が無いから見られないんじゃないのか?これは魔道なんだろ?ならばコータが見る気になれば見えると思うがの!」

そーなのかな?

無機質なが見えないとかじゃなくて?

捕り合えずやってみるか……見える見える……見えない。

この場合、知りたい知りたい!って思わないと駄目とか?

知りたい、この武をもっと知りたい!

おっ……見えた!!

●名前・・・・カラドボルグ(剣)

攻撃力・・・2000+裝備者の力×5倍

・・・・

能・・・・シャイニングブラスター

●名前・・・・ゲイボルグ(槍)

攻撃力・・・・1500+裝備者の力×6倍

・・・・・闇

能・・・・・アバターショット

●名前・・・・イチイバル(弓)

攻撃力・・・・1000+裝備者の力×6

・・・・・風

能・・・・・マルチショット

●名前・・・・チャク(斧)

攻撃力・・・・1800+裝備者の力×5

・・・・・雷

能・・・・・サンダーブラスト

●名前・・・・カドゥケウス(杖)

攻撃力・・・・500

魔力・・・・・1500+裝備者の魔力×5

・・・・・水

能・・・・・シヴァ

…………………………………………。

何……これ――俺に神でも倒せと?

いやぁ、確かにネトゲ研究會の部員としてはすげーそそられるよ?

でもさ、これゲームじゃないじゃん!

下手したら死んじゃうんだよ?

それなのに、こんな武もらったらもうフラグまっしぐらじゃん!

ちょっと考えさせてしいと告げて――。

部屋を退出し、夜の靜まったテラスへ出た。

「はぁ、流石に知っている名前の武が出た時には、心臓ばくばくしちゃったよ……」

「コータは相変わらず、小心者じゃな!」

クロもついて來ていたのか……。

カドゥケウスとかゲイボルグとか――モロ神話の中の武じゃん!

あんなもん一般人の俺に持たせて……。

ここの王族は何やらせようって言うんだよ!

俺だって、この世界で始めて魔獣を倒したり、兵隊と格闘したりして……。

すげー怖いんだよ!!

だって俺、日本でだってゲームではしていたけど……。

何かを意識して殺すとか……喧嘩とか……口喧嘩はしたけど……。

した事なんて無かったんだよ!

そんな俺に、あんな危ない武持たせて――。

やば……泣きそう。

――駄目でしたぁー。

目からとめどなく、大粒の涙が溢れて來た。

両親が死んで、一人になって以來ずっと我慢していたのに……。

夢見て泣いた事はあったけど……。

俺にどうしろっていうのさ!

「コータよ、この世界に來た事を悔やんでおるか?」

どうせ、日本に居ても一人だったし――。

こっちでの生活は……まぁまぁ楽しいから嫌いじゃない。

うん、嫌いじゃない。

だけど……やっぱり戦うのは怖い。

「戦う事の何が怖い?自分が怪我をする事か?それとも死ぬ事か?では仲間が死ぬ事か?」

そんなの決ってるじゃん!

全部だよ!全部!

「……………………」

兵士の剣が2cmずれていただけで、本當は足が竦んでいたし……。

皆も、一緒じゃなかったら逃げたかった。

タマちゃんを助ける為だからって俺、結構無理していた。

「パワーレベリングで、レベル上げればゲームの様に無雙出來るのじゃなかったのか?」

ゲームではね……でもこれ現実じゃん!

さっきも言ったけど――。

かすればも出るし、叩かれれば痛い……。

こっちの攻撃だけ當たって、

相手の攻撃は當たらないなんて、都合のいい事ある訳がない!

いつかは戦っていれば……俺も大怪我か?

きっと。

――死ぬよ 。

「そうか……コータには話して無かったな」

何がだよ!こんな時に何を言い出してんだ?

「コータは死なないし、怪我もしない」

はは……もうね乾いた笑いしか出ないよ。

そんな馬鹿げた話、どうやって信じればいいんだよ。

「噓では無いぞ、現実にコータへの攻撃は完全に防がれる」

そんなアニメでも、そんなの聞いた事ないよ!

そんな都合のいいシナリオ、つまらなくて読者にだって飽きられるさ!

「信じる、信じ無いは別として、一度試してみたらどうじゃ?」

そんな、痛い思いもしたくないんですけど!

「やらねば分らんではないか!我、竜神の與えた加護の威力を見くびるでないわ!」

ぐっ……思わず息詰まった。

そして俺の意識は途切れた――。

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