《金髪、青目の人エルフに転生!》第四十四話 大好きなメイドと薬の花

それから二日後、目的地に到著した。病気が発覚してから一ヶ月くらい? 早いほうだろう。

ただ、薬を手にれたとは言っていない。目的地に著いたのだ。

まさか、その花をドラゴン六匹が守ってるとは思わなかったよ。

「全屬、だね。どうする? 一度戻って対策練る?」

「そうねぇ、あんまり意味ない気もするなぁ。行っちゃってもいいと思うけどぉ?」

エベリナとリリアーナが話している。そういえば、最近ほとんどジェイドの聲聞いてない気がするな……。

「とりあえず、行ってみて、ダメそうなら戻ってみよう」

私が言うと、二人も頷いてくれた。さて、行ってみようか!

って、もうちょっと考えてから行するべきだったですかね? まさかこれほどまでに……。

弱いとは!

本當は私の使い魔にするつもりだったのに、私の吹雪スノウストームで一発だった。呪文を唱えるまもなく絶命。

もはやドラゴンが弱いのか私たちが強いのかわからないや。

ん? 強いのって、私たち? それとも、私?!

「ソフィ、どうしてこんなに強いのにペリュトンなんかに殺されかけたの?」

わ、わかりません。運が悪かったとしか、って、やっぱり、わたし、蒼空ですね。

いや、あの量のペリュトンと戦ったから強くなったのかもしれないとも思うけど、ともかく街の長とか才能潰しすぎたな。

ともかく、それは置いておく。

私は淡いを放つ花に近づいた。鮮やかな桃をしている。

私は三つあるうちのひとつの花を丁寧に手折ると、振り返ってそっと笑った。

「帰りはどうする? どう帰る?」

エベリナが言うけど、帰り方って何があったっけ?

「歩いて帰るか、ワープか、シナモンじゃなぁい?」

うぅ……。リリアーナ。歩いて帰ると時間かかるし、ワープは魔力使いすぎ。シナモンしかないじゃない。

「みんなの魔力使えば、多分村のそばなら行ける」

あ、ほんと? って、それって私の負擔が大きいだけじゃない! まあ、仕方ないな。

「じゃ、集中して。いち、にの、さん!」

あ、本當につきました。大丈夫だったみたいだ。私の実家のある村に。

「ソフィ、私たちは家に帰らせてもらうね。じゃ」

エベリナたちは家に行くようだ。では。

「ジェイド、私たちも、行こう」

「はい、ソフィアお嬢様」

じゃあ、この桃の花を、私のしいメイドに……。

「お母様、ただいま戻りました! ハナは?!」

「ソフィア! って、隨分早いわね」

母はちょこっと苦笑いした。理由はわからない。本當に、何を考えてるのでしょう。

「それより! ハナは? 今はどこに?」

「部屋にいるわ。行きましょう……?」

え、ついてくるの? なぜ? 本當にわからないよ。

って、ジェイドが困ってるよ。一言もれてもらえなかったものね。可哀想に……。

「ハナ! 戻ってきたよ!」

「あら、お嬢様。もう帰ってきたのです?」

「……ん? あ、あれ?」

なんか、すごく元気じゃないか? 普通に本読んでるけど?

ちょ、ちょっと、これ、どういうこと?

「あー、ごめんね。言えばよかったね。ちょっと言いづらくて……」

母が困ったように笑っている。さて、説明してもらおうじゃないか。

「ソフィアが出て一週間くらいしたらね、薬屋って言う人が來たの。で、狀況伝えたら、これ使えって」

…………。私、骨折り損ではないか! なんだって?! そりゃ、ずるいって。

あ、でも、自分の力もわかったし、滅多にない験できたね。『死にかける』。母に言ったら、倒れるだろうか。

「ふぅ、ともかく、元気なのね? 治ったのね?」

「えぇ。じゃなかったら、今頃高熱で喋れないわよ」

あ、そうか。よ、良かったぁ……。

「あ、そ、それと。ちょっと、楽しかったので」

「はは、良かったわ。ジェイドさん、ソフィアを守ってくれて、ありがとうね」

「! 私が、お嬢様を、守った……?」

あ、もしかして、知ってる? まさか、見てた、とか?

「ふふ。ジェイドさんの親友さんたちと、カンニングしちゃった」

「…………」

スカーレットとインディゴまで見てたんだ。あ、久しぶりに、みんなに會いたい!

リーダーのクララたちにも、マリンにも、『みんな』に會いたい!

「あ、あの、もう、帰っても、良い、ですか?」

「ええ、久しぶりにたくさん話してきなさい。また、戻ってきてくれたら、嬉しいのだけれど、ね……」

「ふふ、大丈夫です。絶対帰ってきますね。もしくは、來てくれても構いませんよ?」

すると、母は目を丸くして言った。

「いい、の? 行って、いいの?」

「お父様は、どこにいらっしゃいます? 狩りですか?」

「そうよ。明日まで帰ってこないわ」

「では、お母様、ハナ、行きますか?」

いきなり呼ばれたハナはもっと意外そうな顔をした。

「良い、のですか?」

「な、なんでダメなのよ。行こう? というか、來なさい。ハナがいないと、なんか、治ったよーって言いにくいじゃない。本人がいたほうがいい」

ハナは嬉しそうに笑った。治ったとは、言わなくてはいけないからね。ぜひぜひ來てしい。

というか、何にもなくても來てしい!

「じゃ、じゃあ、行きましょうか。歩きでいいですか?」

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