《能無し刻印使いの最強魔〜とある魔師は來世の世界を哀れみ生きる〜》EP.34 魔師は仲直りさせる
やがて著いたのは家だ。俺の橫には先程まで図書室にいたリアがいる。もちろん道はしっかりと閉まってあるため何も地面には落ちていないが。
 「え、え?」
「るぞ。ここが家だ」
俺がドアを開けると、既にそこではレオが料理を作っており、アリスとエリルが椅子に座ってそれを待っていた。
「おかえり、クルシュ」
「ただいま、今日は新しい客人だ」
「こ、こんばんわ..........」
俺が機に座るとリアはその場に立ち盡くす。その瞬間、アリスとリアは目が合った。
「な............ア、アリス・ベルフレートにエリル・リリアス!?な、なんでここに!?」
「話は後よ。座ったらいいじゃない」
「今はご飯だからそういう話は無しだよ〜」
「だ、そうだ。リア・ニルヴァーナ、座るといい」
料理をテーブルに運んできたレオが笑顔でそう言った。その聲でリアもテーブルに座り、恙無く食事が始まった。
リアにしてみればなんとも居心地が悪い事だろうな。どうやらアリスとはクラスでも喋っていないようだからな。
「さてクルシュ、後片付けはやっておけ。じゃあまた明日な」
「ああ」
そう言ってレオは出ていった。殘る空間にはなんとも重い空気が漂っており、誰も喋る気配はない。
「クルシュ、ちょっと夜風にあたりに行こうか」
「そうだな」
「じゃ、じゃあ、あたしもそろそろ............」
「リアさんはもうちょっと居なよ。積もる話もあるでしょ?」
ニコッと笑ったエリルにリアはバツの悪そうな顔で立ち止まる。そして俺とエリルは外へ出て行った。
「エリル君も余計なことするよね、本當に」
「え、えっと..........」
「前と隨分態度が違うわね?」
「場違いっていうか...........」
「私はクルシュ君を悪く言わないならそれでいい。前もそういったはずよ」
「.........あたしはあなた達のことを見くびってた。まさか、ここまで強いなんて思わなかった」
リアはそう言ってしっかりとアリスの目を見た。その表はまるで何かを決意したように。
「だから、改めて、ごめんなさい」
「別に気にすることないのに。もう過ぎたことなんてとやかく言う気は無いもの。それに、同じクラスだし」
「でも、ずっと謝っておきたかったの」
「私はあんまりこういう雰囲気好きじゃないの。さっきも言ったけど別に怒ってないしね」
その言葉でリアはし表を明るくする。そして、そこにアリスは手を出した。
「だから、仲良くしましょう」
そう言って微笑んだアリスの手をぎこちなくリアは摑んだ。
「アリスって呼んでね」
「じゃあ私もリアでいいわ」
「よろしくね、リア」
「こちらこそ、アリス」
その様子を窓際から幻魔を使い眺める影が2つ。
「うんうん、仲良きことはいい事だね」
「そうだな」
「もしかしてクルシュ、今日仕込んだ?」
「何がだ?」
「君、転移魔法で強引に連れてきたんでしょ?」
「いいや?腹の蟲がなったようだったから連れてきただけだ」
「ほんとに〜?」
「それならお前だってそうだろ?わざわざここから見守るようにしなくても良かったはずだ」
「分かってないなぁ〜。こういうのは気の利かせ方が大事なんだよ」
「よく分からないな」
「ま、いいや。そろそろ戻ろう」
そうして俺達は幻魔を解除して再び家の中にった。中では楽しそうに會話を繰り返している2人がいる。
「あ、おかえりクルシュ君、エリル君」
「楽しそうだな。雰囲気がまるで違うぞ」
「まぁクルシュにはわからないわね」
まぁ窓から見ていたなんて言えるはずないがな。
「じゃ、そろそろお暇するわ。さすがにお母さんが心配しそうだから」
「そっか、じゃあまたね〜リアさん」
「またな」
「また明日ね、リア!」
「ええ、また明日。お邪魔しました」
最後に笑顔で彼は扉を閉めて帰って行った。なんとも機嫌がいいような表をしていたのは忘れない。
◇
翌日、登校中のことだ。
「おはよう!」
元気よく聲がかけられた。後ろを向くと、そこには笑顔でこちらに手を振るがいた。
「おはよう、リア!」
「おはよう、リアさん」
「どうした?」
「何よその反応。私だって挨拶の一つや二つ、するわよ」
リアは拗ねたようにフイっとそっぽを向いた。そんなリアにアリスは1歩出た。
「クルシュ君、あんまり私の友達をいじめないでよ?」
「ふむ、すまなかったな。言葉足らずだったか」
「な、何よクルシュ、丸くなったわけ?」
「単純な謝罪だ。別に意外に思うこともないだろ」
「ふーん、そう。まぁいいわ、アリス行きましょう」
「そうね。あ、ごめん私先に行くね!」
そう言って俺たちの橫を通り過ぎ學園の方向へ行ってしまった。エリルはニヤニヤしてこちらを向く。
「どうした?」
「取られちゃったね、アリスさんを」
「友達はできるものだろ。そこを俺がとやかく言うギリはないさ」
「まぁいいや。行こっか、クルシュ」
「そうだな」
そして俺達も學園へたどり著く。しかし今日はしレオが話す容は変わっていた。
「さて、お前達が學してし経ったがそろそろ學園にも慣れてきたか?かく言う私はあまり慣れていない。まぁそんなことは置いといてだ」
そう言うなりレオは魔法杖で黒板に文字を投すると、そこには見慣れない言葉があった。
「あと一ヶ月後に行われる集団戦に備え、今からクランを作ってもらう」
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