《金髪、青目の人エルフに転生!》第百三十六話 シナモンの・・・
「うぅ……。もう朝……?」
「ほら、起きて下さいよ? ソ、フィ、ア?」
「はわっ?!」
ジェイドがベッドに座って、そのまま私をお姫様抱っこ。そうだ、今日は、一緒に寢たんだっけ?
もう、結婚してから一カ月。早いものだ。でも、まだ、何もかもが新鮮。知らないことばっかりだ。
「おはよう、ジェイド……」
「まだ寢るつもりですか? 全く……。朝ご飯、いらないんですか?」
「ううん……。ちょっと待って……」
私は起きてジェイドの隣に座った。で、毎朝恒例のアレ。
さぁて、今日も一日頑張りましょう。なにせ、正式に王となって、やる事がたくさんあるんだから。
「ソフィア! 學校の先生が足りないって」
「また? どれだけレルフィアの人口増えたの? 仕方ないなぁ。召喚しておくからし待ってて」
「ソフィアっ! また獣人の國から使者が!」
「えぇ? じゃあ、うーん、あと三十分待って貰って、すぐ行くから」
私の名前が世界に完全に知れ渡ったせいで、余計に仕事が増えた。なにせ、條約を結ぼうとたくさんの使者が來るんだもん。たいてい斷ってるけどね。この國は、結構獨立したじで進んでるし。なんだか、これ以上混ざらない方がいい気がする。
「ソフィア、大丈夫ですか?」
「ジェイド。あ、そうだ、教師が足りないの。何とかなる?」
「分かりました。呼んでおきましょう」
ああもう、なんで急にこうなるの? 忙しい。
一応、一揆的なが起きないように注意してるけど、さすがにレルフィアの外、いや、エルフの森の外まではよく分からない。
と、大慌て、という様子のヴェリが來た。
「ソフィア、今すぐ會いたいって人が」
「えぇ?! 獣人の使者と會うために、メークして髪もやんなきゃいけないのに……」
「まぁ、私も手伝いますから、行ってみましょう?」
「あ、それと、ジェイドも來てだって」
「……。えー、仕方ないですねぇ。ソフィア、行きましょう?」
一応、さっきまで來てたローブをいでドレスを著ることにした。ジェイドと階段を下りていると。
足を踏み外した。
「きゃっ」
「あ、ソフィア。危ないじゃないですか」
ジェイドがひょいっと私を抱きかかえる。本當に軽々。ジェイドって、凄く痩せてるんだけど、どうして、ってくらい強い力持ってるんだ。
ちょっと迷った末、ジェイドはそのまま階段を下りていった。隨分機嫌が良いみたいだから、無理に降ろせ、って言えない。
「いやぁ、仲がよろしい事で」
「あ、ああああ! な、どうしてここに……!」
「? ジェイド……?」
金髪で青い目をした一人のが、私たちを見て笑っていた。ジェイドは誰だかわかったみたいで、凄く驚いてる。誰だろ?
っていうか、なんだか、見た事あるような……。って、ああ!
私じゃないか!
「ソニア、様?」
「お、ソフィアちゃんだっけ? 大せいかーい」
「ど、どうしてここに……?!」
ソニアは、ひょいっと私に何かを渡す。布みたいだけど、重くて、あったかくて……。赤ちゃんみた…………、赤ちゃんじゃん、おい!
「さっき、獣人の使者とか言う人が連れててさ。これ使って取引しようとしてたみたいだから、追い払っちゃった」
「そ、それだけの為に、此処に?」
「いやぁ、実は、私、この子つけてて」
この赤ちゃんを? ソニアがつけてた? 意味が分からない。
けれど、ソニアが意味ありげにウインクするから、私はその子に目を落とす。
獣人だね。犬獣人。耳が生えてる。尾のあるのかな。えぇと、男の子、かな? 魔力の雰囲気的にはね……。
あれ? なんだか、この魔力、見た事あるなぁ。
「ジェイド! この子、シナモンだ!」
「ええええ?!」
「そう。ソフィアちゃんに引き渡したくって。け取ってくれるよね?」
もちろんじゃないか。ああ、嬉しい。ソニア様に謝しないと。
この子が覚えてるはずない。けど、廻して、私の所に戻って來てくれるなんて……。
ソニアは、あと、と口を開く。
「その子さ、雙子の妹がいて。一緒に引き取ってよ」
「え? いいですが……」
「雙子の、妹……」
ジェイドがけ取ったその子も、私はじっと良く見てみる。
この魔力も、見た事あるなぁ。なんだっけ? あんまり好きじゃない魔力だけど……。
「わぁ?! もしかして、アリシアじゃない?!」
「お、よく分かったね。この子たちは、もうすぐ一カ月。まだ本當に赤ちゃん。子育ては、そうだな、ハナとやってごらん」
「あ、あの、もう、行ってしまうんですか? できれば、ここに泊まって、なんて……」
「え、いいの?」
ソニアは驚いたように私を見た。何でだめなのかが分からない、けど……。
「もちろんです。部屋を準備してあげないと。ゆきちゃん!」
私が手を叩きながら言うと、すぐにゆきちゃんが飛んできた。私はゆきちゃんに部屋を一部屋準備するように言う。
「分かりましたわ、ソフィア譲」
「はい、じゃあ、ハナがいたらハナに、居なければ、そうだな、スカーレットに」
「ええ。では」
ゆきちゃんはシナモンと違って上品でいいなぁ。スカートを翻して歩き去っていった。
彼は、私たちが不死になったあの瞬間、なぜか擬態できるようになった。その結果があの、上品なお譲さんです。
ちなみに、それと一緒にアルラウネが大人になった。
「さて。じゃあ、獣人の使者も居なくなったらしいし、もどろっか」
「はい。この子たちも何とかしなければなりません」
「ふふっ。実の子じゃないけど、関係ないよね」
トレア。私は楽しく過ごしているよ。見ていてくれてるかな?
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