《金髪、青目の人エルフに転生!》第六十六話 外に行くと
日記をつけましょう。と思い立った。冒険日記。
ってことで、昨日、ギルドから帰る前に文房屋に寄ってノートを買ってきた。
「ねー、ジェイドー。今日、何日だっけー?」
「四月三十日ですよー」
うわぁ?! まじで?! 外出たくなかったのに!
「ジェイド! 外行こう!」
「な?! 今日は出ないって言いませんでしたか?!」
言ったけど……。リリアーナたちはもう行っちゃったし。
「いいから! あぁ、でも、目立ちたくないんだよなぁ……」
「じゃあ、ちょっと待ってください。はい、これ著て。私、外で待ってますね」
ん……? え、どういうこと?
「さ、行きましょう?」
「う、うん。これ、は?」
薄めのTシャツ、剣士のようなズボン。その上に黒いフードのついたロングコート。これ、ローブと同じ布? 魔力量が変わらない。
「ああ、違います。髪をポニーに結って、うえ上げて、その上からフード……。ね、男の子に見えるでしょう?」
フードは顔も隠れるし、コートは男のよう。確かに、私にはまず見えないだろう。
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「スカーレットと、桃魔法ピンクローブの人に作ってもらったんです」
ジェイドはかるく微笑んで「喋っちゃダメですよ」と言った。
「で、どこに行きたいんですか?」
「武屋、かな。エルフのものと、多は違う?」
「? まあ、そうでしょうね」
まあいいか。見てみれば分かる事だし。
「いらっしゃいませー」」
店員は気がついていない様子。大丈夫そうだ。
店にると、ジェイドがかがんで小聲で聞いた。
「何買いに來たんです?」
「今日、アラーナの誕生日なの。小さい、攜帯用の杖なんかがいいかなって」
は、紫かな。回復はだいたい紫って聞いたし。それに、アラーナの魔力のは青紫。
攜帯用、とはいえ、しっかりしている、能そのまま、ちいさくしたみたいな、そんな杖は……。これかな。
今日でアラーナは18なはず。六の倍數、だよね。ちゃんとしたのをあげたい。そのために、多めにお金持ってきたんだから。
「じゃあ、ジェイド、あとよろしくね?」
杖とお金を渡して、私はジェイドの後ろについた。
「あ、誰か戦ってるみたいですね」
大きな広場に、人だかりができている。背の低い私には、周りの人で狀況が見えない。
すると、ジェイドが私を抱きかかえて、見えるようにしてくれた。
一人は、魔法使いのようだ。でも、もう魔力はなそうだなぁ。
もうひとりは、剣士。それも、自分の長よりも大きいような大きな剣を……。長だって高いし。
剣士は、スカーレットみたいな、燃えるような真っ赤な髪をしていた。エルフではない。エルフの髪はが薄いから。それに、エルフはそんなに大きな剣は持てないだろう。
でも、悪魔ではないね。羽も、牙もない。
「人間、ですよね。ソフィア様は、人間、珍しいですか?」
「うん。でも、ここ、もう森出てるから、人間の場所よね」
エルフの森の隣は、人間の場所。ここのほとんどは人間だろう。
なんて言っているあいだに、剣士の大きな剣は、魔法使いの首にぴたっと付けられていた。
歓聲が上がり、剣士はそっと剣を鞘に収める。
「なんか、かっこいい、ね」
「なっ! あれくらい、私だってできますよ!」
あ、私が彼を褒めたのが面白くなかったよう。別に、そう言う意味じゃ……。
大歓聲に包まれる中、その剣士はジェイドに目をつけた。
「私はレイフ。お前は?」
その聲に気づいた人々の視線は、ジェイドに釘付けになった。殘念ながら、ジェイドはあからさまに嫌そうな顔をする。
けれど、基本的に真面目はジェイドは、凄く嫌そうにしながらも、自らの名前を口にする。
「えっと……。ジェイド、です」
「ほう、名前があるということは、誰か、主がいるのだな?」
ジェイドがさも困ったような目で私を見た。私はもう地面にいるから、見上げないと顔は見えないのだけれど。
他の人に聞こえない様に。ジェイドは私にそっと顔を近づけて言う。
「どうします? 戦いたいみたいですよ」
「どうって……。知らないけど、これじゃ、問答無用、ってじじゃない?」
「ふふ、この人なら、本気で打てるんじゃないですか? さ、頑張って」
え、私? ジェイドは私の背中をとんと押した。
仕方なく私はアラーナへのプレゼントをジェイドに手渡して、レイフを見る。
「年。お前が相手するのか?」
あまりに舐めたような目が、気にらない! 目立ちたくないなど、とうに吹っ飛んでいた。
魔法使いにとって、目はとても大切だ。目だけで、魔法を使うことだってできるから。
二秒ほど目を閉じ、大きく開く! 私の出した指示はたった一つ。魔力開放!!
今まで、一気に魔力を解放すると、必ず、暫くの間、反でけなくなっていた。
でも、ずっとそれでは困るから、しずつ練習しようといっていたのだ。
ただ、想定外。魔力を解放すると、衝撃で大きな風が吹く。つまり、フードが……。
「ほう、だったか。それに、魔法使い」
観衆がざわめく。私に気がついた者だろう。その中で、ジェイドはし笑っているように見えた。絶対、面白がってる。
「ジェイド、これ、私にはいらないよ」
腰に差していた飾りの重い剣をジェイドに放り投げ、私は袖をしまくって手を出す。
當然、私に剣は必要ない。魔法使いなんだから。レイフにも、魔法で勝ってあげる。
「あなたなら、多本気出しても壊れなさそう」
「それはこっちのセリフだがな」
私は魔力を丁寧に手に集める。さ、人間の力、どれほどかな?
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