《金髪、青目の人エルフに転生!》第四十七話 レルフィアと獣人の村

「ごめん、本當にごめん。この街、名前ないじゃん」

私がリーダーたちに言うと、全員が「忘れてた!」という表をした。

「そうそう。あとで決めよって言って、忘れてたね」

母たちの國は「ソニア」、リリアーナの國は「ディアーナ」、エベリナの國は「エメリナ」、マリアの國は「マリー」。勇者の名前だ。

待て、この流れだと……。

「ソフィア嬢の名前使ってもいいけど、嫌?」

「嫌だ! それはやめてほしい」

そんな恥ずかしいの、困るよ。だって、嫌じゃない?

「レルフィア」

そっとアラーナがつぶやいた。レル、フィア?

「レルフと、ソフィア。組み合わせて。これでも、嫌?」

「う、嫌じゃ、ない」

さすがに、これ斷ったら「じゃあソフィアね?」とかなりそうだし。

その次の日、大騒ぎの宴になったのは言うまでもない。

「ねぇねぇ、ちょっと出かけても……いい、かな?」

私がほぼ書のスカーレットに言うと、どこにですか? と聞いてきた。

「マリンを召喚した村だよ。一回行ってみたくて」

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「へえ、いいんじゃないですか? ししたら、ですけれど」

そりゃ、今は無理だろうね。ちょっとしたら、行きたいな。

うん、無理なんだよ。だって、私、王としての知識がゼロだから。

「じゃあ、お勉強しましょうねぇ?」

「は、はい……」

ス、スカーレットが怖いです。

疲れた。インディゴが止めてくれなかったらどうなってたろうね。もともと、勉強は嫌いなんだ。

まず、お金について。私は全く、それこそ単位すら知らなかった。

スカーレットはそれを知っていたらしく、細かく教えてくれた。

まず、基本の単位はエル。いろいろなものの値段を尋ねたところ、1エルが50円だと考えられる。

それから、セルというのもある。どれくらいかというと、1エルが5セル。

貨は、銅貨と銀貨、金貨がある。のあいているものと、そうでないものがある。

のあいていないのがエル貨。銅貨が1エル、銀貨が10エル、金貨が100エルだ。

のあいているものはセル貨。銅貨が1セル、銀貨が10セル、金貨が100セルだ。

それから、普通は森の外と貿易する場合、私たちの立ち寄ったあの村を通すのが普通なのだそう。

手先の用なエルフの作った品は、世界の様々なところで憧れの品なのだそう。

と、まだまだほかにもたくさんのことを教え込まれ、

「これで外に出てもいいですよ?」

と言われた。

ということで、その部屋から出ると、もう真っ暗だった。

「……。これじゃ食堂終わってるね。仕方ない、誰かに頼むか」

スカーレットって、どんな集中力持ってるんだ。インディゴに謝しないといけないな。

次の日、私は何日か出かけると言って街、ではなく國から出た。

地図はナタリアが持ってきてくれた。いつの間にかツンデレキャラになっていたんだけど、何があった?

「っと、この森を抜けたところだね」

意外と近い。マリンたちはどうしてあんなにボロボロだったんだ? はっ! まさか、この森にすごい魔が出るとか? ちょ、それはやだなぁ……。

森の想。狹い。レルフィアの近くは木と木の間隔が広い。アバドンの森は、ズメイなんかが通るから、當然広く、道もできている。

でも、ここは道もないし、どこがどこだか……。

地図は役に立たない。この森の中に道はないから、見たって意味ないんだ。

なんとなく森の中を歩いていると、貓、じゃなかった。虎みたいなのが出てきた。私が魔法を使うか迷っていると、虎は慌てたように逃げていった。……?

仕方なく進んでいく。戦ってみたかった。ついでに、かっこいいから仲間にしたかった。

最近、仲間を探して歩いているんだけど、なんか、あんまり魔と出會わない気がするなぁ。

……。疲れた。だって、森って凄く歩きづらい。木の枝が多いし、道ないし。

近くの切り株の上にすらってし休もう。

と、そこで、劈つんざくような金切り聲が聞こえた。これは……。

の子の悲鳴!

どうやって抜けるのかもわからない森をひたすら走る。こんなことなら、もっと力をつけておけばよかった。息が苦しい。

適當に走っていたら、森の出口が見えた。何が起きているのかも見える! の子が、魔に襲われている!

あぁ、苦しい。半泣きになりながら、森の出口に向かってダイブ。

でも、地面に著く前にやることがある。今まで撃った中で一番強い赤石弾ルビーブレッドを撃つ!

うわぁ! 頭から落ちた。痛いし何も見えないよぉ。どうなったかな。

「あ、あの? 大丈夫です? それと、助けてくれたのって……?」

「う、うん、平気」

荒い息を何回化深呼吸して整えようと試みる。

暫く私がそんなことをしていると、が不安そうに聲をかけてくる。

「飲み、ますか?」

あぁ、の置き去りにしてしまっていった。いけないいけない。

「大丈夫。ちょっと待ってね」

私は手を容のような形にして中に水弾ウォーターボールを弱ーく撃ってそれを飲む。

「ふぅ。ごめんね、心配させちゃって」

よくそのを眺めてみる。獣人のの子。人狼だ。

グレーの髪に、アンバーの目。人狼は、アンバーの目が多いのだ。

「あ、魔法使いの方ですね。私を助けてくれて、ありがとうございました」

私は倒れているに目をやった。ドラゴン。こんなところにいるはずはないんだけど。

「お姉さん、名前は?」

「ソフィアだよ。ソフィア=レル……」

あ、まずい。言わない方が良かったよね、これ。

「ソフィア様?! うちに來てください! お禮しないと! うちのおじいちゃん、村長なんです」

村、長……? あ! マリンを獣人にしてくれたのは確か村長だったはずだ。

「お願い! 案して!」

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