暗い地下室に、彼はいた。

そこには、今までの出來事が事細かに書かれた本がある。

それは、『魔から人々を救った勇者』のように大きなものもあれば、『第三代竜神王』のような、小さな伝記もあった。

昔から、この一族が書き、魔法でコピーしたあと、國に一セットずつ置かれている。

この本の決まりは、昔話風に書く事のみ。なにせ、ずっと後、それこそ、何千年もあとに読むかもしれないのだ。そのほうがわかりやすいのは確かだろう。

十年で一つの本としてあるので、數は相當ある。

彼はそのの一つを手に取り、ある話を見つけると、一心不に読み始めた。

エルフを救った転生勇者

昔々、ある転生者のの子がエルフの村にいた。

その彼は、十五歳で召喚で呼び出され、人間だったものをエルフに変えられ、生活していた。

彼は、転生前の知識を活かし、村をより良くするために働いた。だが、エルフで十五歳はまだ子供。養子として、レルフ家に引き取られた。

ある日、魔王と名乗る者が村に來た。その魔王は、いきなり部下を使って人々を捕らえると、その場でダークエルフにしてしまった。

その転生者は、そのエルフを取り返しに行くことにした。

どんなに頑張っても、絶対に一人では勝てないだろう。しかし、たくさん働いた彼には、手伝ってくれる者も當然いる。

結果、カリディ家、ララ家、クリスティション家が味方についた。その家は、村の中でも有數の名家で、そこの娘はとても強かった。

四家は協力して、その家の必殺技を作った。

レルフ家は強い攻撃魔法を使う家だった。全屬の魔法を合わせ、敵のみに襲い掛かる『全ての魔法オールマジック』を開発した。

カリディ家は、弓を使うことにおいて最強の家だった。の速さで、意志を持って敵に襲い掛かる『意志の矢ウィルボウ』を開発した。

ララ家は回復魔法が得意で、唯一の病院だった。死んでいるものすら復活させる魔法、『蘇生回復リヴァイヴヒール』を開発した。

クリスティション家は召喚魔法を使う。魔法クラスも魔も召喚でき、自分の思い通りにかせる『活殺自在召喚魔法』を開発した

レルフとララ、クリスティションの娘は、その技を習得し、カリディの娘はそれを持って魔王のいるところへと向かっていった。

長い戦いの末、彼たちは無事、魔王に勝つことができた。しかし、ダークエルフになったエルフたちはもどることがなく、固有種として、発展していくことになったのだ……

「ソフィア！　ご飯よ！　どこにいるの？」

「お母様！　今行くわ！　心配しないで。」

ることをじられた場所にいたソフィアは、すぐに本を元に戻し、階段を登っていった。