《金髪、青目の人エルフに転生!》第十三話 ハナの過去と未來

した先には、沢山の人がいた。

黒っぽいと、真っ白の髪。そんな人たちが、この村の住人を引き摺って連れて行こうとしている。

「ダークエルフ……?!」

昔、魔王に連れて行かれたエルフのなれ果て。魔王の配下、ダークエルフ。彼らが、住民を……。

私の大切な、家族みたいな住民たちに、よくも手を出してくれたな?

「白石弾クリスタルブレッド!」

怒った私は、だいぶコントロールできるようになった魔法を連していた。

大きなクリスタルでできた塊を、ダークエルフの頭に打ち込む。

「うちの村に手ぇ出したからには、どうなるかわかってるんだろうなぁ?」

あっという間に、ダークエルフはみんな倒れていた。殺してはいない。そんなやなこと出來ないさ。

ほぼ無意識だったから、気付いた時には驚いた。怒りって怖いな。何しでかすか分かったもんじゃない。

「ソフィアさん! 帰ってきていたのですね!」

「ありがとうございます!」

村人たちは、私が帰ってきた事を心から喜んでいるようだった。

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「みんな、怪我していない?」

大丈夫なようだ。ほんとに怒っていたから、誰か傷つけたんじゃないかってヒヤヒヤした。

「この者たちは、どういたしましょう?」

ある村人が言った。

そうか、どうしよう。そこまで考えていなかったな。

「とりあえず、なにか敷いて寢かせてやって」

「?! どうしてですか?」

私は答えなかった。どうしてそんなこと言ったのか、わからなかったから。

「さて、どうしようかね……」

私は改めて彼らを見た。みんな。人數は二十人。

「毒素を抜いてやれればいいんだけど……」

きっと、一代目はずっと前で、伝子に組み込まれているだろうから、難しいな。

すると、急に風が吹いて、地面に木の葉で文字が浮かび上がった。久しぶりかも、神達からの言葉。

<違うようです。つい最近られたのもです>

あ、そう? じゃあ、催眠魔法の応用で目を覚まさせれば……。

「目を覚ませ! 縦された者たちよ!!」

ちょっと廚二病っぽい呪文をいい、魔力を放つ。

綺麗な黃をしたがふわりと広がっていく。暖かいをしたそのが當たった人は、がすぅっと薄くなっていく。

これなら大丈夫そうだ。ただ、まだ油斷はできないな。彼たちが起きるのをじっと待つ。

「あら? 私たち、こんなところで何を……?」

「此処って? え、私達、一何が……」

目が覚めたようで何よりだ。駄目だったらどうしようかと思ってしまった。

「って、あれ……?」

「ソフィアー、ソーフィーア!」

ばっと飛び起きた。隣で母が笑っている。ここはベッドの上。どうやら、魔力の使いすぎのようだ。

「いいことしたわね。あの人たち、話を聞いてソフィアに従うって言って聞かなくなったわよ」

あの人たち……、もとダークエルフのことか。あんなにうまく功するとは思わなかったけど。者から離れてて洗脳が薄かったのかもしれない。

話ということは、自分たちがダークエルフになって暴れていたことも聞いたのかな。

「ただ、その前にハナから話があるそうよ」

母は立って部屋から出て行った。れ違いで、ハナがってくる。

「お話したいことがあります。ずっと、いつ言おうかと思っていたのですが」

ハナの話はこうだ。

私は、普通のエルフでした。それこそ、こんな変わったでなく、金髪に緑の眼という、どこにでもいるような。

私は、魔王に攻め込まれていた、エルフ戦士でした。へレーナという名前で、二百歳の時です。

魔法を駆使しましたが、ダークエルフは、エルフの魔法を基礎とし、それを強化した魔法を使いましたから、まるで歯が立ちませんでした。

でも、私たちは、みんなで約束をしていました。死んだ時に備えてです。

私は死んだ時、その魔法を実行しました。それは。魂だけ、そこから抜け出し、五十年前に飛ぶ、という魔法。

ただし、時空移を行うその魔法は、大量の魔力を消費します。

実行した時點で私の魔力は盡きかけていたので、一番近いお腹の大きなの中に飛び込み、赤子にとり憑いてしまいました。

私は普通の子供として生まれてきました。そして、私にとって、今というのは過去。それから起きることは知っています。

「だから、今度は魔王に攻め込まれることがないように、行しようと思っていて……」

ハナは未來から來ていたのか。ということは、私も未來ではなにか重要な役割があるのだろうか。

「今日、ソフィア様が催眠を解いたダークエルフたちは、後に兇暴な戦士となって、私たちを苦しめるのです。ですから、とても謝しています」

あの子達が、平和な世界を崩す鍵だったのか。なるほど。知らなかったけどいい事したな。

後、し気になる事があるんだけど。

「ねえ、いま、へレーナは、どうなってるの?」

「私はここにいますから、生まれないことになっているか、別の人が生まれるのでしょう」

なるほど。そうなるんだね。

「じゃあ、ハナは、これから何かあったら言ってくれる?」

「ええ。それまでは、自由にしていてくれて構いません」

「このことをお母様たちは?」

ハナは黙って首を橫に振った。知らないのか。

また、問題點として、小さな変化が大きな変化をもたらす可能があるという事。もしかしたら、大幅にこれからの事が変わっているかもしれない。

そうなったら、ハナの報は宛にならない。出來れば変わらないと良いのだけれど。

「わかった。じゃあ、これからあの子達にあってくるかな。ハナはもう休みなさい。凄く疲れた顔をしてるから。お母様には私から言っておく」

「すみません。では」

ハナが部屋を出ていくと、私は自分の隣に小さな水球ウォーターボールを放った。

「きゃ?!」

何もなかった場所から聲が上がる。

「やっぱりお母様、聞いていたのですね?」

魔法を駆使して気付かれない様にしていたお母様。私は最初から気付いていたけれどね。

「だって、私が知っちゃいけなくて、ソフィアには話すことなんて、気になるじゃない」

そういう問題だろうか。ハナはこれを知ったらどう思うだろう。

「ともかく、変なことしないでください……。信用無くなるじゃないですか。これからはこんなことしないでくださいよ?」

「わかってるわよー。今回だけだからっ!」

「そうですか? なら良いのですが」

全く、盜み聞きなんて。まあ、気になるのは分かるけれど。

今度いたら追い出そう。そう思いながら、お母様と一緒に廊下を歩くのだった。

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