《自分が作ったSSSランクパーティから追放されたおっさんは、自分の幸せを求めて彷徨い歩く。〜十數年酷使したはいつのまにか最強になっていたようです〜》第4話:別にが怖くて泣いてたわけじゃない。俺は寢たかったから昨日は早めに酒を飲んだんだ

(今日も1日頑張るぞー!)

気持ちのいい朝を迎えた。

昨日は早い時間から飲んでしまったからな。

こんなだれも歩いていない、薄暗い街も趣があっていいじゃないか。

今日こそは新しい1ページを刻む日だと決めている。

さっそくギルドへ向かった。

ここならある程度簡単なクエストもある。

俺がそこまで強くないとはいえ、さすがにここならクリア出來るだろう。

ギルドへ到著すると、早朝にも関わらず數人の男達がいた。

話してる容からして、今回は護衛任務らしい。

懐かしいな。

俺も始めの頃はあんな風に張したっけ。

まぁそんなルーキーの時期はとっくに終わってる。

俺は新たな冒険者としてまたスタートするんだ。

「あのクエストをけたいんですが……」

「はい。タグの提出をお願いします」

言われた通りにタグを渡す。

SSSランクまで上がったダイアモンドタグだ。

見るだけでも驚く人が多く、このおねーちゃんもそうだろう。

け取った付嬢が怪訝な顔をしてる。

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あれ?SSSランクタグだぞ?

しお待ちください」

おねーちゃんが後ろに下がって行った。

おいおいおい。

どう言うことだよ。

あのタグさえあればなんでもクエストはけられるだろ?

しばらく待ってると付嬢が帰ってきた。

「申し訳ありません。こちらのタグはもう使えなくなっております。パーティの解散などで、ケイドさんの登録がなくなっています」

……そうだ。

俺は追い出されたんだった。

やべーな、これが使えないとなるともう割引などもけられなくなる。

本格的に仕事を続けねーと……。

「ではこちらのタグがケイドさんの証明書になります」

渡されたタグは最下級のタグ、木製だ。

それこそ駆け出しの冒険者が持つようなタグだ。

「あの、俺前まではCランクだったんですが……」

「その記録もないので、また一いちからになります」

Cランク冒険者まで登っていた俺の実績が消えていた。

なぜだ。どーして?

確かにCランクまで上がったはずだが……。

付嬢に尋ねてもわからないの一點張りだ。

これ以上ここで尋ねても邪魔なだけだろう。

「あの、それじゃけられるクエストで一番いい奴を下さい……」

仕方ない。

また一からやり直しか。

しかし俺はポジティブな男!

ここからまた這い上がってやるぜ!

