やがて全員が集まったのかグループ分けが施された。大きくわけて赤と青、ふむ、まぁ無難な分け方と言えるだろう。

「クルシュ君何だった？」

「赤だ」

「あー、私青だった」

「そうか、まぁ頑張れよ」

「もちろんよ！」

そう言って別れた。まず俺達が案されたのは教室、どうやら筆記試験が先らしいな。

「そんじゃ、始めるから席につけー。まぁカンニングなんて姑息なことしたやつは即刻退場だからな〜」

と、白を著た養護教論らしき人の聲の元、開始された。容は、ふむ、『數式計算』、『魔法理論』、『魔法工學』.......か、あと々の歴史も、だな。.........なんだこれは、簡単すぎるだろう。もうしまともなところだと思っていたんだがな、こんなの前世の暦の8歳の子どもでも知っていたぞ。

(なんだこれ...........)

問:終

太古の文明、魔にて栄えたセナビアですが、その中で魔王と謳われた伝説の魔師を答えよ。

(............待て、これ俺だよな？完全に俺だよな？歴史の文書を読んでいたが俺よりも逸話を殘したヤツいなかったしな。..........なんとも恥ずかしいが仕方ない)

仕方ないので俺の本名、アストと書いておいた。ここまで恥ずかしいことは無かったぞ、本當に。

その後何度思い返してみてもやはり記憶にはない。これで間違っていたらそれはそれで憾だがそれは仕方ないと割り切ろう。

「おーし、んじゃそろそろ時間な〜。鉛筆置けよ〜」

まぁ筆記は問題ないだろう。さて、次は魔法試験か？.........アリス、しっかりやってるんだろうな........？

「はーい、次は魔法試験でーす！そこにある魔道から適當なのを取って使ってくれても構いませんし、持參したやつでもいいですよー！」

次に連れていかれたのは芝生が広がる中庭のような所だ。的が3つ、それ以外は何も無い。

まぁ要するに魔法を放って審査員がそれを見るというじだ。

「あ、的壊せたら満點ですからねー！」

つまり壊せない作りのようだ。事実あの的には《魔法抗壁》と《鉄壁》の付與がされてるからな。まぁこの程度の低レベルな付與なら壊すことも造作もないが。

「我が目の前にて集まり、収束し...........」

ああ、もう聞いているだけで頭が痛くなる。本當に勘弁してしいんだが。

そして放った魔法は的に當たったが的に一切の傷は見られない。さらに炎系統の魔であったにも関わらず焦げてもいない。

「はい、次の方ー」

おいおい、噓だろ。あの程度の付與なら俺が5歳の時でも壊せるぞ.........。本當にこの世界の魔法は低レベルなばかりだ.........。後でアリスに聞いておくか、壊せたか壊せなかったか。

「はい、次........」

「言われなくても準備できてるわ」

啖呵を切って前に出たのは見覚えのあるだった。朱の髪をたなびかせるその、先程俺達に突っかかってきただ。きめ細かい白いを持ち、ワインレッドの瞳は真っ直ぐ的を見據えている。

「始めてもいいのよね？」

「はい、どうぞ」

すると腰に差してあった刀が赤い剣は恐らく魔道だ。その魔道を一閃、現れた炎の剣戟は的に命中するなりヒビをれた。

なるほど、第5位階魔法『紅蓮斬』か。まぁ悪くは無い、スピードも然り、威力も然り、中々のやつもいたんだな。

「す、すげぇ！ヒビをれたぞ！！」

「あ、あいつ天才か！？」

「あいつ真紅の刻印だろ！？それであそこまでって.........」

などと口々に評価しているが鬱陶しい気持ちを前面に押し出して中に戻って行った。...........今こっちを見たな。

そこから次々と進むも、あれ以來的に傷がった形跡などなく進み、最後に俺は呼ばれた。

「えっと、けます？」

「もちろんです」

まぁ聞いてくるのはもちろんだ。その上で醜態を曬すなどと思っているのだろう。まぁ底から覆してやるよ。

「おいおい、あいつ何やってんだ？詠唱は？」

「あいつ星寶の刻印だろ？無理無理、魔法なんか使えないって」

さて、どれで行こうか。ここは無難に火炎球ファイアボールでいいか。まぁオークの集落の時みたいに失敗はしない。さて、そろそろ魔を起させるか。

「お、おい見ろ！あいつの手に火の玉が！」

「噓だろ！使えないはずじゃないのか！？」

まぁ的は3つあるし3つともでいいよな。さて、周りはどんな反応をするだろうか。別にどう思われようがほとんど興味などないが。

「ところで一つ、道っていうのは自分で切り開くだ。そこで1つ、俺がお前達にしてやろう」

放った魔はそのまま3つの的全てに命中し、的を吹き飛ばした。地面は、その魔が通った所だけ土が抉れている。

「俺が放ったまじゅ.........魔法のあとに文字通り道ができただろ？これでまたひとつ賢くなったな、良かった良かった」

「な、なんであいつが某奇妙な冒険の第3部の名言知ってるんだ！？」

「し違うけどだいたいそうだよな！？あれ！」

さて、何を言っているのか。まぁ別に興味などないんだがな。これで星寶の刻印が魔法を使えると分かっただろう。まぁ魔法と言うより魔なんだが。