《竜神の加護を持つ年》83.ガルラード帝國の

クロが大樹から飛び立って半日が経過し、そろそろが傾き巨大樹の周りの木に覆い隠されそうになっていた。

コータはクロに頼れと言われはしたが、他に何か手はないか?

いくら考えても答えは出なかった。

たった14年生きただけの子供がそれを思いついているのなら、地球の砂漠はもう緑一に変わっているだろう。それだけに今回の問題は難しいといえた。

「コータさんはまだ考えているだに?」

「今回ばかりは、エルフの協力が無ければ無理ですからね」

「えるふにをあげればいいにゃ!」

「タマちゃんそれは貴方達獣人の人だけですわよ」

「兄様が、任せろと言ったんだからまかせればいいんだぞ!」

「クロ様なら何かいい案があるのかもしれませんね」

陣がコータを心配して會話をしていると、昨日巨大樹を案してくれた緑の髪のがコータ達を呼びに來た。

「コータ殿、統括理事の皆様が呼びです。何か急な用件とか」

最初は聲をかけられた事すら気づかなかったコータだったがアルテッザから腕をつつかれて、ようやく周りに皆が居た事と、エルフのに呼ばれている事に気が付いた。

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「はい、すぐ伺います」

「では、昨日の部屋まで案致しますね」

昨日と同じ様に、案が先を歩きコータ達一行は講義室の様な所へとたどり著いた。

「ようこそおいでくださいました。コータ殿」

「まだこちらから何が出來るのか答えが出ていないのですが……」

「いえ、その件でしたらもう頂きました。何でもクロ様が私たちの主神へお願いしてくれたらしく、実に數百年ぶりにお言葉を賜る事が出來ました。私たちエルフは神に使える巫の様な存在。その私たちがむものは主神様からのお言葉なのです。本當に有難う座いました」

「そ、それでは」

「はい。これまでのガルラード帝國との蟠りを解消し協力をさせて頂きたく存じます」

なんだよそれ!

まるで平社員が取引先に商談に行って軽く足蹴にされたのに、會社の上司が出向いたら簡単に契約立しちゃう! みたいな展開じゃねーか!

サラリーマンのお父さん方は大変な思いをしているんだね!

「有難う座います、これでガルラード帝國の民達も救われる事でしょう」

「コータ殿の提案にあった溜め池と言うものをどこに作るかはこちらに任せて頂くとして、ガルラード帝國の方へもお話を通して頂ければスムーズに事も運ぶでしょうね」

「分りました。クロが戻り次第、ガルラード帝國へ話の容を伝えにいきましょう」

コータ達一行は先程まで居た巨大樹のバルコニーでクロを待ちながら喜びを分かち合っていたのだが、結局、クロがピクシーサイズで戻ってきたのはが沈んでからだった。

「クロ、今回も有難う。おでエルフの統括理事からガルラード帝國の為の溜め池、ダムを作る手筈を整えて貰える事になったよ」

「それは良かったではないか! これでこの大陸は安泰じゃな」

ん?

この大陸?

「そうじゃ言っておらなかったかのぉ? このオーランドットの世界には4つの大陸がある。トルメキア、アルメキア、カルメキア、ナルメキアの4つじゃ。そしてこの大陸はナルメキア大陸で、地球でいうオーストラリアの様な巨大な島で出來ておる」

じゃぁ他の大陸はアメリカ位の大きさがあるとか?

「あるぞ」

マジか!

海洋國家エジンバラとかが偉そうに海洋國家とか呼ばれているから他には無いと思っていたよ!

「今度層圏まで飛んで見せようか! そこからなら他の大陸もよーく見えるぞ」

そんな高い場所まで飛べるのかよ

「當然じゃろ!」

「我に重力も関係ないからのぉ」

さすがチート!

さて明日になったら早速、ガルラード帝國に乗り込むか!

「ユリウスからの連絡では、アルステッド國からも支援が來るそうじゃな」

「はい、皇帝陛下」

「で、取り逃したエルフ共にはまんまと逃げられたが次の手筈は整っておるだろうの?」

「はい。既にエルフの森に向け進軍を開始している頃かと」

「あの忌々しいエルフ共を絶やしにしてくれるわ!」

「しかしよくあのような魔道が殘っていたものよ」

「まさか城の地下にあのような兵が眠っていようとは、流石に代々の皇帝陛下も気づかなかった様でございますね」

「古代の跡など、使いにならんと考えておったのじゃがのぉ」

「まさか山をも一瞬で消し飛ばす威力とは……」

「嬉しい悲鳴じゃな。がはは――。明日のエルフ共の顔がみものだわい」

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