《金髪、青目の人エルフに転生!》第十二話 街を作ろう
家をつくるのは、想像以上に大変な仕事だった。
木の棒で地面に設計図を書き寫し、その大きさのとおり壁を作る。
私が目指すのは、ヨーロッパのようなおしゃれなの街。設計は全て私が書いた。
もちろん、作るのも私になってしまう。なんでかって? イメージが伝わらないのさ!
とりあえず、一軒は私が作って、真似してもらう。それなら誰でも出來るだろうし。
白を基調とした、メルヘンチックな家。でも、魔法でイメージを再現するって、結構大変だ。
もう面倒になって來ちゃった。木を生やして直接柱にしたりしながら、なんとなくはそれっぽくなった。ってか、本當にあの木、どうしよう。とりあえず、長は止めておいた。
一週間位して、建が完に近くなってくると、たくさんの人が來た。
「ソフィア様、私たちを住まさせてもらえませんか?」
「いや、ぜひ私どもを!」
こういったじだ。こちらの対応はニコライとナタリアがやってくれている。上手いなぁ。私には出來そうもない。
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そんな中、私はついに、おしゃれなアパートを作り終えた。
というのも、想像以上に人が多くなりそうだから、途中で変更してアパートになったのだ。でもまあ、とても良くできている。
そして、次にこれを他の人が真似して作る。このあたりを大きな住宅街にするつもりだ。
ここは任せて、私はマリアから教わったものを実行しよう。
このまちは、とりあえず口をひとつだけ作った。
といっても、私が短剣で塀を切っただけのもの。ただ、コンクリート並みの強度の塀を、豆腐でも切るかのようにしたのが不味かった。
「どうやったの、今の!」
という反応。剣士にとっては特に興味の的。
取り敢えず、簡単に説明する。短剣に火をまとわせて、焼ききるようにするのだ、と言った。
「あんまりおすすめできないよ。こうやって、剣が溶けたりするから」
使い捨ての武が必要になってしまうのだ。ちょっと不便ではある。
ともかく、こんなことができるようになった。私だって、長している。
で、話がそれたが、はっきり言うと、門番がしいのだ。それを、マリアから教わった召喚魔法で解決しようと思ったわけだ。
「悪魔さん。私では力不足かもしれませんが、手を貸していただけるなら、此処へ」
そういってから、呪文を唱えた。初の召喚魔法だから、一応強気じゃない方が良いかと。
「およびですか、ご主人様」
綺麗な緑の髪をした優男が現れた。優雅に私に一禮したあと、私のことをじっと見つめた。
し青っぽい緑をした目は、とても綺麗だった。思わずドキっとしてしまう。
「こ、此処の、警備を、頼みたいのだけれど」
「お安い用でございます、ご主人様」
ご主人様だって。なんかいいなぁ。呼び方って重要だよね。じゃあ私は……。
って、なんて呼べばいいんだろう。
「名前、は?」
「我らに名前はありません。悪魔は、名前をつけてくださった方が主人になるのです」
あ、そういうこと。名前ね……。
特徴はなんだろう。髪が、綺麗な翡翠、ジェイドグリーンをしていることだろう。
「ジェイド、ジェイドでどうかな?」
「わかりました。契約は絶対でございます。私の主人は、貴だけです。ええと」
「ソフィアだよ。よろしく」
私は、改めてジェイドを眺めた。
翡翠の髪と、青緑の目。背中には大きな黒い羽があり、爪は長い。口には牙があり、し笑っているようだ。
これ、なんというか……、はっきり言うと、怖いな。
まあ、命令には従ってくれるみたいだしいいか。マリアも契約者の命令は絶対だと言っていたしね。マリアは噓つかないし。
「ねえ、ジェイド、裝飾に使う魔石とか取りに行きたいのだけれど、一緒に來る?」
「いいのですか! 是非!」
凄く嬉しそうだ。そんなことでもないと思うけど……。
というのは、ジェイドのことを知らなかったからだった。
笑顔で魔を殺すジェイドを見ながら、私はそんな事を思っていた。
まさか、こんなに好戦的な格だと思わなかった。すごく楽しそうに魔を甚振っている。
「ソフィア様、本當にありがとうございます。ずっと魔と意味のある戦いがしたかったので」
「ああ、そう……。どうぞ。戦いな……」
魔のを分解しているジェイドは、悪魔にしか見えない。いや、まあ、ほんとに悪魔なんだけどさ。
魔解中のジェイドは置いておいて、私は散歩中のシナモンが帰ってきたのを迎えてやった。
「ソフィア様。今日はどのような用で?」
「裝飾品に使う魔石なんかを探しに。この先の窟の地下に、マグマが流れてるところがあって」
マグマが流れているところの上に、寶石はできるのだ。大きめの鉱石が取れるのは此処だ、って聞いたから來てみた。
「おや、ソフィア様の使い魔ですか?」
「うん。シナモン。あ! 絶対に解しちゃダメだよ?」
「わかっていますよ」
ならいいのだけれど。綺麗な目を見ると、噓ではなさそうだな。
いや、でもなぁ。凄く純粋に解楽しんでる様子見ちゃうと、なんかね。ちょっと怖いなぁ。
「ソフィア! どうだった?」
「こんなじ。床とかに使えたりって?」
「出來る出來る。じゃあ、今日はもう解散でいいかな?」
エベリナに鉱石を渡しつつ、私はみんなを一度集めてしいと言った。
「えっと、ここの街の門番役の、ジェイドだよ。悪魔だけど、私の使い魔だから、安心してね」
一応紹介するべきだろう。さっき、シナモンが「誰この人? 羽付いてるよ?」と困った顔をしていたから。初めて會うと、驚くだろうし。
「はい。ジェイドです。ソフィア様の命令は絶対ですので、皆様には手出ししません。絶対に」
こらこら。笑いながら言うと、説得力ないよ。
私はいつも通り、移魔法で帰ろうとした。だが……。
「! 村の口に、強い気配が」
私は、家ではなく、村の口に移した。
其処に広がっていたのは……。
「ちょっと! どういうことなの?!」
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