《自分が作ったSSSランクパーティから追放されたおっさんは、自分の幸せを求めて彷徨い歩く。〜十數年酷使したはいつのまにか最強になっていたようです〜》第19話:真の漢は背中で語る。俺の決意は巖よりく海より深い。
最悪なタイミングでザブラ達がしてきた。
俺はまだけるが、相手は魔王だ。
リムが瞬殺出來なかったってことは相當強い。
しかしまずはリムの安全が優先だ。
打ち所が悪かったのか、リムは気絶している。
しかも通常モード戻っている。これでは戦闘に出れない。
……さて、どうしたもんかな。
「ザブラ!気をつけろ!相手は魔王だぞ!」
「はっ!魔王を殺したら次はてめーだからな!」
俺はザブラに何かしたのだろうか。
ここまで恨まれる覚えはない。
ただザブラ達は強い。魔王相手でも何とかなると思っている。
むしろ魔王は手負いだ。だから大丈ーー
「うぉっ!」
俺が考え事をしていると、いきなり火の玉が飛んできた。
咄嗟に左半を使いリムを守ったが、俺にダメージがる。
いてぇし熱い。こんな最低なことをするのは……。
「あらごめんなさい?邪魔なのよ」
やはりフレイか。
そんなに俺は恨まれてるのか?
ニヤニヤ顔のフレイがまた魔王の方へ向いた瞬間、魔王の魔法がフレイにヒットした。
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ざまぁみやがれ。
「くっ……このクソがぁぁぁぁ!」
フレイが怒りに任せて魔法を発し始めた。
馬鹿野郎!味方も巻き添えかよ!
俺はリムを抱きかかえたままし離れた。
ポーションがある荷は……し遠いな。
さっきの火傷がジンジンしてやがる。
「うらぁ!」
ガキィン!
「ふん!」
ドゴッ!
ザブラと魔王の戦闘は派手だ。
たまにくる流れ弾に當たらないように気をつけているが、この塔が破壊されかねない。
なんつー激しい戦いだ。
と言うよりも、あれからザブラはさらに強くなってたんだな……。
「ハイヒール!」
イコルのタイミングもバッチリだ。
集団戦の基本は連攜。俺が教えたことだ。
なんだ、ちゃんと基本は出來てるじゃないか。
「魔弾舞!」
「バカね!フレイムバレット!」
魔王が魔法で応戦すればフレイが魔法で打ち返す。
接近戦はザブラの獨壇場だ。
このまま魔王が倒されると見えた。
……そろそろ逃げる準備をしたいが、荷がな。
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ガキン!
ズバッズバッ
ズドドドド……
広間全に鳴り響く轟音。
だがフレイが俺に向かって何度か魔法を打ち込んで來やがった。
微塵も油斷できねぇ。
そろそろ俺の力も危ないな。
「あれ?ケイド……?」
お姫様が目を覚ました。
寢起きのリムは本當に可いな。
「……!ケイド!その怪我!!」
「ん?あぁ大丈夫だ」
リムが俺の左腕と背中から上がる煙でも見たのだろう。
しやせ我慢はしているが、リムが傷付くよりマシだ。
まだ戦闘は終わらねぇ。それまではしっかり守ってやらねーとな。
「ケイド!死んじゃうよ!」
「……ははっ。カッコいい男は死なねーんだよ」
無理やり作った笑顔では誤魔化せそうにないな。
だがもう長い間あいつらは戦い続けてる。
そろそろ終わってもーー
バァン!
