《自分が作ったSSSランクパーティから追放されたおっさんは、自分の幸せを求めて彷徨い歩く。〜十數年酷使したはいつのまにか最強になっていたようです〜》第10話:俺より凄いやつがいるか?當たり前だ。むしろ世の中なんて俺より凄いやつしかいないんだよ
アーヘンの窟。
王都から徒歩で4時間程かかる場所にある窟。
り口は広く冒険者を待ち構えている。
地下10Fまで続く窟であり、特産もないので冒険者の腕試しぐらいにしか使われない。
最下層で稀に出る魔を倒すと幸運を授かると聞いた事はあるが……まぁ眉唾だろう。
その窟までは俺たちの足で2時間半程で著いた。
いやー、俺もスピードはだいぶ上がったかと思っていたが、リムも本當に早い。
これだから2人で旅するのも面白いんだけどな。
この窟は魔そこそこ強い。
中級冒険者ソロで挑むのはまず不可能だ。
最低でも上級、B以上はしい。
「ケイド。わくわくする場所だねー!」
リムが窟を見ながら興している。
いやリムはじーさんと一緒に窟暮らしだっただろ。
何年住んでたのかはわからないが、そこまで興するものだろうか。
「何を言ってるんですか!新しい場所はわくわくするんですよ!」
……そういうもんか。
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新しい場所ねぇ。俺は世界中を回ったからあんまはないが、そんなもんなんだろう。
この窟の目標はゼイトスの救出だ。
念のため荷を確認してから向かう。
窟の中はやけに薄暗く、空気も冷えているようだった。
1階層は狩場としても使われており、王都で手にれた武や防の能試しにも使われている。
何人かの冒険者とすれ違ったが、どうやら俺たちは多目立つらしい。
……まぁこんなを連れてればそうか。
リムの大人バージョンはどう見てもしいからな。
B1F、B2Fと順調に進む。
まだこの階層は冒険者もちらほらいるのですり抜けられている。
途中の魔も難なく撃破でき、むしろ若干足りなさがあるぐらいだ。
しかしB3Fに差し掛かった時、人の気配がほぼ消えた。
ここから魔が強くなっている。
「ねーケイド?早く最下層に行こうよ!」
「まてまて。油斷はだ。俺が知ってるだけでもトラップが『カチッ』……ん?」
ん?カチ?いや俺がそんなミスを……。
俺が足元を見ると、どうやらが違う場所を踏んだらしい。
これは……うん。間違いない。トラップだ。
ゴォォォォォ……
あー、あれだ。
こりゃ巖だな。丸い巖だ。
その巨から直線上にいる生全てを潰していく……あ、見えた。
「あーリム。なんだその……逃げるぞぉぉぉ!!」
踵を返して猛ダッシュ。
凄い勢いで巖が俺たちを潰そうと追いかけてくる。
こりゃやばいな。追いつかれたら終わりだ。
幸いにもコケそうな出っ張りもなく走れてるが、いつまで逃げればいいんだ。
リムは……笑ってる!?
「ケイドー!すごいね!面白い!!」
「そんな余裕があるのがすげーよ!」
逃げた方向が悪かったのか巖の勢いは止まらない。
俺たちは一生懸命逃げていたが、最悪な狀況に追い込まれた。
……行き止まりだ。
「ケイド、どーするの?」
「クッソォォォ!」
こうなりゃやけくそだ。
あの巖に一撃かましてやる。
俺は壁から一歩離れて足に力を込めた。
「ケイドー?」
「……大丈夫だ。なんとかする」
ゆっくりと息を吐き出す。
俺はじーさんに俺は魔法の才能はないと言われた。
その代わりに魔力をに纏わせることも出來るようになった。
さらには限界突破したがある。
このは未來永劫一緒にいるんだ。
今信用しなくていつ信用するんだ!
