《自分が作ったSSSランクパーティから追放されたおっさんは、自分の幸せを求めて彷徨い歩く。〜十數年酷使したはいつのまにか最強になっていたようです〜》第5話:そんな形相で俺を見てもいいことないぞ?笑顔にならなきゃ怖がられるだろ

時間にしてどれくらいだろうか。

多分5秒も経ってないだろう。

その間、俺は走馬燈を見た。

さすがに未知の場所に落ちて生きているとは思えない。

楽しかった思い出……いや本當に楽しかったのか?

を張って誰かに自慢できるのか?

……出來ない。

俺の人生は俺が主役のはずだ。

いつからこんな慘めになったんだ?

後輩の長が著しかったからか?

俺自に才能がないと頭打ちになったからか?

……わからん。

だがその有意義な5秒はすぐに終わりを迎えた。

俺が頭から落ちた先は水の中。

ゆっくり流れていた時間が急に現実を取り戻した。

地底湖か?深い。地面にぶつかった覚はなく、全を水が包み込んでいる。

これはやばいぞ?

このままだとすぐに息が出來なくなる。

だが俺は冷靜な男。

上から落ちてくる石の破片をしっかりと見極めてから出する!

幸いにも草があるから周囲はばっちり見える!

……あ、さっき消えたんだっけ。

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やべぇな。とりあえず水面に出ないと……。

なんとか水面に出たが、やはり真っ暗だ。

ポケットから草を取り出し辺りを照らす。

本當に地底湖のように見えるが、奧に橫が空いている。

あそこから別の場所に繋がるだろう。

俺はそちらまで泳いでいき、なんとか陸に上がることに功した。

(あぶねぇ……)

軽裝とはいえ、長く水を吸ってしまえばまず浮き上がれなくなる。

今回はなんとかなったが、また起きた時には助かる保証はない。

俺は運がいいのか悪いのかわからなくなってきたよ。

し時間を置いて、ある程度乾いたのを確認したら奧へ進む。

あのまま進んで風邪なんて引いたら最悪だ。

地上への出口すらあるかわからんしな。

とにかくここが何処なのか、そして財寶があるのかが問題だ。

しばらく進むと広間に出た。

さっきからずっと頭が痛い。

なんだこれは。嫌な予でも待ってんのか?

広間は薄暗く、その奧に一つ扉が見えた。

どうやらこの先があるらしい。

俺はそのままその扉に向かって歩いて行った。

しかし、どんどん頭が痛くなる。

その瞬間嫌な景が見えた。

頭上から何かが降ってきて踏み潰されるのを見たんだ。

何が起きたのかわからないが、俺は咄嗟にそこから橫飛びで逃げた。

ズウゥゥゥン……

あぁ予想通りだったよ。

本當に嫌なもんが降ってきやがった。

目の前にいるのはアークデーモンか?

し知能が付いた厄介な魔だ。

俺らじゃなきゃ簡単に殺されるね。

……俺しかいねーんだったわ。

『貴様、此処に何用で來た』

おいおいおい。

喋ったよこいつ。喋る魔なんて上位悪魔でも珍しいんだぞ?

その格通りいい聲してんじゃねーか。

立派なツノに能面が張り付いてそうな顔してよぉ。

……やべーな、殺されるかもしれん。

俺は早速必殺技を使うことにした。

「いやー旦那、そんなタチの悪い冗談やめてくださいよー!俺を忘れたんすか?あんなに仲が良かったのに?」

必殺・仲が良かった懐かしい顔だ。

俺の顔は今、まるで舊友に再會出來て嬉しいといった表を作っている。

これをすればどんな奴でも仲間だと思い込んで俺と打ち解けるってもんだ。

こいつにも知能があるなら話にのってくるだろう。

『…………』

あ、ダメだこれ。

まったく微だにしてない。

さすがに人間と悪魔じゃ違いすぎたか。

準備する時間ありゃ顔を塗りたくってツノぐらい用意出來たんだがなぁ……。

次の手を使うか。

「す、すいません!自分何も知らなくて!本當ですよー!気付いたら此処にいたんです!むしろ此処はどこですか!?自分帰りたいだけなんす!見逃してくださいよぉぉぉ」

必殺・何も知らない無知な弱者だ。

いや別に本當に弱者じゃねーよ?

Cランクまで上がってるし強いぞ?

強いはずだよ?

でも目の前のには無理だ。お手上げだ。

『…………』

うんダメだ。

こいつとかあるのか?

顔見ても何考えてるかわからん。

仕方ねぇ、奧の手を出すか。

全てを知っている神のような振る舞いを!!

