《竜神の加護を持つ年》50.決著

頭が高いと言われても、俺達は別に、この王の家來でもなんでも無い。

そんな屁理屈は、この世界では通じ無いわけだが……。

あれ、日本でも通じないのか?

まぁ、そんな事は社會経験の無い14歳には分らないな。

でも、日本で総理大臣の演説を聴きに言っても――頭下げるのは総理だよね?國民が選ぶんだから!

社長なら、違う會社で働いていても頭下げないといけないのか?

それも違う気がするなぁ。

結局は、分制度のある社會でのみ通じるって事でいいのか?

そんな、どうでもいい事を――ボケ-ッと考えながら、王とかいった人を見てみたが、強者でも何でも無かった。

●名前 エジンバラ・アーグスタ

・種族 人間

別 男

・家族 表示しきれません

・職業 國王

・LV 23

・HP 490/490

・MP 200/200

・得意技 突き 弓道

・屬

稱號 部下任せの天才 海の支配者

というか、何この家族構、どれだけ家族多いんだよ!

國王だからか?

今度、アーノルド陛下のも見てみようかな?

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あ……でもアレフ王子と同じ魔道で、見られない可能が高いか。

しかもLV23って凄いよね?低すぎて。

一般兵士より低いって……ただの親の七りって事でしょ?

あぁ、3世って言っていたね。

それにしても、しょぼ過ぎだなぁ。

まさかとは思うけど、アレフ王子も似たり寄ったり……何て事は無いよね?

仮にも勇者候補なんでしょ!

呆気に取られている俺を、眼に留めたアーグスタ王が訝しげに眼を細めた後で言う。

「その方がコータか!オクトパスを討伐出來る能力を持っておるとか言う……」

それが?こんな雑魚の王に何を話せと言うんでしょうね。

「ふん、ピクシードラゴンを手懐けたと聞くから見ておきたかっただけだ。とんだ愚か者だったな」

へぇ、興味無さそうに見えて、ドラゴンには興味あったんだ?

「ドラゴンに興味がおありで?」

「ん、最後まで黙っておるのかと思えば、泣きついて命乞いか?」

「そんなくだらねぇ。ドラゴンの話を聞きたそうだったから聞いただけだ」

「ほう、面白い。貴様命が惜しくないのか?それとも頭がイカれておるのか?」

どっちでも、無いんですけどね!

さて――そろそろ時かな?

クロ、適當に暴れるから危なかったら援護よろしく!

「それで?ドラゴンに興味があるなら直接見てみますか?」

そう言って俺は、両手でクロを抱えアーグスタ王に見える様に持ち上げる。

「おおぉ!まさに、まさにこれぞピクシードラゴン!そちを殺した後で我が育ててやろうぞ!」

「愚か者の人間よ!分を弁えよ!」

クロ喋りやがった……。

クロの口から、小さな炎が噴出しアーグスタ王の恐らく自慢なのだろう――整った髭を焼ききった。

「ぎゃぁ!このドラゴン――ひ、火を吐きおったぞ!」

「當り前だろ?ドラゴンなんだから。それともブレスって言葉も知らねぇのか?この間抜けな王は!」

言い切るなり、俺は鋼鉄製の馬車にカラドボルグで斬りつけた!

まるで豆腐を切った様に、あっさり鋼鉄の壁は切られ――。

4度剣を振るうと、余裕で人が通れる位の窓が出來た。

「さぁて、ここからは俺達の番だな!」

「何をやっておる、こやつ等を殺せ!」

アーグスタ三世がび、その命に忠実に従おうと、総數30名の騎士が掛かってくる。

俺は、ちょっとした気まぐれで、今回はカラドボルグを持ったまま戦う。

騎士が振り翳した剣に合わせて、俺も振り被り刃同士が、カチ合うように切りつけた。

騎士が持つ剣の刃は、音も無く切斷され――つば部分より下しか殘らない。

これならこっちの騎士が、後で楽に捕まえられるだろう。

二人、三人と続けて刃を壊していく。

俺に、気づいていなかった騎士達も、流石に仲間の異常を察知しこちらを注視する。

そんなに見つめられてもね、俺はそっちのないからね!

約半數が、俺によって刃を壊され、半數は騎士とアレフ王子に寄って切り倒される。

おい、殺してないだろうな!と言おうとしたが――。

切られている部位が手足だったので、言いかけた聲を引っ込めた。

それにしても、流石はアーサー王の剣だな!

まさか、い刃を、あれ程あっけなく切斷出來るとは……。

さて、そろそろアーグスタ三世を捕獲しますか!

その場で自分の騎士達が、一方的に倒されていく様を見ていたアーグスタ三世が逃げ出そうと背中を向けた瞬間――。

素早く地もどきで近寄って、首に手刃を當てた。

糸が切れたピエロの様に、王様は意識を手放す。

え?殺さないよ!

こんなに楽なら、このまま王城を乗っ取っちゃう?

「あはは、それも面白そうだな!」

クロも、楽しそうで何よりだ。

「お前、中々やるな!でも兄様が一番なんだぞ!」

はいはい。充分に染みて知っていますとも。

「アレフ王子、どうせならこのまま王城を乗っ取りに行きませんか?」

一瞬何を?そんな顔をされたが……はは、まったく君は規格外だね!やろうか!

そう言ってウインクされた。

だから、男のウインクなんて気持悪いから見たく無いんですって!

一方、あの中で最強の軍部統括大臣はというと、3人の騎士を相手に善戦した様だったが……最後は力盡きて倒されていた。

まずはここから出ないとね!

窟の、り口へと皆で歩いていく。

何で急がないのかって?

だって、こっちには王様、軍部統括大臣がいるんだし――。

これだけ人質がいたら、流石に向こうの兵も剣を降ろすでしょ!

思った通りに、騎士、兵士達は剣を降ろし降參してくる。

當然だよね!

將棋だってチェスだって王様取られたら終わりだもん!

終わったよね?

すみません、俺チェスやった事ありません。

さて前方が明るくなってきて、そろそろ窟から出られる?と思った矢先――。ブレスの様な熱線が、り口目掛け発された。

狙いは悪く無かったんだが……そこにいるのはクロだぞ?

クロに當る瞬間に、熱線はクロに吸収された様に見えた。

早足で外に出ると――城の左手にある、高い尖塔の最上階に備え付けられた砲臺がこちらを狙っていた。

眼を凝らして見てみると、オルドバに似ている奴が砲臺の橫で何やら準備している様に見えた。

皆も見たかったよね?

あれだけ最初、大恥かいた大技だもん!

ここはやらないとね!

俺は中腰になり、カラドボルグを突きの勢で構えた。

気を溜め込み、しばらくすると、剣の先が明るくだす。

俺は溜め込んだ気を――。

一気に放出した。

『どばぁぁぁーん!』闘技場を破壊した時以上の音が轟き――。

明かりが収まったら、尖塔は消滅していた。

あれ?殺しちゃった?

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