息を吸い込み右手を引き左手を前に出す。
左足を半歩だし、右足は半歩後ろに下げる。
腰をやや落としてどっしりと構えた。
……もう數秒でこの巖は俺たちを踏み潰すだろう。
そんな事はさせない。
俺のミスは俺が取り返す。
「うおおおおおお!!」
右足に力を込め地面を踏み抜く。
その勢いを腰に乗せ半回転させる。
右腕に伝わった力が拳の勢いを強化、俺の魔力を乗せて巖へ振り抜く。
「『ギャラル』!」
ズガァァァァン!
鉄のように化した俺の拳が真っ直ぐに巖へ減り込む。
巖はそれまでの勢いを全て無くし、俺の拳によって止まった。
そして毆った場所から巖全にヒビがり、音をたてながら崩れていった。
一か八かだったが、功だ。
「……ふー。なんとかなった」
「ケイド凄い!!さすが!」
リムが嬉しそうに飛び跳ねている。
よかった。流石に困難で全滅なんかしたらじーさんに合わせる顔がない。
全力で毆ったもんだからちょっと疲れたな。
ここで休憩してくのもいいだろう。
「しかしリムも絶絶命のピンチによくあんなにのんびりしてられたな」
「え?だって魔法使って道を塞げばいいかなーってさ。ほら」
リムがそう返答すると壁から何本も棒が突き出てきた。
た、確かにこれであの巖の勢いを落とせばもっと楽に……。
いや下手したら巖ごと簡単に……。
「あ、あぁそうだな。そう言えばそうだったな。うん、大丈夫だ」
魔法ってのは凄い。
俺の想像の斜め上を行く。
いやー、參ったな。カッコいいとこ見せようとしたんだがなぁ。
「でもケイドかっこよかったよ!」
「……そ、そうか?」
……うん。まぁいいとしよう。
もーちょっと休憩してからくとするか。
◇
それから地下6階まで、しスローペースではあるがたどり著いた。
リムが端から端まで見たいと付き合っていたら時間ではもう夜だ。
今日はこの辺で泊まってもいいかもしれないな。
俺たちが辺りを見回すと、泊まるのに良さそうなポイントを見つけた。
窟の行き止まりの一つ。
魔も近くに気配はなく、寢てたとしても問題がないだろう。
俺は荷から小さな石を取り出した。
結界石。これがあれば魔に気付かれる事がほとんど無くなる。
もし魔が近づいて來たとして、結界にれれば大きな音が鳴って弾ける。
その音で起きれるので、すぐに戦闘態勢にれる優れものだ。
「よし、これを四隅にーー」
「ケイド何してるのー?」
そこまで広くない小部屋の四隅に結界石を置く。
その姿を見ていたリムが不思議そうに聲をかけて來た。
「これは結界石と言ってな、魔が近付いてこれないようにしてるんだ」
「すごーい!リムもやる!」
「だろ?この石は結構貴重……ん?今なんて?」
俺の耳が悪くなければ、今リムは「リムもやる」と言ったよな?
いやまさか……結界魔法?
イコルもフレイも使ってるとこなんて見た事ねーぞ?
なんかリムがブツブツ言い始めてるが……。
「バリア!」
リムがんだ瞬間に小部屋が魔法に包み込まれた。
心なしか空気まで澄んでやがる。
まさか本當に結界魔法を……。
「あーリムちゃん?それもしかして……」
「うん!結界魔法だよ!」
あーはいはい。なるほどですね。
リムちゃんはおじさんの予想を上回るのが得意なんですねー。
……マジかよ。
「今日は安心して眠れるね!」
「あ、おう。そーだな!リムは凄いな!」
リムの頭をでてやると嬉しそうに微笑んでいる。
ちくしょう。悔しいけどやっぱリムはすげーわ。
この笑顔には流石に勝てないからな。
まぁよしとするか……。
それから俺たちは夕食をとり眠りについた。
明日は最下層に封印されているゼイトスを救出したい。
早めに起きて向かうことにしよう。
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