《金髪、青目の人エルフに転生!》第四十話 マリアの使い魔

ここは、どこだろう。

雲の上? もしかして、やっぱ死んじゃった?

「ソフィアちゃん、ソフィアちゃん」

! これ、トレアだ。私は聲のする方へいていった。

「ソフィアちゃん。大丈夫?」

「大丈夫って? それより、私、どうなっちゃったの?」

「ペリュトンの攻撃をね、あなたの執事がバリアで防ごうとしたけど、間に合わなかったの」

じゃ、じゃあ……! 私、もしかして……!

って、まさか、もう一回転生させようなんて言わないよね? でも、本當に……。

「でも、幸い傷はそこまで深くない。今必死に執事さんが治療してるわ」

「ちょ! 脅かすような言い方しないでよ! 死んだ、みたいな……」

「あなた、その程度で死ぬと思うの? 全く……」

相変わらず姿は見えないけど、ため息をつくように思えた。

「それから、ナメクジはずべて駆除されたわ。さっき海に捨てに行ってたもの」

「……そう。でも、あなた、どうしてそこまで私に協力してくれるの?」

「それは、またあとで。今は、時間がないわ」

え? 時間がないって……?

「ソフィアお嬢様!」

目を開けると、目を赤くしたジェイドがいた。

「うぅ……。ごめんね、なんか、いろいろ」

を起こそうと思ったけど、あちこち痛くてそれはできず、そのまま寢転がっていた。

「あれ、どう、なったの?」

「えっと、お嬢様はあの角で突かれて吹き飛ばされたんです。それで、が……!」

え、今なんて言った? ちょ、ちょっと、どういうことかな?

「いや、忘れてください。ともかく、割と危ないところでしたから、なんとなくは治療したんですが」

「へぇ。でも、ちょっとびっくりしたな。まだアバドンの森ってないのにこれじゃあね……。」

いや、ホントに大丈夫だろうか。なんか、すぐ死にそうな気がするんだけど。

気がつくと、私の頬にぽたぽたと雫が落ちてきていた。

「ちょ……! 何? どうしたの? 何も泣かなくても……」

「いや、だって……。本當に、死んじゃうんじゃないかって、心配で……」

「私、これくらいじゃ死なないから。安心してね。ね?」

あ……。そういえば、リリアーナたちって……。

辺りを見回すと、怖いくらい笑っているエベリナが見えた。あ、まずいパターンだ。

「いやあ、いいもの見させてもらったねぇ。ねぇ、リリ?」

「そうねぇ、まさか主あるじと使い魔とは思えないわぁ」

うっ、それはそうだけど。だって、じゃあどうすればいいの?

「リリ、リナ。からかうのは、終わり。これから、どうする?」

あ、そうか。ここにいつまでもいたらほかの魔が來ちゃいそうだし。

「じゃあ、とりあえず進まないで止まっていよう。ここに魔が來たら、それは倒す」

「あぁ、そうねぇ。鍛えるのにもなるしねぇ」

といったじで、私たちはしここで休むことになった。

私はメガネをかけて自分の手、正しくは手から出る魔力を眺める。

ソフィア=レルフ

力 500/2000 魔力 2500/4000 ダメージ 75%

攻撃力 800 魔法攻撃力 2500

「ソフィ。基本、力、魔力、ダメージは、十五%切ったら危険だからな」

向こうから聲がする。マリアの聲だ。十五%? ダメージだと、85%より高かったら危険って事?

「それでいい。ソフィなら、力は300、魔力は600。力なら、それ以上はくのは危険。魔力なら、魔力切れ」

ああ、なるほど。っていうか、どうもマリアが地球の人なんじゃないかって思うときが多い。

攜帯もどきもそうだし、メガネって形もそうだし、このパラメータもRPGっぽいし。

あ、それなら、レベルとかあればいいのにな。さすがにそれは無理か。

「? チキュウってなんだ? それと、レベルとは?」

「あ、あのさぁ、マリ。勝手に人の心読むのやめよう?」

「え? あ、そうか」

ああびっくりした。ほんとにたまにドキっとする。でもまあ、レベルは考えとこ。

と思ってたら、急にマリアがんだ。

「あ、魔。ん、ズメイ!」

ズメイ?! ドラゴンじゃない! 學校で習った。たしか、三つ首で毒と火を噴くらしい。

今出會うなんて! どうしよう。私はなんとか立ち上がってし後ろに下がる。

「ソフィ、無理しないで。ここは私が」

でも、これ、倒せるの? 私はまともに魔法が打てるような狀態じゃない。エベリナは私の治療ができないくらいの魔力切れ。リリアーナは矢を無駄遣いできないし、マリア、マリアは……? それに『私が』って?

「あれ、しい。すごくいい……」

あ、あれ? 噓でしょ? あれ使い魔にするの?

「絶対手にれる……。出てきて。しいユニ!」

突然辺りが一瞬暗くなり、次にカッと明るくなる。目がくらんで視界が効かない。何が起こっているの?

やっと見えるようになった時には、マリアの前には真っ白の馬が立っていた。長い角が生えていて、紺の綺麗な目をしてる。ユニコーンだ!

「ユニ。あれを倒すことは、出來るか?」

マリアがそのユニコーンにそっとれて言うと、小さく首をかし、ズメイに向かって走っていった。

最初は遅かったその速さ。しかし、徐々に早くなっていき、最後はシナモンよりも早いくらいでズメイに向かって進んでいった。

ズメイも抵抗しようとした。まず、真っ赤な火を噴いた。が、ユニコーンはそれを軽々と避けた。

次に、毒を噴いた。はずなんだけど、それがユニコーンの角に當たった時、キラキラとる煙へと変化してあたりに散った。

最終的に、ユニコーンの突き刺した角で、ズメイは死んだ……と思ったのだが。

「ズメイよ。我がファミリアーとなれ!」

マリアの唱えた一言で、ズメイはまた目を開けた。

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