《金髪、青目の人エルフに転生!》第四十二話 レーシーと缶詰め

次の日、まあ予想通りだが、ダメージが殘っていて、そのせいで歩かせてもらえなかった。それ以外にも理由はあるんだけど……。

というのも、落ち著いてみたら、足をくじいていることに気がついた。あまりに切羽埋まっててそれどころじゃなかった。まあ、軽いけど。

しかもリリアーナがおぶっているもんだから。ね、いたずらが過ぎますよ?

「リリ、ちょっ! そんなに揺らすな!」

「あっははー。そんなこと言ってもねぇー」

わざと大きく揺らしやがる! こんにゃろう……。

「ねえ、こっちであってるの?」

「え? あ……、わか、らない……?」

あれっ?! こんなにいつも完璧なマリアがわからない?

「……見つけた!」

何故か思い切りジェイドが振り向いた。そのあと何か悪魔系の魔法を放った。

「……? え、何?」

エベリナがびっくりしたような表を浮かべてジェイドを見ていた。一方、マリアは何かに気づいたように言った。

「! レーシーか?」

「そうそう。もう迷っちゃダメですよ」

……。なんか、全然進めないのはなんでだろう。またあの仮住居の前に。

「ねえ、ジェイド。レーシーって、あれ?」

確か、方向覚を狂わせる森の妖だったよね? 私が言うと、ジェイドは首を縦に振って「その通りです」と言った。

「そうだぁ、さっき倒した兎食べようって言ったんだったねぇ?」

「そうか。もうお晝頃だ。ちょっと待って。火炎フレイム」

私が小さな中級魔法、火炎フレイムを撃つと、昨日使った木にも火が付いた。

まあ、さすがにこれだけじゃ無理だろうから新しい木もれておく。

そういえば、こんな森にも兎いるんだ? 弱いのに。レーシーのおかげかな?

「食料も、なんとかならないのか?」

「えっ! 私?! うーん、多分スカーレットに頼めばなんとか……」

そういえば、こちらでは野菜がない。マリアの言うことはもっともだし、私もスカーレットに聞くという手段ならある。

にしても、この攜帯もどき、充電は魔力れればいいだけだし、ここでも圏って……。便利すぎる。

「スカーレット、今すぐ野菜をこっちに送ってもらうことってできる?」

『え?! できなくはないですよ。ただ、そこまで送る魔力はありません』

「じゃあ、箱にでもれて準備できる? こっちで取り寄せちゃうから」

そういえば、クララはあの剣を自分の持ちとして登録してあったから簡単に出來たけど、そうじゃないと、すごい魔力使うんだよな、アポート。

しかも、登録はひとつにつき四人くらいできるけど、ありえないほど魔力使うし。

取り寄せた食べはジェイドに持たせよう。どうせ大したことなさそうだし。もしくは、に特訓してた空間魔法か?

『あー、出來ました。ということで、どうぞ!』

本當は、ったことのあるものを取り寄せるんだけど、今はそうではない。だから、集中。

ここに箱が屆くところを『思い浮かべる』……。

「わあ! すごい! ソフィって、なんでもできるんだね」

「へぇ、これが噂のレルフの野菜。味しそうねぇ」

「まさか、そんなアポートを使えるとは」

魔法って萬能だね。科學では証明できない。日本にこんな人がいたら大混かな?

「じゃあ、さっさと加工してしまうか? ソフィ?」

ん? 私がやるのかい? いやいや、そんな馬鹿な。

「ソフィ。缶か瓶だ」

「え? あ、缶詰めか瓶詰めって事?」

ん? でも、こっちには缶詰めも瓶詰めもないよね? 瓶は、まあ、なくはないけど、割と知られていない。

「でも、重くない?」

「あ、そうか。でも仕方ない」

あ、ジェイドとリリアーナとエベリナが何言ってるのかわからないって顔してるよ?

……もう、仕方ないな。せっかく隠して実験してたのに。マリアに隠しごとはできない。

私は空間魔法で別空間を作り出して自分専用の空間を作り出す事をやってみた。意外にも簡単な空間魔法を使える人は多いのだ。難なく功した。呪文さえ間違えなければ、たいていそんな派手な失敗はないのだ。

そこで私は地球にあったものをいろいろ再現してみた。とは言っても、そんな簡単にできるはずもない。今のところ、アルミニウムに似た鉄で缶を作るのに功したくらいだ。

ということで、仕方ないのでそこからいくつか空の缶を取り出した。調理は魔法で。今日はほとんど魔に會わなかったから(ウサギみたいのばっかりだったから)、魔力は余ってる。

「マリ、これでいい? 封……出來たかな?」

「まあ、いいだろう。大出來ている」

や、やっぱり、マリアって地球の人なんじゃないの? こういうことだ。ときどき『え?』って時がある。

まあ、それはいいとして、この缶。開けようと思ったら超頑張る必要があるのが難點。しかも、頑張ってイメージしたら勝手にできちゃったから、仕組みもわからないのだ。

なんといっても、中が空の鉄だから、開けようと思ったら、一応なんとなくっている切れ込みに何かナイフを思い切り突き立てて開けるしかない。

あと、れるときには、どうやら中の空気とれるものを換しているみたいだけど、「どうやってるの?」と言われても、私もよくわからない。

「ソフィ? それ、なぁに?」

リリアーナが恐る恐る聞いてきたので、私は顔を上げて言った。

「野菜、だよ。まあ、後でわかるさ」

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