《神眼使いの異世界生活》第37話 ソウマ商売始めるってよ…… 3
ソウマとアルテミスが案されたのはし広めの會食場だった。
「失禮します」
ソウマ達がるといっせいにこちらに視線が向く。中にはし刺さるような視線もある。
「皆さん。お待たせしてすみません。」
シフォルがそう言うと、1人の男の人が前に出てきた。
「いえ、シフォル殿。こちらの方が?」
「そうです。ソウマ君。この人が執事長をしていたクラウスさんだ。」
その人はなかなかつきが良くて何か何かをやっていたように思える。
「初めまして。私はクラウスと言います。」
「あ、初めまして。ソウマです」
すると、ソウマはその後ろにいる人達に向かってこういった。
「皆さん。謝って足りないのは分かっていますが、謝らせてください。俺は皆さんの職を奪ってしまいました。中にはコール公爵を慕っていた人もいるかもしれません。本當に申し訳ございませんでした。」
すると、こんなことを言うとは思ってなかったのか拍子抜けの顔をする人が何人かいる。
「本當に申し訳なかった。謝っても気が済まない人もいるかもしれません。その人は毆ってもらって構いません。俺はよけずにけましょう」
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「…………」
すると、クラウスが話しかけてきた。
「テレフォン様はああ、見えて優しい方でした。自然がすきで、我々にも優しくしてくださいました。確かにあの方はたまに変なことを言って困らせられましたし、理不盡なことを言うこともありました。しかし、それ以上に優しかった。我々も慕っておりました」
「……」
「確かにあなたは我々から職を、主を奪った。しかし、我々はどちらも悪くないと思いました。パーティから帰ってきたテレフォン様はこう言いました。アルテミス王はあの男に脅されているのではないか……と。そして、決闘を挑んだと聞きました。私はもし本當にそうならばこの方は優しいお方だなと思いました。」
「あの人がそんなことを……」
後ろでアルテミスが驚いている。
「しかし、決闘に負けて帰ってきた日にこう言いました。ごめんね。負けちゃったよ。僕は間違っていたのかもしれない。自分の勝手な考えで王とソウマ殿を裂こうとし、挙句の果てに負けて君たちまで失ってしまう……と。我々は驚きました。準備したのが飛竜だったから余計です。」
「テレフォン様は自業自得だったのですよ。とてもかっこ悪い人です。勝手に解釈し、喧嘩を売って負けたのですから。だから、貴方に責任はありません。」
「けど、俺は皆さんの職を……」
「ええ。貴方は我々の職を奪い、主を奪いました。けど、主は王様とソウマ殿の中を引き裂こうとしてソウマ殿を怒らせた。お互い様です。片方は勘違いで、もう片方は婚約者だから。互いに王を守ろうとしてソウマ殿が勝った。それだけなのです。」
「クラウスさん」
「まあ、長くなってしまいましたね。要するに我々は貴方を憎んでいません。テレフォン様は最後に私たちと別れる際にこう言いました。あのソウマ殿なら大切にしてくれるだろう。しっかりと生きてね……と。なのでむしろワクワクしています。新しい主がどのような方なのか。それを見極めるために鋭い視線を向けた者も居るようですが、大丈夫です。」
「皆さん。ありがとうございます」
ソウマはもう一度頭を下げた。
「ソウマ君があそこまで諭されるなんて始めてみるよ」
「私もです。あんなソウマ初めてみる」
「キュウ」
シフォルとアルテミス、ハクは部屋の端の方で敬語を使い、他人に諭されているソウマを見て驚いていた。
「それでは皆さん。これからよろしくお願いします」
「ソウマ様。これからはソウマ様が我々の主。敬語なんて使わないでください」
「そ、そうだな。よろしく頼む」
『はい!』
ソウマが元に戻ったところでシフォルは話を切り出す。
「皆さん。それで、先程ソウマ君と話して決めた事があります。ソウマ君。」
「ああ、皆は今の屋敷に住んでもらおうと思う。しかし、俺はただのSランク冒険者。稼げる金も限られる。確かにテレフォンからは財産を貰ったがそれでも屋敷は広いと聞くし、何年も維持するのは難しい。」
「確かに、私も元は冒険者でしたが、大きな依頼をけないとたくさんのお金はってきません。それに屋敷も広いです。確かに今は多は大丈夫かも知れませんが、いくらソウマ様が依頼をたくさんけても、2、3年が限界でしょうか」
「だろうな。だから、商會を建てることにした。」
「商會……ですか」
「ああ、ここだけの話にしてしいが、俺には商業神の寵がある。それを使えば、商會は一定の金はってくるだろうし、俺も旅をしている。その地方の珍しいものを売れば、そこそこ繁盛はするだろう」
すると、使用人達は寵という言葉に驚いた。
すると、シフォルが聲をかける。
「皆。ソウマ君は々と規格外だから、そんなことを気にしてたら持たなくなるよ。あまり気にしない方がいい。異端者ルールブレイカーだからね」
「余計なことは言わんでいい。まあ、シフォルが言ったように俺は規格外だ。普通の差しで測るな。そんな所で、次の話をするぞ。」
「商會の本部を屋敷に置く。敷地には店員の宿舎、倉庫、それと、いくつか建てたいものがある。それを建てて余った所はまた考えればいいだろ。まあ、簡単に言ってしまえば商會建てるから協力してくれって事だ。頼めるか?」
「ええ、もちろんです。主がそう思うなら我々はそれについて行くだけ。商會が初めてのものもいるかもしれませんが、ちょうど読み書きはほとんど出來ます。全く問題ないかと」
「それはすごいな。それと、奴隷の奴はいるか?」
すると、何人かが手を挙げた。
「よし、奴隷は解放して、普通の店員としてみんなと働いてもらう。その代わり全員には俺のスキルで配下になってもらう。」
奴隷の人達は奴隷解放という言葉を聞き嬉しそうにしていた。
いくら優しくされていたと言っても、奴隷は嫌なようだ。
それに全員配下には賛してくれた。
「それじゃあ、かけるぞ」
「『我が名は鳴神創真。我が名において汝らを解放する。そして、我が名において汝らを配下とする。』」
ソウマが呪文を唱えるとソウマからが出てきて、クラウス達を包んだ。
『支配覇神により奴隷を解放、配下化に功しました。これより、リンクを始めます』
リンクとは寵の影響下に置いて、ソウマの管理とすることだ。また、配下化による、劣化スキルの使用についてだ。
「よし、これで大丈夫だ。クラウス。屋敷の宿舎はまだ殘ってるか?」
「はい。屋敷は何も変えておりません。貴族としての書類などは國に回収されていますが、ほとんど殘ってます」
「なら今日は宿舎で休んでくれ。明日俺達が行く」
「かしこまりました」
「シフォル、アルテミス。これから商業ギルドに行くんだがついてきてくれるか?」
「いいよ。僕がいた方な話は進むだろうし、アルテミス王はソウマ君の婚約者だから一緒に居た方がいいだろうしね」
ソウマはセバスを呼んだ。
「セバスさん。すみません」
「いえ、構いません。陛下からもソウマ殿に協力してやらとのことですし」
「それじゃあ、この人たちを屋敷まで連れていく馬車の手配を頼めますか?」
「わかりました。これから準備します、らしお時間をいただきますね」
「はい。お願いします」
セバスは部屋を出て馬車の手配をしに行った。
「それじゃあ、クラウス。明日また行くから屋敷で待っててくれ」
「かしこまりました。」
「じゃあ、行こうか」
「そうだね」「はい」
ソウマはシフォルとアルテミスを引連れて城を出た。
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