――王都から帰宅した翌日の晝間

タマちゃんのレベルを上げようと思うんだけど、皆の意見も聞かせてくれないかな？

皆が寛いでいるリビングでそう打ちだした。

「タマもみんにゃみたいに強くなれるにゃ？」

「うん。強くなれるよ」

「タマには早い気もするけど、旅は何があるか分らないだに！」

「そうですね、出來れば小さい子を戦いには巻き込みたくは無いですが……」

「強くなるのは正義ですから！」

ホロウさん。悪い奴で強いのも居るよ？

「そうですわね。私も、もっと強くならないといけませんし……」

「強くなったからって、偉い訳じゃないんだぞ！」

「自分のを守れる位には、レベルをあげてもよかろう」

皆も概ね賛の様だったんで、翌日は朝からパワーレベリングの準備にかかった。

「タマちゃん。この武とかどうかな？持ちやすい？」

「うーん、太くて大きくてもちにくいにゃ！」

すみません。そこ、もう一度言ってもらっていいですか！

お約束なんで！

「なんでにゃ！コータさんのししぇんがいやらしいにゃ！」

流石に、大人の武は厳しいか。

この前退治した盜賊から押収した武を、目の前に並べてタマちゃんに手にとって確認してもらっているのだがなかなかいいものが無い。

「じゃ、これなんかどうだろう？」

俺が取り出したのは、アイスピックの様な武で突き刺すタイプで、當たり所が悪くなければ殺傷能力が低そうな武だ。

「これにゃらタマにも、もてるにゃ！」

そんなじで、タマちゃんの武が決った。

で、クロの背中に乗ってやってきたのはいつもの沸き場。

アルテッザの表が若干強張っているが、我慢してもらうしかない。やっぱりトラウマになっているのかな？

まずは俺達が、手足を傷つけた魔獣を押さえ込み、タマちゃんに致命傷を與えてもらう作戦だ！

俺とアルテッザで、オークの足と手を切斷、所謂だるまである。

うつ伏せに転がした、オークの背中に足を乗せきを封じてからタマちゃんに首、頭へ致命傷を與えてもらう。

ポチとホロウは、メテオラをフォローして、俺達と似たような事を延々繰り返しており――。

初日１日で、タマちゃんも普通の兵士位にはレベルが上がった。

メテオラはもう２度目なので、レベルのあがりは良くないが、それでもジワジワと上がってきている。勿論、俺も、アルテッザもポチ、ホロウも同様だ。

初日が終わって、俺達は湖の湖畔近くの馬車の中に居た。

「タマちゃん、どんなじだった？」

「にゃんか、がぎしぎしするにゃ」

「あーレベルアップの影響に、がついてきてないのかな？」

その辺はどうなの？クロ

「うむ、我にはわからんが、一晩も眠ればそのに慣れると思うぞ。コータ達も最初はそんなじだった筈なんだがのぉ？」

「そうだったっけ……夢中でやっていたんで気づかなかったよ！」

そして夕食時、虛空空間から王都で買ったパンを出してみたら……。

普通に冷たくなっていた。殘念。

虛空空間では、時間は流れて居るようだ。

そう思っていたら……クロから。

「我の虛空空間は、時間が止まっておるがな」

へ？何それ？

「そもそもコータは普通の人間じゃ。普通の人間では、時間を止める事は出來ぬ。神ならばそれも出來るのだがの」

神云々よりも、クロには時間が止められるって事に俺は驚いていた。

それって虛空だけじゃなくて、この世界の中でも止められるんじゃ？

クロってやっぱチートだな。

「何を言っておる。それだけの魔素をに宿し、攻撃をけても死なないお主も十分チートじゃろうが！」

そうでした！

それなら今度から、クロの虛空に食べれてもらえばいいんじゃ？と思ったら……。

「兄様は、お前の食庫じゃないんだぞ！」

――と、言われ久しぶりに気を失った。

翌朝、皆と一緒に起き、支度をした俺達は再度クロに乗って脇場に直行した。

今日も今日とて、やる事は変わらない。俺とアルテッザとタマちゃん。ポチとホロウとメテオラで２ＰＴに別れてのパワーレベリングである。

レベルで言えばポチ、ホロウ、アルテッザはもう１００を越えているから人類最強位の実力はあると思うんだけどね。それでも竜には葉わないし、攻撃をまともに食らえば死に至る。死なない強さってどうやったらいいんだろう？