「それでは聖域の森で『白雪草』の採取クエストですね」

聖域の森。

そこはすでに殆どの場所が浄化されており、本當に弱い魔しか生息していない。

森の中心部には泉があり、そこから湧き出る水が味いと評判だ。

白雪草はその湖の周りに生えており、ポーションや食事などにも使われる。

俺はお禮を言うとさっそく森へと向かった。

は最低限。

あんなバカデカイ荷を持つ必要はない。

腰に剣をぶら下げ、日帰り用の水と回復ポーションを持てば準備OK。

後はクエストをこなすだけだ。

森は街から數十分歩くと到著した。

途中魔と遭遇したが、ひさびさの戦闘でがうまく付いていけねぇ。

相変わらず剣の腕はダメダメだし、毆った方が早そうだ。

まぁやり直すならこれぐらいからの方がやりがいがあるってもんだ。

素振りなんて數年してないからなぁ。

いやー、ひさびさに來たこの森は、相変わらず神々しい雰囲気だ。

ここに神様がいるって言っても信じちゃうほどにな。

実際會ったことある!なんて奴も、年に2人ぐらいはいるぐらいだし、本當にありえそうだわ。

しい神様なら最高なんだがなぁ……。

こう、が大きくて可憐で清楚で常に敬語で……あぁダメだ。妄想が止まらなくなる。

ちゃっちゃと終わらせて次のクエストをやろう。

白雪草は確か中心部に生えてるはず……。

俺は記憶をたどりながら真っ直ぐに泉へと向かった。

泉はすぐに見つかった。

人間の記憶力なんて意外とどーにかなるもんだな。

普通なら15分ぐらいで到著するって聞いていたが、それは道を知ってる奴だけだ。

俺みたいな知らない人間は1時間かかるだろう。

それでも1時間だ。早い。早いって言ったら早いんだ。

まぁいい。それどころじゃないんだ。

とりあえず泉の周りをぐるっと見回したが、白雪草ない。

すぐに帰る予定が狂ってしまった。

「參ったな……」

思わず苦笑いついでに言葉がれてしまった。

さすがに生えてないのは想像してない。

持って帰らなければクエスト失敗になる。

日數に猶予があるとはいえ、全く生えていないのは困ったものだ。

「どーすっかなぁ……ん?」

頭を掻きながら周りを見ると、し離れたところに白雪草があった。

泉の周り以外には生えない筈だが、どうしてここに。

その草を摘んで麻袋にれると、さらに奧の方にあるのが見えた。

俺は迷わずそれを摘みに行く。

「あと3本か。なんとかなるかー」

周りを見回すとまた奧の方にもう一本見えた。

まるで俺導するかのように生えている。

なんだこれは。もしかしたら不思議の國へでも連れてってくれるのか?

まぁ俺としては依頼が手にるなら問題ない。

あと2本、また周りを見たらあるんだろ……本當にあったよ。

ちょっとこえーな。

どんどん奧に向かっていく。

この森をこんなに奧までったことなかったが、まだ先があるのか?

俺は初めて見つけた道にし不安と興を覚えていたんだろう。

記憶をたどる限りこんな道はなかった。

新しい発見になるかもしれないと、意気込んでその道を進み始めた。

しばらく進み続けると、泉が見えてきた。

いや、さっきの泉よりし小さいか。

真ん中に神像が誇らしげに立っており、その掌から水が流れている。

神聖な雰囲気の泉。

もしかすると、ここがこの森の本當の中心部なのではないだろうか。

しい。

その言葉を使うほかない。

泉の周りには白雪草も生えているが、それ以外の植まで生えている。

もしかするとあれはエリクサーの原料か?

こんなところに薬の元があるとは……。

だが無闇に採取はしない方がいい。

しい場所は壊したくねーんだ。

だから今回は白雪草を採取して、今度來るときに酒でも持ってこよう。

こんないい景で飲む酒は味いだろうからな。

せっかくだからと片手で泉の水を掬って飲んでみると、これがまた味い。

間違いなく人の手が加わってない最高の場所だ。

さっそく白雪草を採取して帰ろうとしたが、この神像の裏にある窟へ泉から小川になっている事に気がついた。

その窟の中にってみるが薄暗くて足元がよく見えない。

そんな時はこの『草』だ。

手で強くんでから魔力を込めると、簡易的なランタンになる。

そんなに持続時間は長くないが、この窟なら十分だろう。

あたりを照らしながら歩くと、すぐに行き止まりにぶつかった。

小部屋のような場所で、小川がその部屋の真ん中で途切れている。

目を凝らしてみると、どうやら水は地面のから下に流れているらしい。

地下へ降りる階段などは一切見當たらないが、この下には地下空間が広がっていそうだ。

ちょっとワクワクしてきた。

(すげーじゃねぇか。もしかしたら俺専用の地下空間で、老後も安泰かもしんねーな!)

前人未到の地では、初めて訪れた人間が寶などを全て漁ることが出來る。

まだ見ぬ財寶に舞い上がってしまっていた。

さっそく俺は壁の隅々まで調べた。

蟲1匹でもがないか。

スイッチ狀の出っ張りがないか。

だが、結果は何もなかった。

壁の隅々まで調べたが、やはり地下へ続く道はない。

(はぁ。そんなうまい話はないか)

念のためもう一度の近くから下を覗こうとした。

その時ちょっど草の効果が切れたんだ。

急に消えたもんだから慌ててしまい、足をらせた。

そのままを地面にぶつけると、嫌な音がした。

まるで地面がヒビ割れるかのようなミチミチした音……。

(あ、やべぇ)

嫌な予ってのは當たるもんだ。

間違いなく地面が抜けそうな音。

下手にいて力の加減が変われば真っ逆さまに落ちかねない。

生まれて初めて立ち上がるブルホーンのように、周りを注意しながら逃げようとした。

だが、最悪なことは続くもんだ。

さっきの餅で砂埃が舞っていたらしい。

俺の鼻に容赦なく襲いかかる。

「へ、へぁーっくしょい!!」

思いっきりくしゃみをしてしまった。

予想通り地面が崩壊し、俺はそのまま地下へと飲み込まれた。

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