《金髪、青目の人エルフに転生!》二十七話 戦いの準備

いよいよ、悪魔たちがこちらに向かってくる軍を発見した。

みんな初めての戦いで張していると思ったら、なんだか全然そんなじがないのはなんでだろう。

「ソフィア様がいらっしゃれば、安心ですわ」

「きっとなんとかなるでしょう」

え。最終的には私に押し付けるのかよ……。

まあ、そうだね。私のことを信頼しているといえばそうだけど。

「じゃあ、みんな。お願いね。」

誰にってわけではなく、呟いた。きっと誰も聞いてない。でも、それでいいの。

「じゃあ、もうすぐなので、お願いします。あ、あと、死なないでね? 死にそうだったら、引き返してくれて構わないから。絶対、だよ」

私が言うと、みんな頷いてくれた。よかった。これだけは譲れない。

「私も出るから、何かあったら言いなさい。治癒師もいるんだから」

『お任せください、ソフィア様!』

「ソフィア様、私たち悪魔も出ていいですか?」

「え、いいの? 手伝ってくれるなら嬉しいけど……」

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すると、ジェイドの合図でスカーレットとインディゴも現れた。

「私たちも仲間を連れてきましたので」

ズラッと悪魔が並んだ。全部合わせて四十五人くらいだろうか。

「私たちも使ってください」

これって名前付けなくてもいいのかな?

『私たちはソフィア様に忠誠を誓います。名前などいらないので、お願いします!』

みんな聲を揃えて言った。でも、こんなことができるだろうか? こんなに私に従わせるなんて……。

とりあえず、彼らには寮の空いている部屋に行ってもらうことにした。

ジェイド、インディゴ、スカーレットだけは殘し、問い質す。

「で? どんな手使ったのよ?」

「は? なんのことですか?」

ジェイドが聲を出した。仕方がない。隠し事なんてできないと分からせてやろう。

スカーレットに近づいて、右腕を思い切り摑んだ。し顔を歪めて、それから私のことを驚いたような目で見た。私はすぐに袖をまくってやった。包帯に巻かれた腕があらわになる。

「やっぱね……。ちょっとかばってるように見えたの。全く、力ずく?」

インディゴは隠している目のすぐ下に大きな切り傷が、ジェイドに至っては……。

「ちょっ! なんで早く言わないの?!」

肩が大きく切られていて、おそらくは失死寸前だ。

「治癒は?」

「あいにく魔力切れでして。」

ジェイドがし笑って言った。笑い事じゃないと思う。

「もう……。なんでそんなことするの? 危ないじゃない……。治癒魔法使うから、ほら、包帯とって?」

この子達ったら、目を離すとこういうことするから怖い。死んだらどうするつもりだったんだろう。

そう思ったら、なんだか泣きそうになってしまって。慌てて強い口調で言う。

「二度と、こんな馬鹿なことしないでね。さ、帰って。あ、ジェイドは殘って?」

二人が帰ってから、そっとジェイドに聞いた。

ずっと気になってたけれど、なんとなく、聞けなかったこと。

「ねえ、今更なんだけど。やっぱ、インディゴは隻眼?」

「あ、はい、そうです。そりゃわかりますよね。距離とか、わからなかったりすることもありまして」

「うーん、やっぱそうか。」

「あ、でも、あまり過度に手伝わないでくださいね。絶対に格上自分でやると言って聞かない人ですから。まあ、負けず嫌いなんでしょうけど」

「よくわかるのね」

ジェイドはし意外そうな顔をして、それから「友達なんで」と笑った。

「それに、わかるといえば、スカーレット。見つからないと思ったんですけど」

「手の位置がいつもと違うもの。前で組むことが多かったけど、今日は橫で、に這わせるようにしてたから、怪我してるのかなって。そのあと、悪魔の數見て、確信したの。普通に話じゃ無理だもの」

「ふふ。それじゃ、分が違うからアレですけど、友達と変わらないですよ?」

「そう、かな。まあ、いいや。さ、帰りましょ。ジェイドは今日はいちゃダメだから。もう、この忙しい時になにやってんの」

傷は癒すことができても、失った分のはどうしようもない。かないように念を押してから桃魔法ピンクローブの副リーダー(?)のアリアンのところに向かった。

「この中で治癒魔法が使えるのは誰?」

「え。治癒魔法ですか?ええと……。イザドラ、キャシー、エティ、ファニー、ゲルダ以外の人です」

お、思っていたより出來そうだ。回復魔法は難しいのに、いつの間に練習したんだろう。

「五人……。十五人はいけるのね? じゃあ、上級以上ができるのは?」

「クラリスにエドナ、ルシアンナとジャスミンです」

「四人ね、わかった。一応聞いておくけど、範囲回復……、超上級以上、なんていないよね?」

「確かジャスミンが。確認をとっておきましょうか?」

「今聞こう。ジャスミン、いる?」

アッシュの髪を綺麗にばしたがこちらに來てくれた。後ろを見れば、ハーフアップになっているあることが確認できる。

「なんでしょう?」

「回復魔法は、どこまでできるの?」

「全回復ホウルヒールまでです。たしか、超上級ですよね」

「わかった。ありがと。戻っていいよ」

し首を曲げながら戻っていくジャスミンを眺めながらアリアンが言った。

「あの子、ちょっと異常じゃないかしら」

いや、それは流石に可哀想では? 頑張ればそれくらいはいけ……、ないのかな。

さて、準備はこんなところだろう。治癒師もいるし、桃魔法ピンクローブでもクラリスやルシアンナなどという人たちは相當強い回復は出來そうだ。

悪魔たちも、ジェイド率いる翡翠悪魔ジェイドデーモン、インディゴ率いる藍悪魔インディゴデーモン、スカーレット率いる緋悪魔スカーレットデーモン。だいぶ使えそうだ。

翡翠と藍はシャツに黒いズボンというジェイドやインディゴを同じ服裝。ネクタイの翡翠と藍。緋は當然メイド服。白黒の悪魔っぽさあふれる裝。翡翠と藍が男の人、緋の人で、十五人くらいずつの數だ。

「ねえ、シナモン。青磁槍騎兵セラドンランチャーの犬は終わった?」

「もちろんでございます、ソフィア様」

槍騎兵と言いつつ、馬が準備できなかったため、シナモンみたいな犬を使うことにしたのだ。大きな犬なら、馬と変わらないし。

「準備は大丈夫。さあ、明日くらいだと思うし、今日はしっかり寢よっか。」

「はい、もちろんです。明日、ゾフィア様は一人行でよろしいのですか?」

「うん、巻き込んじゃいそうだから、離れててね? 私はひとりで大丈夫。敵の將軍でも狙うから」

怪我はしたくないけど、住民を守ることが最優先! それこそ、私が全部倒すくらいの勢いで!

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