《拝啓、世界の神々。俺達は変わらず異世界で最強無敵に暮らしてます。》拝啓、俺。今こそ勝利の時。

「あああああっ!!!」

中の魔力が今までにない速度で循環を始める。

じたことのない全能が全を駆け巡る。全から魔力の現である雷が迸り、の末端に至るまで覚が鋭くなっていく。

……まるで自分のが人以上のモノに造り変わっていくかのようだ。

徐々に魔力の循環が自然に減速し始め、やがて完全に止まる。

自分がさっきまでとは全く違うのがわかる。魔力は循環が止まり、と魔力が変貌を遂げていた。

髪のは一部が白へと変わり、強化狀態になっている印の魔力でできた雷を常に・・が纏っている。

「すごいね、その魔力。まるで星霊・・みたいだ」

そんな事を言いながら❬大神父❭さんは今まで以上の突きを繰り出す。

「……」

だが、俺はそれを簡単に弾く。何故なら先にその景が視えていたから。

魔眼が意識しないに自的に発する。いくつもの未來が、さらにそれぞれの先にある未來が同時に脳裏に浮かんでは消えていく。

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もし、この現象が普通の狀態で起こっていたのなら、すぐさま魔力は枯渇し魔眼は限界を超え能力を発できなくなるどころか失明してしまうかもしれない。その上、脳は自らにかかる負擔に耐えきれず焼けきれてしまうだろう。

……ようするに、こんなマネ本來ならば即廃人化コース一直線なのだ。

と、そんな事を考えている間にも何度も❬大神父❭さんの攻撃をけているが、俺はそのこくごとくをけ流し、攻撃に転じることができている。

そして……驚いたのが先程の『天式:始電』が自然に発現することだ。

……俺のじゃないみたいだ。

ふと、そう思った。意識は自分のものでハッキリとしているのに、それに反してが勝手にく。まるで俺のの中に別人がり込んでかされているような……。

「ははッ!ここまで追い付いてくるなんてね?秤君!」

「自分でも驚いてる最中なんですよ!」

❬大神父❭さんの今までの何倍も速く、鋭い攻撃も容易く攻撃に繋げることができる。

これまで俺が❬大神父❭さんに対して優勢のときはいつも❬大神父❭さんの手の上で踴らされている狀態で最後に手痛い反撃を食らうのがオチだった。

ただ……今日は違う。この強化された目で見える未來に俺が負ける未來は無い・・・・・・・・。

そこで、❬大神父❭さんが攻撃のタイミングをズラした。

この瞬間、無限に近い數視えていた未來が

一つを除いてすべて泡の如く全て弾けた。❬大神父❭さんがこの行を取る未來は一つしかない。

それは……❬大神父❭さんが本気の一撃で俺を仕留める未來。

「これ以上やってると本格的に君が戻れなくなる・・・・・・からね。これで終わらせてもらうよ」

初めて戦った時と同じ気迫。あの時はこれだけで負けてしまったが……もう違う。今日こそ勝ってみせる。

「ハァァァァッ!!!」

……來る!

計り知れないほどの威力を包した一撃。まともにけていたのなら俺はおろか後ろにある家にすら衝撃や業風に見舞われ一部が壊れると思えるほどの。

ただ、まともにけていたら、の話だ。もちろん自分の敗北の瞬間を黙って待つはずがない。

相手の攻撃をける構えを取る。

け流し》ではない。《天式:始電》のようになぜか無意識のに使えるようになっていた技でもない。

俺自がグラハムさんとの戦いからこの一週間❬大神父❭さんも誰もいない間一人で特訓して編み出した技。技名は無かったがちょうどいい。《天式:始電》を參考にさせてもらおう。

「《裁式サイシキ:天秤テンビン》」

そこに、音は無かった。吹き荒れる衝撃波も風も何もなく。その攻撃によって生み出されるはずだった力は全て消え失せた。

ただあったのは……そよ風に揺れる草と、俺が❬大神父❭さんを斬った、という事実だけだった。

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