《能無し刻印使いの最強魔〜とある魔師は來世の世界を哀れみ生きる〜》EP.25 魔師は付與する

いでくれ」

クルシュのその一言にアリスは直してから赤面する。

「何を赤くなってるんだ?そうじゃないと付與魔法をかけられないだろう」

「そ、それはそうだけど..........その............」

もちろん躊躇うには理由がある。アリスはこの下に何を著ているわけでもなく、下著だ。いくら親しい仲とはいえに近い狀態を見られるのはとても恥に値する。

「早くしないとレオが待ってるぞ?」

「わ、分かったから!あ、あっち向いてて..........」

「分かった」

クルシュが後ろを向くと服がれる音が聞こえる。パサり、パサリと1枚ずつ床に落ちていき、その音は3回で止んだ。

「ふ、振り向かないで。そのまま...........そのまま..........」

「なんでもいいがいだなら早く渡してくれないか?」

「クルシュ君デリカシー無さすぎ!はいこれ!」

半ば八つ當たり気味に頭に乗せられた服を機に乗せて同じ工程を踏む。逆証魔から付與魔、5つ付與したところで順に返す。カッターシャツ、ブレザー、最後にスカート。常時服のスれる音が聞こえるが彼は気にしない、もともと興味が無いという訳ではなく、単純に付與に集中しているからだ。

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「そろそろ振り向いていいか?」

「う、うん...........」

「さっきから思ってたんだが何を恥ずかしそうにしてるんだ?」

「そ、それはその.............えっと...............」

「まぁいい。じゃあ出ていってくれ、俺が著替えれない」

「え?」

その後クルシュの頬に紅葉が出來た...........訳もなく、簡単に避けられ部屋からつまみ出されたアリスであった。

階段から降りてきた2人、しかしレオの目に映ったのは何食わぬ顔で歩みを進める年と赤面してし怒ったような表を見せる。反的にレオは口が緩んでしまった。

「何か可笑しいか?」

「いや、まぁ........忘れてくれ。服は似合ってるぞ、2人とも」

「そうか、ありがとう」

短く返事したクルシュはサイズもぴったりであった。肩幅にちょうど収まり、首から下げるネクタイは程よい締りで清潔を出している。

「さすが私の弟だ...........」

「あらあら〜レオさんは弟君にメロメロじゃないの〜 」

「やめろ、こんな公衆の面前で。こっちが恥ずかしくなるだろう」

「クルシュ、今日1日それで..........」

「斷る。さすがに俺でもシワになれば専門業者に出すしかないからな」

真っ向から両斷されたレオはその場に崩れ落ちる。クルシュはすでに亭主にコーヒーをれてもらい優雅にそれを嗜んでいる。だがその景を見ては不服そうな顔を浮かべる。

「ん?どうかしたのか?アリス」

「えっ?、い、いやなんでもないわよ!?」

「そうか。まぁいい、10時だが朝食にしよう」

數秒で立ち直ったレオに促されアリスも椅子に座る。目の前には焼いたトーストと目玉焼きとベーコン、一般的な洋風の朝食である。

「そういえばだいぶ時間がかかっていたが、そんなに著替えるのは難しかったか?」

「いいや、し著ている能がゴミ以下でな、改善していた」

「ゴミ以下って.........付與できるだけでも凄いわよ」

「まるで星寶の刻印とは思えないほどだものな。今までの諸説が噓にじる」

じるじゃなくて噓だ、お前達が一般的に備えている知識はな」

「どういうこと?」

「前も言っただろ、誰かが何かの為に噓をばらまいたって」

「でもそんなことしても誰の得って訳でもないでしょ?」

「そこは不明だ。まずその誰かがわからない時點で手の出しようもないからな。まぁ正が分かっても俺はほっとくけどな」

そこでクルシュは話を終える。コーヒーを飲んで朝刊を両手に記事に目を落とす。

「まぁなんにせよ、私はクルシュがそれでいいなら気にはしない」

「私は金だから分からないな............」

「で、話は変わるが今年は王族大集合みたいだな」

「そうなの?」

「お前、新聞くらい見るだろ?」

「ううん、見ないけど?」

クルシュはやれやれとため息をついて新聞をアリスに手渡す。手渡されたアリスは両手で印の付いた箇所を読んでみた。

「..........現実?」

「生憎ながらな」

「その話は私も聞いたぞ。今年は隣國の王とこの王國の王子、その親戚が一同に集まる年らしい」

「しかも俺たちと同年代、この學園に通うと來た」

「な、なによそれ..........」

まぁ別に俺としてはどうでもいい。ただひたすらに靜かに暮らしたいだけだ。王族に関わるのだけは真っ平免だからな、.........そう、あれは300歳の頃............いや、この話は閉まっておこう。

「お前達、騎士団長の弟と領主の娘なんだから、大人しくしておくんだぞ?特にすクルシュ!」

「なんで俺なんだ?アリスだろう普通」

「私何か問題起こしたっけ!?」

「お前あれだろ、ヘリオスとかいうやつビンタしただろ」

「え?誰だっけ?」

「ほら、模擬戦の時に戦った...........」

「あー!、あの口先だけの奴ね!鬱陶しいから敗してやったわ!!」

笑顔で言ってのけるアリスにレオはやれやれと頭を抑える。クルシュは呆れたような目線を送るがアリスは気づいていない。

「とりあえずお前達、特にクルシュは問題を起こさないようにな。私も騎士団長の立場がある」

「だから何度も俺は靜かに暮らすと言っただろ」

「頼むから有言実行してくれよ.........?」

俄然クルシュはすました顔でコーヒーを嗜む。レオは懇願するようにそんな思いを馳せるのであった。

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