《神眼使いの異世界生活》第51話 意外と深刻でした

ソウマ達は出発してからもうしでジル村へ著くだろうと言う頃ソウマ達は【風海の箱舟】の上からジル村を見ていた。

「あれ?あそこだよな?ジル村って」

「ええ、そうですがどうかしました・・・?ってあ、あれは?!」

「な、なんで!」

フィリップやアルテミスが帰る時に見たジル村は今、家々に火がついていて明らかに異常だった。

「どうして火が回って?!まさか、魔が既に?!」

「カロナさんとフィリップさんは?!」

既にその時ソウマは報収集を始めていた。

「確かに魔はいる・・・いるがこれは・・・」

「どうしたの?ソウマ、それより早く行かないと!」

「もしかしたら考えていたよりもまずいことになってるかもしれないな。魔は50から60程度、村人と思われる人間が30人程度、カロナとシェヘラザードの魔力はちゃんとある。けど二人ともかなり消耗しているみたいだ。そしてそれ以外の人間が100人ほど」

「そ、それ以外の人間?」

「どういうこと?」

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「つまり何かに襲われているってことだろ、急ぐぞ!戦闘準備をしておけ!」

俺は箱舟を加速させてジル村につかせた。

「フィリップとアルテミスは逃げ遅れた人の避難と火の消火を頼む!俺達は中央広場に行く!」

「分かったわ!」

「了解です!」

俺達は二手に分かれるとそれぞれの場所に向かっていった。俺とシュレイは街の中央に向かった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ソーマ達が到著するし前ーーー

「やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

カロナの振り下ろした剣が相手の大剣に止められ、逆に押し飛ばされる。

「ふん、お前ぐらいの実力なら力の差がどれほどなのかわからないわけではないだろう。なぜ、あきらめて逃げ出さない?」

その筋骨隆々の男は大剣を上段から軽く振り下ろし地面に止まる直前で全くの揺れなくぴたりと止める。

「僕はこの村と村の人々を守らなくちゃいけないんだ。それに僕だってBランク冒険者の端くれだ。そう簡単に諦められるか」

それに…とカロナは考える。

(もうしでフィッリプとアルテミスさんが高位の冒険者を連れてきてくれるはずだ。それまで僕が持ちこたえれば…)

シェヘラザードは戦える村人と一緒にそのほかの村人を守っているが、男の部下と魔の數がそこそこ多くてカロナの援護ができる狀況ではなかった。

「なんだ、時間稼ぎでもしてんのか?言っておくが俺は今ではこんなことをしているが、昔はSラランク冒険者で【山斷ち】って二つ名をつけられた男だぞ。」

「【山斷ち】?……聞いたことがある…【山斷ち】のエルヴィン。ほどある大剣を軽く振りまわし、遠くの山を切り裂いたことからつけられた異名。しかし、ギルドの規約違反を犯すだけじゃなく、國家反逆の罪まで犯し、現在も指名手配されている犯罪者。」

「ほほう、俺のことを知っているとはよく勉強してるじゃねえか。」

「もちろんですよ。それを教えてくれたのは僕の師匠ですからね。師匠はあなたのことを殘念がってましたよ」

エルヴィンはカロナの言葉にピクリとまゆをかして反応した。

「お前の師匠ってのはまさか……」

「ええ、現役のころあなたと共にパーティを組んでいたシフォル師匠です」

「………くふっ、くははははははははははははっ!!!これは驚いたあいつの弟子がお前だとは!これも何かの縁かなぁ…なあ、もしさ。自分が送り出したかわいいかわいい弟子たちが見るも無様な姿になって帰ってきたら、あいつはどんな顔をするかな、どんな気持ちになるかなぁ!!」

