《能無し刻印使いの最強魔〜とある魔師は來世の世界を哀れみ生きる〜》EP.8 魔師は領主に會う

翌朝に新聞にはやはり事件のことが書かれていた。

見出しはこれまでとはうって変わり『行方不明者で各自の家に現る!』という何を伝えたいのかわからない見出しではあったが。

あの後家に帰ってくるまでに遠隔作で拐後の記憶を抹消し、々と回復魔も掛けておいた。これで村の娘達は聖になったわけだ。あえてこの言葉の意味は示さないでおくが。

レオも領主の娘が助かってをなで下ろしていた。そして今日、俺はレオと共にこの地の領主であるベルフレート伯爵の館を訪れていた。 

「久しぶりだな、伯爵殿」

「レオさん、ご無沙汰ですな。して今日はどのような用で?」

威厳がある低音の聲ではあるがどこか対応がフランクだ。ふむ、この地がとても平和なのもし頷ける気がする。

「こっちは私の弟でな。今日はし紹介しておこうと思い參上した」

「お初にお目にかかりますベルフレート伯、クルシュ・ヴォルフォードです」

「ふむ、しっかりと教育しているようだね。ちなみにクルシュ君、君の刻印は何かね?」

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「星寶の刻印にございます」

その瞬間、ベルフレート伯の目のが変わった。その目に込められたものは軽蔑、侮蔑、嘲笑。俺はどうやら視線で馬鹿にされているようだ。

「な、なるほど..........まぁそういう子も存在するのも事実だ」

「それじゃあ伯爵殿、失禮するぞ」

「待ちたまえ」

まだ何かあるのか?まぁあるとすればこの時代の常識から考えて當然俺のことだろう。

「まだ何かあるのか?」

「レオさん、私もなるべくこんなことは言いたくはない。...........だがこちらの立場もわかってほしい」

と、ベルフレート伯は一呼吸置いた。

まぁだいたい予想はできる。

「クルシュ・ヴォルフォードを領地外追放とする」

「っ!?、今、何て!?」

やっぱりそう來たか。まぁ當然といえば當然かもな。この世界において俺が持つ星寶の刻印はとてもてひどい迫害をけているようだ。

先程この伯爵も言っていたが領主にも立場がある。能無しを排出した土地としてほかの領主から眼鏡で見られるのは間違いない、そしてそれは自分の子孫にも影響を及ぼす。我がが可いのはいいが、立場というものが聞いて呆れる。

「すまない、私もこんなことは言いたくないのだが..........」

「..........見損なったぞ伯爵!貴様がそこまで落ちていたとはな!」

レオが激昴して剣を抜き放つ。その切っ先が彼の元に突きつけられたその時時だった。

「さっきから騒がしいけど、どうしたのよ?」

「ん?お前は..........」

艶のあるダークブラウンのミディアムスタイルの髪にエメラルドグリーンの瞳、きめ細やかな白いを持ちドレスをに纏うそのに、俺は見覚えがあった。

なるほど、こいつは昨日俺に話しかけてきたじゃないか。領主の娘だったのか、そんななりには見えなかったが。

「アリス!私は話があるから部屋にいなさいと言っただろう!」

「でもパパ、騒がしいなら誰でも気になるよ?」

「それはそうだが...........」

「あ!レオさん!久しぶり!」

おいおい、自分の父親が剣を突きつけられているのにどうしてそんなにフランクで居られるんだ?こいつの神はどうなっている?

さすがにレオも剣を下ろしたらしい。

「あ、ああ。久しぶりだな、アリス。隨分と見ないうちに大きくなったみたいだな」

「うん、おかげさまでね。それでレオさんは今日うちに何をしに來たの?」

「私の弟を紹介しに來たのだが..........」

「弟?」

そして俺と目が合う。と言うより今の今まで俺に気づいていなかったのか?俺は扉の目の前にいたんだが。

「あ!、あなた昨日の!」

「アリス、クルシュ君を知っているのか?」

「あなた、クルシュって名前だったのね!あの時聞きそびれたから今聞けてよかったわ!」

まて、待て待て待て。俺は昨日あそこにいた奴ら全員の記憶を消したはずだ。こいつ何故俺を覚えているんだ?

「アリス、私の質問に...........」

「パパ、クルシュ君は私をオーク達から助けてくれたのよ!クルシュ君がいなかったら私はここに戻ってこれなかったもの!」

「な、なんだと!?」

まぁ當然の反応だろう。しか頭にないあのクソ豚共にすら星寶の刻印は勝てない(という世界の常識)のだから。

「クルシュ、どういう事だ!?」

「クルシュ君、本當かね!?」

ほらこうなる。まさかこのアリスとかいうは場をすのが得意なのか?、人を不利な狀況に陥れるのが好きなのか?

「だから、さっきから何度も言ってるじゃない!いい加減しつこいわよパパ!」

「..........そこまでアリスが言うなら、本當なのだろう。レオさん、さっきの言葉は取り消すよ。これからもこの村で楽しく暮らしていい。そしてクルシュ君、娘を、領地の若娘達を助けてくれたこと、領主として、1人の父親として謝する。そして先程の愚行、許してしい、この通りだ」

深々と謝と謝罪の意を述べてきた。別に俺としてはそんなに気にしていない。迫害は割り切っているしそんなもの無視でどうにかなる。

「私としてもこのまま追い出されては積もる話もある。行くぞクルシュ、聞きたいことが山ほどある」

「分かった」

短く返事して俺はそのままレオと家に帰った。

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