「そんなものは、結界でも張って攻撃をかわすしかあるまい？」

へっ。クロに良い事教えてもらった。でも結界の屬ってなんなんだろう？

「結界は無屬ゆえ、覚える気になれば誰でも覚えられる筈だがのぉ？」

ほうほう！それなら皆で使えるようになれば、今度こそ怪我をしないで済むじゃん！

日中はパワーレベリング、夕食後に魔法の練習がこうして始まった。

普通の結界なら、発すれば半明なプリズムが現れて展開するらしいので、発すれば分かるようになっているらしい。

ゲーム知識を活用し、俺もひたすら目の前にバリアを張るイメージを固める。

すると――今までの苦労はなんだったのか？と、思える位、あっという間に出來た。

「ホロウ、試しに槍で突いてみて！」

「分りました、では行きます！」

ホロウの槍の先が、結界に當たり刃先が結界で止まった。

キーン、とか音がするのかと思ったけどしなかった。

「凄いですね、私達も覚えれば使えるようになるんでしょうか？」

「うん、アルテッザ。皆も覚えれば使えるようになるよ。だから頑張ろう！」

そして、２番目に使えるようになったのは以外、な人。

「私が、コータさんの次に使える様になるとは思いませんでしたわ！」

メテオラの場合、逃げに撤しているじがしていたから當然なのかもね。

一人が功すると、皆も俄然やる気を出し、結果……全員使える様になった。

え？タマちゃん？もちろん使える様になったよ。顔の大きさ位の、ちっちゃい結界だけどね。これは魔素の量に比例するらしいので仕方ないのだそうだ。

どうせなら攻撃魔法とか覚えてみたいんだけどね。

中々上手くいかない。なんで？

さてそんなじで結界魔法を覚え、パワーレベリングをした結果がこれだ！

●名前 アンドレア・アルテッザ

・種族 人族

・別

・家族 オルステッド（父）オフィーリア（母）雙子　（弟、妹）

・職業 商人

・ＬＶ １２１

・ＨＰ １９６０/１９６０

・ＭＰ １６７０/１６７０

・得意技　カマイタチ　牙突　結界

・屬 風　　水

・稱號　箱り娘　ハリケーン娘　奴隷娘　コータの嫁

●名前 メテオラ・アルステッド

・種族 人族

・種別

・家族 アーノルド（父）イザベラ（母）アレフ（兄）ローラ（妹）

・職業 アルステッド國 第一王　コータの第一婦人候補

・ＬＶ ８８

・ＨＰ ８９７/８９７

・ＭＰ １７４３/１７４３

・得意技　 絶　突き　回復　異常狀態解除　結界

・屬  　水

・稱號 病弱王　コータの嫁　臆病姫

●名前 ポチ

・種族 犬人族

・別

・家族 タマ（妹）

・職業 コータの仲間

・ＬＶ １２５

・ＨＰ ２７３０/２７３０

・ＭＰ １０２０/１０２０

・得意技　牙突　視線を釘付け　瞬間冷卻　氷結　結界

・屬 水　闇

・稱號 コータの視線獨り占め　メロンちゃん　人　ドＳ 

●名前 ホロ（ホロウ）

・種族 狼人間

・別

・家族 天涯孤獨  

・職業 コータの護衛

・ＬＶ １３３

・ＨＰ ３１５２/３１５２

・ＭＰ ８３８/８３８

・得意技　牙突　地　変化　炎獄　結界

・屬 炎　雷

稱號 門番の娘　狼の姫　戦闘狂

●名前 タマ

・種族 貓人族

・種別

・家族 ポチ（姉）

・職業 みんなのアイドル

・ＬＶ ５７

・ＨＰ １１１１/１１１１

・ＭＰ ５９９/５９９

・得意技 天然　ひっかき　結界　刺突

・屬 炎　風

・稱號 コータの玩