「っっ!!!!」

エルヴィンの憎しみと歓喜に歪んだその顔にカロナは息を飲む。

「よし、決めたぞ。久しぶりに王都に行くか。ついでにシフォルの所に顔を出すか。もちろん死んだお前たちという土産を持ってな!」

「くっ!」

それからは一方的な戦いが続いた。それでもカロナはよく戦った方だった。

しかし、片腕は千切れ、もう片方の腕はあらぬ方向に曲がりくねり、魔力は底をつき、剣を持つこともできず、意識が朦朧としていたが、なんとか地を足で踏みしめ立っていた。

「ちっ…意外としぶとかったな。それでも次で終わりだ。すぐに楽にしてやるぜ。恨むならお前をここに派遣した師匠を恨むんだな。」

エルヴィンが大上段から全力で振り下ろそうとしたその時!!!!

「てめぇ!何してやがる!!」

ソーマがエルヴィンに飛び蹴りを食らわせた。エルヴィンは家に派手に突っ込んだ。

ソーマに遅れてシュレイが空から飛び降りてくる。

「ソーマよ、それよりも早くこの小僧を手當てしてやらんと死んでしまうぞ!」

「ああ!おい!カロナ!しっかりしろ!」

「ソーマ…さん…よかっ…た。間に合ったんですね…」

「ああ!それよりも意識をしっかりと保てよ。すぐに直してやるからな。」

ソーマはカロナにパーフェクトヒールをかけると直ぐにカロナの両腕は完全に回復し、全におっていた傷も治っていた。

「うっ·····はっ!ぼ、僕は·····助かったんですか?」

「ああ、回復魔法をかけたからな。それよりもどうしてこんなことに?」

ソーマはことの事を聞く。

「ってことはあいつはシフォルの元仲間って訳か。全く、シフォルに相手させてぇところだが、ここにいないやつ事を行っても意味がないな。カロナ、お前はここで休んでろ。あとは俺がやる。」

「すみません、お願いします」

ソーマはカロナから離れ、シュレイに話しかける。

「シュレイ、申し訳ないが、カロナを安全な所まで運んでやってくれ。そのあとはアルテミス達と一緒に村人を助けてくれると助かる。」

「わかった。ソーマは1人で大丈夫なのじゃな?」

「もちろんだ。秒で終わらせてやるよ。」

「それでは向こうで待っておるぞ」

「いいから早く行けよ。」

「うむ」

シュレイはカロナを擔いで走っていった。

「さて、まさか死んじゃいねぇよな?」

「當たり前だ。それにしてもどこの誰だか知らんがこの俺を秒で仕留めるとはよく言えたものだな。あのガキに俺が誰だか聞いただろう?」

「もちろん聞いたさ。元Sランク冒険者のエルヴィンとかいうやつだろ。2つ名が【山斷ち】とかSランクなら誰でも出來そうな名前を貰った可哀想な奴だ。それとお前は1分と言ったが、違う。10秒だ」

「なに?」

「分からないか?お前を倒すのに10秒で十分だと言っているんだ。」

「なめてくれるじゃねぇか·····その油斷、後で後悔しても知らねぇぞ!」

エルヴィンは大剣をもち、ソーマに切りかかろうとするが·····

「遅すぎるんだよ」

エルヴィンが1歩踏み出した瞬間ソーマは既にエルヴィンの懐にり込み左肩を蹴りあげる。

「がァァァァァァっっ?!?!」

その一撃でエルヴィンの肩は元から砕け、使いにならなくなった。

「次だ!」

エルヴィンに休む暇も與えずに次は右肩を潰す。次に両膝、大骨、背骨を砕き、エルヴィンは痛みに耐えきれずに気絶した。

「よし、ピッタリ10秒。目標達だな」

『あの相手に10秒は長い気もしますが』

「いいんだよ。相手に何をされてるか認識できずに気絶するよりも何をされてるか分かりながら気絶する方が怖いだろ?」

『さすがマスターは鬼畜です』

「別に鬼畜のつもりはないんだがな。それよりもアルテミス達のところに戻るか」

ソーマはエルヴィンの砕けた足を引きずりながら、村人が避難している所へ向かった。

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