《金髪、青目の人エルフに転生!》第六十七話 レイフとの戦い
目で指示するのは、とても強い魔法使いが簡単なものを出來る程度。
しかも得意不得意もあるそうで、そう簡単なものではないらしい……
私は適當に決まった審判役の人が開始の合図を出すのをじっと待つ。力を抜いて。
目は軽く閉じて、周りの魔力を自分に集めて……。
スタートの合図とともに私は空に手のひらを向ける。雹ヘイル。一瞬にして場の気溫が下がる。
「! 無詠唱、か。何者だ?」
レイフはそう呟いたが、私はレイフの剣に釘付けだった。
「火の、剣……? なるほど」
あれでは雹ヘイルは當たらない。溶けてしまうから。火を纏わせた剣。
私の方だと見ないけど、このあたりだと魔法対応の武は多いようで。さっきの武屋にもたくさんあった。あれなら、魔法を纏わせてもある程度は持つ。
取り敢えず、相手が炎なら水で行くか。レイフの頭のあたりから足のあたりまでさっと手をかす。滝ウォーターウォール!
ふわりと飛ぶように後ろに下がった彼。やっぱ、この程度じゃ當たらないわね。
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観衆は食いるように見てるけど、ジェイドは私にそっとウインク。わかったよ。「本気出してもいいよ」だね。
遊んでいるのは、ジェイドにバレてる。當然、レイフにも。でも、わかってるよ。レイフだって、遊んでるもの。
「本気、出してみようか?」
私は問うと、彼は小さく笑って答える。
「なら、俺も本気で行くとしよう」
私は、ジェイドがポニーテールに結った、腰まである金髪を軽くで、れを直す。
さ、本気で行こうか。魔力を自分の思い通りにかす……。
レイフの大きな剣は、離れていてもだいぶ屆く。
うーん、距離を置かないと一発でやられそう……。マティスとの戦いを思い出すなぁ。
そんなこと考えている間にも思いっきり攻めてきてるし。
どうなってるの? 舞を踴るかのように大きな剣をしく振り回す。戦いとは思えない……。
當たったらアウトだろうから、私はできるだけ避けることに専念。その間に魔力を集中。大きく、大きく……。
出來ることなら、剣を砕きたい。けど、そんなことしたら大問題に発展しそうだ。だから、絶対に剣はダメだろう。
地獄草ヘルプラントをそっとレイフの後ろに呼び出した。そんな簡単には捕まらないだろうけど。
案の定ふわっと避ける。うーん、何者? こんな剣持って、このき……。
でも、距離は開いた! 滝ウォーターウォールの時と同じようにして、大滝キャタラクト!
當たった、とは思ったのだけれど……。というか、當たっているのだ。なのに……。
「なんで、効かないの……?」
神級魔法にあたって平然といられるなんて、聞いたこともない。一、どういうこと?
考えられるのは、來ている鎧か。
もしくは、バリア魔法かもしれないけれど、そんな魔力はじない。それに。
剣の火だけは消えたね。
「私だって、本気なんだから!」
ドン、と大きな衝撃が走る。私の魔力が大きくなるのがわかる。っていうか、観衆は何人か吹き飛ばされたけど、大丈夫?
ま、彼らが鍛えてない、っていうのは丸分かりだ。エルフと違って、こっちはあんまり戦闘練習しないのかな。
「絶対、負けないよ?」
「どうだかな。それより、行くぞ」
大きな剣の一振りを、暴風ストーミーウィンドも使って後ろに避ける。手を左から右へ。猛火ローリングフレイム!
あ、やばっ! 周りに人がいたのを忘れてた! まあ、もう仕方ないけど。死海デススィー!
5200も使っちゃったや。これ、ちょっと苦しいな……。
だって、割と普通に立ってるし。なんでだよ……。こんなの、私に勝ち目はないよ。
「これは痛いな……。死海デススィー。毒がっている」
ん? ……忘れてた?! みんな大丈夫?! って、もうとっくにみんな遠くに避難してたみたい。
今度、レイフの剣に纏った魔力は雷。當たりたくないな……。いつかのジェイドのことを思い出す。あの雷、ほんと痛かったんだから……。
剣、長いんだよね。結構屆くから、避けるの大変だし、それに……。
「きゃああ?! 今、ええ?!」
剣の先から魔法が! サンダースラッシュってじ? 攻撃パターンが多すぎて、どれがメインの攻撃なのかわかんない!
大きく吹き飛ばされるのは、何度目だろうね? 練習でもさんざん吹き飛ばされた。
でも、今はバリアが張ってある上、即席土壁アースウォールで軽減させた。それに、攻撃力自も、サウルたちの方が強そう。大したことはない、はず。
ん? ビリビリする。何故か、そこにとどまる電気のようだ。お祓い系の魔法で効く? 試してみるか。
効いたみたい。なんか、よくわからないけど。一応消えた。
「ほう……。終わりのつもりだったが」
「ばぁか。私、そんなに弱くはないのよ」
どうやら、一番強い攻撃だったようで、困ったような顔をするレイフ。じゃ、私の番だね。
さっきから何度も撃っている大滝キャタラクト! 避けるのは分かっている。手のきで、そろそろわかるでしょ?
ということで。避けた先に手を向ける。赤石弾ルビーブレッド! 私の大の得意技。
もちろん當てたらいけないだろうから、ね。
でも、寸止めのつもりだったんだけど、遅かったかも。あ、兜が割れた。ごめんなさい。
おかしいな。やっぱ、疲れてるからかな。普段なら、ぴた、って止められるのに。
「ふぅ……。これでいいわね? あーもう、疲れたぁ……」
くるりを背を向け、フードをかぶる。
と、レイフに呼び止められた。
「名前くらい、名乗ってくれないか?」
あ、それ、一番ダメなやつ。どうしようかな。
「えっと、ソラだよ。また、いつか會えたらいいね」
間違ってはいない。私は蒼空だから。流石に本名はまずいだろうし。
ジェイドが走ってくるのが見えたので、私は止まってそれを待つ。心配そうに此方を見つめるジェイド。なんてしい顔してるんだ。一瞬、ドキッてしちゃったよ。
「ソフィア様……。大丈夫、ですか?」
「ごめん、ダメみたい。歩ける気がしない。ねえ、それ、アラーナに送っておいてくれない?」
「わかりました。じゃあ、帰りましょうか」
小さく微笑み、スムーズなきで私を抱きかかえる。
し、照れた様に頬を染めたジェイドがなんとも言えないくらい可い。今日は邪魔する人もいないし。
「ちょっと待ちなさい、ジェイドさん。なにソフィをお姫様抱っこしてるんだい?」
え? エベリナ……。リリアーナに、マリアも……。
ってことは、見てたの……?
「え、あ、その……。うわああ!」
「ちょ、きゃああ?! 投げないでよ!」
この組み合わせでいると、いっつもなにか起こるね。
放り出された私は芝生の上に座り、逃げるジェイドと追いかける三人のを眺めていた。
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8 101久遠
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