《金髪、青目の人エルフに転生!》第五十八話 被害狀況は・・・?

な、何故?! どうして生きているんだ!

「殘念だったねー。私は天使だから、飛んで避けたよー」

んな、馬鹿な! 相當広くとったのに……。あれを短時間で避けるなんて。どうやったの……?

「じゃ、次は私の番ね」

私は口を手で押さえて蹲った。また……。これって……。

「そういう、類たぐいのものなんですね」

やっぱそうだよね、って、ええ?! この聲、まさか!

「あら、さっきの緑髪悪魔。まさか戻ってくるとはな……」

ジェイド……。私のために、出てきてくれたの……? 天使、苦手なのに? ごめん……。でも、ありがとう。

「落ち著いて。大丈夫ですよ……。ほら、ね?」

うん、平気。大丈夫。ジェイドは味方だもの……。

「天使と悪魔は紙一重。悪魔わたしらは神にダメージを與えますから、天使もそうなのでしょう?」

「そうそう! で、ストレスとして殘すのさ!」

そういうこと……。じゃあ、落ち著いて。大丈夫、もうペースに乗らない!

神にってことは、絶対に怖がらない。普通に、いつもどおり……。

よし。得意技で行こう。無理に神級撃つ必要はないのだから。赤石弾ルビーブレッド!

「赤石弾ルビーブレッドォ? そんな超上級魔法なんかで、私を殺せるとでも?」

ふ、ふふ。大丈夫よ! 私の赤石弾ルビーブレッド、どうやら緑石弾エメラルドブレッドより強いから!

大天使アークエンジェルは、私の赤石弾ルビーブレッドを軽く見て防魔法で弾こうとした。

殘念ながら、そんなのまるで効かない。それを見ると目を見開いて、でももう遅い。大きく吹き飛ばされる。

でも、まだ! ここで神級! 大滝キャタラクト! 絶対に外さない!

……。ちょ、ちょっとやりすぎちゃったかな。さて、どうなった?

「ソ、ソフィア様……? 人、殺せないんじゃ……」

「え、人じゃないもの。天使でしょ?」

ジェイドは驚いたような顔をして、それからそっと笑った。

「違いますよ。ソフィア様の大切なものを奪う人、だからでしょう?」

! そうだった! ほかのみんなが……!

「探しに行く!」

「わ、私も行きます!」

「うっ、げほっ……。ソフィア、さまぁ……」

「ル、ルアンナ! 大丈夫?」

私は傷だらけで橫たわるルアンナに回復魔法をかけて起こしてやった。

周りの盜賊シーフが泣きそうな顔で私を見ていたんだけど、ルアンナが生きているのを確認すると、ホッとしたような表をした。

ルアンナは小さく微笑むと、フッと姿を消した。まあ、帰ったのだろう。

にしても、ここは特訓場のすぐそば。巻き込まなくてよかったぁ……。

「あ、フェリオスとヴェリは、私が見つけて送っておきました。殘りはレオンとサウルと……」

「インディゴ……!」

私は走り出した。インディゴ、天使に相當の恐怖を持っているはず。怯えてたら……!

「ああ! ソフィアさまぁー! 待って下さいよ!」

小さな泣き聲が聞こえた気がして、私はそちらに足を進めた。

「だ、誰かいるの?」

「ソフィア様! ちょっと、こっち來て!」

レオンの聲だ。私はその慌てた聲に驚いて走っていった。

「どうしたの?」

「インディゴが……。さっき、僕庇って、怪我しちゃって……」

確かに、インディゴの足は真っ赤に染まっている。矢が當たったのか、そんな怪我に見えた。

「慌ててインディゴ、矢を抜いちゃって。あぁ、よかったぁ。できる?」

私は上回復アドヴァンストヒールをかけてあげた。インディゴの表が和らいだのを見て、レオンはホッとしたようだった。

だって、泣いていたのは怪我したインディゴじゃなくて、レオンだし……。

「ねぇ、サウル見てない?」

「サウル……? ごめん、手伝えないや」

そっか……。もう戻ってるかもしれないし、一度帰ってみようか。

それに、居殘り組に私が帰るまでくな、って言っちゃったし。

「ソフィア様! 大丈夫でしたか?」

「うん。サウルは? 見てない?」

「さっき、真っ赤で戻ってきまして……。アラーナと寢てますよ」

ふぅ。これで揃った。一般の怪我人は、全て寮の前にいたから、超上級で回復させておいた。他の人は寮で震えてたみたい。それはジェイドが回ってくれた。全員が外に出てなくてよかったぁ……。

「アラーナたち見てきたいな。どこにいる?」

「隣だよ。いってらっしゃい」

アラーナとサウルは起きていた。二人は何か話しているようだけど……。

「アラーナ、サウル。大丈夫?」

「ソフィア様。大丈夫だよ。ありがとう。ちょっとびっくりしたけどね」

サウルは苦笑いして言った。痛いところはないみたい。

「でも、アラーナは魔力切れでちょっとね」

魔力切れ、あんまり嬉しくないよね。頭痛だの、目眩だの。

「大丈夫。よくあるし。し寢て、良くなった」

あぁ。よかったぁ……。犠牲者0。怪我人も、まあ、一応回復させたから、今は、0でいいだろう。

もう、離れないようにしよう。いつでも、攻めてきても、いいように。

「それより、ソフィア様、大丈夫ですか?」

「うん。ちょっとびっくりしちゃったけどねぇ……。帰ってきたら地獄みたいで……」

「それは……。うん、大天使アークエンジェルってだけで、みんな怯えちゃって、まともに戦えなかったんだ」

やっぱり。でも、なんで……? トレアに聞いてみようかな……。

あぁ、眠くなっちゃったよ。やっぱ、開放もしたし、ちょっと疲れちゃったかな。

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