《能無し刻印使いの最強魔〜とある魔師は來世の世界を哀れみ生きる〜》EP.5 魔師は生活してみる
あの後、痛々しい詠唱を永遠と聞きながらレオが薪に変えたを集め続け、そして家に帰って來た。
「いやー、今日はし頑張りすぎたな〜!」
「勘弁しろ。これかなり重いんだぞ?」
噓だ。薪が地面に落ちた時、集めるためバレないように風魔を使っていたら覚が戻ったらしく、星寶魔のうちの一つ、重力魔で薪の重さをゼロにしている。
「まぁそう言うな。クルシュの年頃は鍛錬も必要だぞ?」
「余計なお世話だ」
薪を外に置いて再び2階の書斎に向かう。午前中の2時間は魔導書ばかり呼んでいたがここには歴史などの本も沢山ある。ここの知識をしにつけておくのも自分のためだろう。............それにしても、やはり窓がひとつというのは暑い。今は仮にも夏だ、換気するだけでは熱中癥になってしまう。窓を締切り、ドアも閉めた。これからとある魔を使う。
『凍結魔、急速展開』
『範囲、部屋全』
『威力、低度』
『急冷凍フリージア起』
一瞬にして冷気が発生し、いいじに部屋全を冷やす。
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俺が今使ったのは星寶魔のうちの一つ、改造魔で作り上げた俺だけの魔、凍結魔だ。何となく気分で作ったものがこんな所で役に立つとは思わなかった。さて、涼しい環境で読書をするとしよう。
◇
そこから4時間、本を読み漁った。歴史などは大方把握したがやはり魔法理論などは見ていられなかった。最も、読み続けていると俺の神が持たない。
「クルシュ、夕飯の時間だ!」
「さて、行くとするか」
本を元に戻し1階に降りると既に用意されていた。夜はシチューとパンらしい。やはり口に運ぶと味かった。
「レオの料理は本當に味いな」
「それを聞くのは2度目だぞ」
「それほどの出來だということだ」
それから風呂の時間になり、俺が先にった。浴槽は木で作られており腐敗などが一切していないことから、よく気が使われていると心した。
暖爐の前で涼しい格好をして頭を拭いていると、タオルを両肩にかけてでレオが上がってきた。
「今日もいい湯だった」
「そうか、それは何よりだ。...........で、レオ。見ず知らずの年の前で無闇にを曬す癖があるのか?」
「君にを曬したところで別に失うものは無い。なんならもっと見てもいいんだぞ?」
「.........さっさと服を著ろ」
俺が言いたかったことはし違うのだが、煽ってくるなら無視が一番だ。 は子供でも意識と思考回路は大人だ、ここで襲って、焦る姿を見てもよかったが、さすがに初日にしてそれをやるのはどこかお門違いだ。
就寢時間になった。結果的に言うと俺はレオと同じベッドで寢ることとなってしまった。ソファで寢ると何度も言ったのだが、最終的に強引に引っ張られて連れて行かれてしまった。俺は非力なのだ、何せ子供なのだから。
◇
翌朝、起きてみるともう既にレオの姿はなかった。レオが俺を抱き枕にして部に包まれていたため寢ることが出來なくなり寢不足だ。欠をしながら一階に下りると「仕事に行ってくる。朝食、晝食は作り置きしてあるからそれを食べるといい」という書き置きとともにパンとコーンポタージュと牛が置いてあった。
レオの仕事はなんなのだろうか、帰ってきたら聞いてみるとしよう。
俺はコーンポータージュを口に運びながらパンを食べる。うん、味い。
俺はその後晝までやはり書斎にひきこもり本を読んでいた。その後晝食を炎魔で適量に溫め食べた。
しかし本ばかりでは面白くない、し運するとしよう。
「............さて、いきなりだな」
「グォォォォォォ!!」
軽く運しようと森にったら昨日レオを追い込んでいた熊型の魔獣と出會った。どこかの謡でこんな狀況に似た歌詞を聞いたことがあるがそんな呑気なことも言っていられない。ある日、森の中、熊(魔獣)に、出會った、だな。
「グォォ!」
「見え見えだ」
振り上げた巨腕に合わせて星寶魔の一つである製造魔を起して鉄の剣を作り出す。今回はそれだけじゃない、同時に発させていた製法魔の一つである付與魔で《屬付與 : 風》を剣に付與している。
魔力を流し魔獣が振り下ろすのに合わせて剣を無造作に振ると、剣から出現した風の刃が熊型の魔獣の腕を切り落とした。
「ギャア!?」
「これで終わりだ」
揺している魔獣の首を一閃、勢いが余り過ぎて後ろにあった丸太數本も風の刃で一緒に倒してしまった。
やれやれ、し運しようと思っただけなのだがな。まぁいい、今日は熊鍋だ。
とりあえず魔獣を丁寧に解して、凍結魔で凍らせ家に持ち帰った。ちなみに剣は消去魔法で消しておいた。これも星寶魔の1つだ。
どうやら俺は思ったよりも森の奧深くにっていたらしく、家に著く頃には既にレオが帰ってきていた。
「おかえり、クルシュ。まさか私の方が先に家にいるなんてな」
「ただいま、し運をしてきたからな」
「ところで、そのは?」
「これか?これは運の途中で邪魔してきた魔獣のだ。今日は熊鍋にしよう」
なんだ?その表は。まるで俺が信じられない、みたいな表じゃないか。
「クルシュ、森に行ったのか?」
「ああ、軽く運するつもりでったら奧深くまで行っていたらしくてな、ちょうどそこにいた魔獣を狩った」
「.............いや、まぁお前の強さなら言うことは無いんだが、一応言っておこう。クルシュ、森は危険なんだ、魔獣がいくらでも住み著いているからな」
「そうか、まぁ肝に銘じておこう。でだ、レオ。今日は熊鍋で頼む」
「いいぞ、を寄越してくれ、できるまでは自由だ」
俺は椅子に腰掛け料理ができる間屆いていた夕刊を見ることにした。報収集は大切だからな。
「ところでレオ、仕事は朝早いみたいだが何をしているんだ?」
「突然だが、クルシュはリンドハイム王國は知っているか?」
「ああ、確か人族最大の王都らしいな」
「そうだ。私はそこで騎士をやっている」
クルシュが料理をしながら答えた。
へぇ、なるほどな。どうりで筋が引き締まっていると思ったら騎士をやっていたのか。
話によると、リンドハイム王國はここから西方の位置にあるらしく、毎日朝早くに出て王都へ向かっているのだとか。
「不便じゃないか?なんでここから仕事へ行くんだ?」
「私は都會より田舎の方が好きでな、自然かなここを選んだのだ。別に後悔も不便だとも思ってないぞ、自分からんでここにいるのだからな」
「そうか」
短くそう言って再び視線を新聞に落とす。と、どうやらレオの方は既に料理が出來上がっていたらしく、機にそれを運んで俺の対面で頬杖をついてニコニコと俺を見つめていた。
「.........なにか俺の顔についているか?」
「いや、私がここにいたい理由がもうひとつ出來た」
「出來た?」
「ああ。クルシュ、君がいる。君がここに居るから、私はここに居たい。君がいるから私は移住なんてしない」
「............そうか」
し気恥ずかしくなって新聞で鼻先から下を覆い隠すようにした。相変わらずレオはニコニコと俺を見ている。全く、あざといだ、本當に。
と、俺の目に朝刊には載っていなかった記事が飛び込んできた。
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