「……ふむ、貴様はこれでもわからぬか。私は全てを知っておる神であるぞ。そこを退けぃ」

『正を表したか。では死ね』

「噓ですごめんなさい!」

はぁぁぁぁ?

いきなりあいつ魔法ぶっ放してきたぞ!

必死に避けたけどなんだよその魔法!

當たったら黒焦げとかになりそうじゃねーか!!

グレートデーモンの羽がったかと思えば手から魔法が放たれる。

それを必死に避ける俺。

さっきからしてた頭痛はこれか!?

死ぬことを予測してたのか!?

著弾した地面や壁からはえらい量の煙が上がってる。

「待て待て待て!話し合おう!話せばわかる!」

『……』

いやテンデだめ。

まったく話にならない。

こっちの言い分無視だもん。

仕方ねぇ、やるか。

しは俺の剣でもダメージは與えられるだろう。

そしたら逃げてくれたりしないかな……。

「この野郎!」

ガキィィン

あれ?俺今グレートデーモンの足を切りつけたよな?

なんだ今の音。鉄にでも切りかかったのか?

それにしてはなんか歯ごたえが……あ、剣が折れてるわ。

グレートデーモンが俺を見てきた。

まったく慈悲のなさそうな目が俺を捉えてる。

剣も折れたし、こいつには勝てそうにない。

いや勝てるわけない。

グレートデーモンが思いっきり拳を振りかぶった。

「いやぁぁぁぁぁ!!」

ズゴォォォン!

あっぶねー!

あんな拳食らったらバラバラよ!?

生きることなど不可能だよ!?

なんだよ俺がいた場所抉れてるやん!

無理無理無理!あんなん無理だよ!

しかしパシリしてたせいかすげー速さだな俺。

5mぐらい一気に逃げられたぞ?

……ここは一度逃げるがいいな。

あの橫まで全速力で走れば間に合う!

俺は立ち上がるとってきた橫に向けて全速力で走った。

あいつはまだ反対側だ。

絶対に追いつかれない自信がある。

しかしそいつは急に目の前に現れた。

あと一歩で橫れるときに……これはまさか。

「短距離移魔法ワープ……」

『逃さぬ』

「ゴハッ!」

グレートデーモンの拳が俺の空いてた腹を思いっきり毆ってきた。

咄嗟に力をれたからか貫かれてはいない。

だが間違いなく臓は潰れただろう。

地面を転がり、壁に衝突して止まった。

俺の口からおびただしい量のが流れてくる。

(なんだよ……これ)

理不盡だ。

俺は殆どかないを、上半だけ起こした。

が足りないのか視界が悪い。

的にボヤけて見える。

『魔王様の敵に死を』

グレートデーモンが俺の元へ歩いてくると、數歩前で魔法を詠唱し始めた。

両手をいっぱいに広げて上に掲げている。

そんな特大魔法で俺を殺そうってのか?

なんだよほんと。

俺が何をしたって言うんだよ。

あいつらには見捨てられ、ランクも取り消し。

さらには地下に落とされて誰にも知られずに死ぬのか?

理不盡だろ。なんで俺だけこんな目に合わなきゃいけねーんだよ。

あぁムカついてきた。

毆りてぇ。なんでもいいから毆りてぇ。

ちくしょう……。こいつだけは毆ってやる。

俺は最後の力を振り絞って立ち上がった。

右手に力を込めて、このデカブツを思いっきり毆るためだ。

どーせ死ぬなら後悔はしたくない。

思いっきり毆って死んでやる。

『ほう。まだ立てるか。さすがは魔王様の敵』

知らねーよ。

魔王なんて俺には関係ねぇ。

お前を思いっきり毆ってやるだけだ。

しかし俺は一歩前に出ようとしたときに躓いてしまった。

ゆっくり前に倒れながら、グレートデーモンが鼻で笑ったのが聞こえてきた。

なんだよ、最後までカッコ悪いのか俺。

いや、かっこよくなってやる。

「うぉぉぉおおお!!」

転けそうになった足を無理やり地面につけて力を込める。

たった數歩で憎っくきこいつの腹が見えてるんだ。

足で地面を蹴ると、思いっきり右手を振り抜いた。

がら空きの腹に向かって俺の拳が唸る。

メゴォ……パァン

弾け飛んだ。

俺が思いっきり毆ったグレートデーモンは腹から真っ二つに裂けながら弾け飛んだのだ。

なんだ、何が起きたんだ?

俺の拳は剣より強かったのか?

「えっ……えへへへ。ざまー……みろ」

グレートデーモンは影も形もない。

俺はふらつきながら悪態をついたが、どうやら俺も限界を迎えていたようだ。

足に力がらなくなり、両膝を地面に突く。

「はっ……俺、かっこいい……だろ?」

そのまま地面に突っ伏した。

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