《金髪、青目の人エルフに転生!》第七十四話 『ソフィと戦いたい』?
「ソフィ、私たちと戦って?」
「……は?」
いきなりフル裝備のリリアーナたちに言われた。さすがに驚いた。が。練習試合ってことだよね。
「いいよ。じゃあ、外に行こう」
「そこの悪魔、強者と見た! 手合わせ願いたい!」
「……は?」
私たちが街の外に向かっていると、一人の男の人がジェイドに戦いを挑んできた。ジェイドは迷そうな顔を向けている。
「そうねぇ。どうせだから、一緒に外で戦わない?」
「おお! けれていただけるか」
「私、何も言ってないんですが……」
ジェイドの言葉は、誰も聞いてくれなかったようです。
「あなたの名前は? 私はジェイドです」
「ドミニクだ。では、行こうか」
「あ、ちょっとまって」
ジェイドはいつも使っている剣をこっちに投げてよこした。
「それ、萬が一にも折ってしまってはいけませんからね。預かっていてください」
「え? あ、うん。いいの?」
ジェイドは魔法で剣を召喚した。ジェイドの髪と同じ、翡翠。剣が準備出來るんなら、まあ、いいか……?
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確かに、この剣はジェイド、隨分大切にしてるんだ。折ったら大変なことになりそう。そうしたらまた作ってあげるのにな。
「では、はじめ!」
エベリナの合図で始まったが、ドミニクのきにれがあると見えるのは、いつも見ている人が強すぎるせいだろうか?
でも、そんなに弱くはなさそう。でなければジェイドじゃとっくに終わらせてる。
ジェイドは遊んでるみたい。あの時の私を見てたジェイドもこんな気持ちだったかな? 違うのは、ドミニクは本気だってことか?
「なかなかやるな。本気、出してもいいか?」
ドミニクの言葉に、ジェイドはしだけ驚いた様に瞳を大きくした。
「! あ、はい。では、私も」
え?! おかしいな。私の見立てが間違っていた……?
隣のリリアーナ達がポカンとしている。え? と思い、前を見ると。
あ、うん。何も見えないんだが。速すぎるだろ。
ガチッと剣がぶつかって、二人は跳んで距離をとった。
「俺が勝てないとは……。どんな化だよ」
「すみません。あいにく悪魔ですからね」
ドミニクは剣を杖にして寄りかかるように立っている。やっぱ、人間はそんなに長くはけないよね。
でも、ジェイドも……。これは、初めて見る。額に汗が浮かんでる。これは、勝てないことはないだろうけど、ちょっと消耗しすぎるんじゃ……?
「ほら、行くぞ。いつまでる休んでるつもりだ?」
「ハハッ! あなたこそ。私はまだ余裕がありますからね?」
仰向けに倒されたドミニクの顔のすぐ橫に、翡翠の剣が突き刺さった。
「やっぱり、ダメだったか」
「いいえ、私もだいぶ疲れました。素晴らしいと思いますよ」
ジェイドは剣を引き抜き、消した。歩いて私の橫まで來るけど、しよろけた。
座り込んだジェイドは、明らかに、疲れた顔してる。ジェイドと此処までやり合うなんて。ドミニクは何者でしょう?
「ほら、ソフィア様も戦うのでしょう?」
「うん……。大丈夫?」
「ええ。悪魔ですから。人間とは違うんですよ?」
まあ、大丈夫と聞いてダメと答えるような人じゃないけどね。人でもないけど。
ふと前を向くと、リリアーナが大きな紙に書いてある魔法陣を広げて呪文を唱えていた。これを使えば、一定の距離にいる場合、死ぬことはない。それに周りには壁があるから安心だ。しかも距離はだいぶ広い。この前使っていた魔法と違うのは、人にかけるんじゃなくて、場所にかけるってこと。
「ソフィ、準備、出來てる?」
「うん。初めてだね。本気でいかせてもらうから」
私はわざとエベリナからもらった杖をさっきの剣と一緒にジェイドに渡しておいた。エベリナからもらったもの使ったら、私の力じゃないでしょ?
「じゃ、行くよ!」
厄介なマリアの魔法に注意。何が出てくるかわかったもんじゃない。
リリアーナの矢は燃やし盡くすのが一番。ってか、死んでも復活するフィールドにしたから、殺してもいいんだったね。本気で打つよ?
最初にいたマリアの召喚魔法。地面に浮かび上がった魔法陣は土魔法を突き刺して消す。マリアはむっとしたような顔で私を睨みつけた。
エベリナは回復と味方強化や敵弱化。うっかりしてると、ひどい目にあう。それこそ、インディゴの時みたいに。
強化魔法をかけられたリリアーナに弓矢は不必要。総魔力を上げて、魔法攻撃力を上げれば、魔法の弓矢でずっと攻撃してくるからね。
じゃ、エベリナだ! 魔力を集中して、両手を前に出す。吹雪スノウストーム!
「エベリナ、火ファイアで妨害レジストだ!」
「ラジャ! 火炎フレイム!」
え、火炎フレイム?
「って、はああ?!」
私は思わずんだ。だって、私、超上級の吹雪スノウストーム撃ったんだよ?! 相悪いとはいえ、どうして中級の火炎フレイムで、しかも『私の』吹雪スノウストームが妨害レジストできるの?!
「妨害用魔法レジストマジック……?」
「何だ、わかっいたのか」
妨害レジスト専門の魔法の撃ち方というものがある。多分、それだ。そんなの練習してたなんて、聞いてない。
「むぅ……。私の魔法を妨害レジストするとは……」
などと言いつつ、急に撃つのは猛火ローリングフレイム。
「うおっ?! 危ないじゃないか! どんな魔法撃つんだよ!」
「死なないんでしょ? いいじゃない」
私は追い討ちをかける。でもこれは私もちょっとキツイかな? 緑石弾エメラルドブレッド、連!!
「ひぃっ!!」
「勝てない」
マリアがつぶやいたのを聞いて、エベリナはため息をついた。
「無理だろうね。勝目が見えないもん」
「ドミニク、怯えて帰っちゃったねぇ」
「そりゃそうだろ。あんなの見せられたらな」
うん、そうだろう。ちなみに、ジェイドはだいぶ復活してる。ってか、全然戦ったあとってじはない。
そうか、回復が早いっていうのも特徴なのか。これいいなぁ。私もしいよ。凄く疲れた。
「これからも、練習付き合ってくれる?」
「もちろん。斷る理由ないもん。私も練習になるしねー」
リリアーナ達が怯えたように私を見た。
「お手らかにお願いします」
平和の守護者(書籍版タイトル:創世のエブリオット・シード)
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