扉を開けると、そこに広がっていたのはのどかな農村だった。

王都の喧騒とはかけ離れた靜けさ。優しく降りそそぐ日は畑の作の生命を育み、流れる小川に輝きを與えている。

青い空に浮かぶ、風に流れ行く真っ白な雲。このしい空を隠すような高い建は見當たらない。

……正に田舎。

しかし、それ故に自然が演出する素樸なしさが、そこにあった。

「おお……！まさしくファンタジー世界！」

魔に続いて本日2回目の。

「おっと、見とれてる場合じゃないな。早く❬大神父❭を探さないと……」

神父というのだから教會とかにいるのだろうか？

どこに教會はあるのだろうか？見渡す限り教會っぽい建は見つからない。

「あのー？どうしたんですかー？」

俺が困っている所にこの村の住民であろうが親切に話しかけてくれた。……しかし、このどこかで見たような？どことなく駅で會った白金髪プラチナブロンドの子に似てるような……。

「えーと……❬大神父❭って方に會いに來たんですけど……俺、ここら辺の土地勘が全く無くて……」

「へー！おじいちゃ……じゃなかった。❬大神父❭様に會いにですか！」

ん？今、おじいちゃんって言いかけなかった？まあ、いいや。

「それなら私が案しますよ！」

ありがたい事に教會まで案してくれるらしい。

「はい！ここです！」

案されたのは真っ白な教會。造りは元々俺が居た世界に似ていて、十字架なんかも飾られている。

「あの、案していただいてありがとうございました」

「いえいえ、別にお禮なんて良いですよ！これでも私、修道見習いでして……私も❬大神父❭様に會う予定があったんですよ」

「あ、そうだったんですか。……で、❬大神父❭さんはこの中に？」

「はい！いらっしゃる筈ですよ」

そして、俺は教會の扉をゆっくりと開き中へとる。

まず、俺を迎えれたのは細かい裝飾が施された麗な観。裝飾は派手過ぎず教會の厳かさと共にしさも引き立てている。

その後、教會の雰囲気が押し寄せる。いつもこの村の人々も迎えれるであろう優しい雰囲気。ガラスからる煌めく日がそれを強めている。しかし、それでいて何処か教會という神聖な場所自が纏う厳かな雰囲気もじる。

そして、教會の奧で靜かに神に祈りを捧げている年老いた男の神父が一人。

きっと彼が……❬大神父❭。俺がってきたのに気付いたのだろう。彼はこちらに目を向け何処か乾いた笑みを浮かべ、こう言った。

「おや？初めてじる気配だ。今日はどうしたのかな？新しい信徒？祈りを捧げに？もしくは、神の前で懺悔しに？それとも……この老いぼれの話を聞きたい変わり者かな？」