《金髪、青目の人エルフに転生!》第五十九話 インディゴって・・・。

「え? あ、あれ?」

此処、何処? ベッドに寢ているのはわかる。でも……。私の家じゃない。病院でもない。此処は?

「ってか、何してたんだっけ……?」

私は、今日一日の行をゆっくりと思い返す。

…………。そうだ。今日は一応インディゴに會っておこうと思ったんだ。そこから記憶はない。

「あ、起きましたか。驚きましたよ。そこの廊下に倒れててるから」

……! インディゴ。ってことは、ここ、インディゴの部屋?! ちょ、どうしよう!

「部屋出たら、の子が倒れてて。こんなところに人來るの珍しいなって思ってたら、ソフィア様で」

どうやら、昨日の疲労が殘っていたようで。あぁ、けないなあ。

「で、何の用だったんです? こっち、私の部屋とスカーレットの部屋だけですよ」

「あ……。インディゴ、天使、苦手だって聞いてたから、大丈夫かな、って」

「ふぅ。なんだ。知ってたんですか?」

私はドキっとした。その聲がし冷たい気がしたから。怒らせちゃったかな……。

「たしかに、怖かった。でも、それ以上に、レオン様を守らなきゃって。だから、あまり……」

「そうか。なら良かったぁ。怖がってたら、どうしようかって思っちゃった」

すると、インディゴは意外そうな顔をしてそれから真面目な顔で言う。

「あのですねぇ。良くないです。どうするんです、こんなところで倒れて、私が通ったからよかったですけど」

あうっ! うぅ……。確かに……。で、でも、そんなに疲れたじなかったんだけどなぁ……。

「やっぱり、無理しなければよかったんですよ。殺さなければ……」

……ん? え、あ、そういうこと? もしかして……。

「まだ、人殺すの、怖いんですね」

…………。あ、そうか。大丈夫だと思ってたんだけど。意外と気がつかないところで……。

「大丈夫ですよ。直さなくても。それとも、殺したいですか?」

「ううん、そういうわけじゃないよ」

ほら、だってさ……。

私はイメージする。森を破壊するところを。……いける気がする。

私はイメージする。世界を破壊するところを。……今じゃなければ、いける気がしてしまう。

「うん、私、勇者だから、人を守る。そのために、この能力はあるのだし」

「ソフィア様がそれでいいなら、いいのではないですか? ま、敵は殺さないとかもしれないですが」

だって……。殺人は犯罪だったから。ちょっとね……。それに、私が死んだら、母が悲しむのと同じで、誰だって、悲しむ人がいるはずだって思ったら……。

は魔力から生まれる。だから、家族構も何もない。悲しむもない。それなら、殺せる。

でも、人間は、親がいて、兄弟姉妹がいて、友達がいて、仲間がいる。それが、たとえ、遠く離れていても、目の前にいたとしても、もう、この世にはいなくても……。悲しいことに、変わりはないよね……?

そう思うと、怖くて、悲しくて。

だって、私だって、ジェイドとか、クララとか、ルアンナとかが死んだら立ち直れそうもない。マリンとか、両親でも、絶対ダメだと思う。

「ふふ……。こういう世界だから、仕方ないけどね……」

インディゴはし悲しそうな顔をしたけれど、そっと笑って「でも、慣れですよ」と言った。

「あぁ、そうか。スカーレットも、ジェイドも、ある程度喋ったんだっけ。私から言えばよかったですね」

「あ、ごめん。でも、知って良かったよ。私、自分の出來る限り、みんなを助けたいから」

インディゴは背中をばして言った。

「じゃあ、そこは省いて。アンカが亡くなるまで、正確には、大天使アークエンジェルと會うまで、私も殺せなかったですよ」

「……? そう、なの?」

「ええ。あの大天使アークエンジェルと會ってから、ブランシュは絶対守らなきゃって思って、平気になりましたけどね」

インディゴはコップに水をれつつ言った。それから、コップを私に渡した。

、乾いてない?」

「あ、ありがとう。水魔法?」

「おいしい水を出す、水魔法。変わってるだろ?」

「とっても」

私はその水を飲んだ。いやいや、ま、まあ味しいけど、なんだこれ?!

「ちょっと、これ、いじめ? 水とか噓じゃない。と、明なお茶?」

「ははっ! スカーレットは吹き出したぞ。あれはおかしかった」

えー。なんか、知ってるインディゴじゃないな。人見知り? 相當仲良くならないといけないのかな。

にしても、これ、どんな魔法? 明なお茶って……。味濃いし、びっくりする。

「まあ、元はブランシュにやられたんだけどな。アンカと一緒に。紅茶って言ってコーヒー飲まされたから。大笑いされてさぁ……。で、次にはもっとアレンジしてやった」

……。えっと、隨分アレンジしたね? 全然違うものになってるじゃない!

「仕方ないだろ! 俺たち、壽命ないから、いろいろ飽きるんだよ。面白いこと覚えたと思わないか?」

ひぃ! なんて楽しそうな目……。のうえにニヤッとしてて。でも、こっちのほうがいいよ。楽しそうでね。

「じゃあ、私、帰るね。いつまでもここにいちゃ迷だろうし」

「はは。じゃ、また來ていいから。次はどんないたずらがいいだろうな?」

うっ……。今度はかからないぞ……。

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