「ぐはっ!」
「アハハハハ!全員死ねぇぇぇぇ!」
フレイの魔法が俺の背中に當たった。
クソいてぇ。
あいつ魔力を使いすぎてハイになってやがる。
「ケイド!……ひどい。ケイドに……」
「リム、怪我はないか?」
俺よりリムだ。
この子はまだ神的にもい。
今まで守ってもらったことは多々あったが、ここでは俺が守る番だ。
「リムは……リムは平気だよ!」
無理やりを起こそうとくが、まだ表に痛みが見える。
俺も痛みを我慢しながら左手でリムの頭をでる。
無理はさせられない。
リムの手が俺の左腕をで始めた。
「リム?俺なら大丈夫だから。ゆっくり休んでな」
「ケイド……これ……これ……!」
ザラザラとした俺の腕だ。
あんまられすぎるとちょっと痛いな。
だが心配かけまいと俺は笑顔を向け続けた。
その俺たちのすぐ近くを魔法が著弾している。
當たらないだけマシだが、破片などが飛んでくる。
魔王もザブラ達も周りを考えてねぇな。
また飛んできた破片を左手で払うと、リムが口を開いた。
「ひどいよ。ケイドにこんなこと……」
「俺はリムが無事だったら大丈夫だ」
強がっているが、もうそろそろ俺も限界に近くなるだろう。
傷はジンジン痛むし、も流れている。
俺はもう一度リムを抱えて微笑みかけた。
しかし、リムは今にも泣きそうだ。
「フフフフフ!くたばれぇぇ!」
さらにイコルの大聲が聞こえてきた。
あんな大人しそうなの子がどこで道を間違えたんだ。
回復よりも攻撃魔法を打ち込んでやがる。
「はーっはっはっは!俺が最強だぁぁぁぁ!」
ザブラまで笑いながら攻撃している。
自分へのダメージは気にしていない。
……いやおかしいな。
こんなにぶっ壊れた戦闘をするなんておかしい。
あいつら、まさか『戦狂薬』を使ったのか!?
「ケイド……ケイドっ!」
「あ、あぁ大丈夫だ。俺はまだピンピンしてるぜ」
心配そうなリムの顔が見える。
涙の溜まった目を拭ってやり、事の顛末を見守るとしよう。
リムに人殺しはさせたくない。
どうにかしてリムだけでも逃さないとな。
「ガハッ!」
魔王が膝をついた。
その隙を狙って3人が集まる。
「トドメだ!夢幻真空斬!」
「死になさい!灼熱火炎弾!」
「閃直線波!」
必殺技だ。
俺も數回しか見た事ないが、これを繰り出すだけの相手なのだろう。
膝をついた魔王はその場からけず、迫り來る攻撃に目を見開いている。
誰もがザブラの勝利を確信していた。だが……。
「魔王様!」
にが空き、殆ど死んだと思われたベリアルがその間に割ってってきた。
3人の攻撃を一にけ、悶絶した表で食いしばっている。
永遠に続くと思われた攻撃は終息を迎え、ほぼ黒焦げに近いベリアルが殘っていた。
「ベリアル!」
「ま、ま……おうさ……ま……」
魔王がベリアルを抱えるとがボロボロと崩れ落ちて行く。
最後の生命力を使って魔王を守ったのだろう。
ザブラ達も大技を繰り出したせいか、今は肩で息をしておりく気配はない。
「ベリアル……」
崩れ落ちたはそのまま紫に発し、魔王へと吸収されて行く。
最後に殘った頭も笑みを浮かべたまま霧散し、魔王への糧となったのか。
「貴様ら………許さんぞぉぉぉぉ!」
大気が震え大地が揺れだした。
魔王からはの涙が流れており、充した目がザブラ達を睨みつけている。
段々とが大きくなり、そのは悪魔の化のようにおどろおどろしい姿へと変貌して行く。
二本のツノは立派なものへと変貌し、太く鋭そうな尾。
さらには背中に真っ黒な羽が生え、全をで覆っている。
「うるぁぁ!」
「ザブラ!ダメだ!」
ザブラがそのタイミングで切りかかった。
変しきる前に倒せるならそれがいいだろう。
だがそれは葉わなかった。
カキィン!
「なっ!」
魔王に屆いた剣は元から折れてしまった。
鋼鉄の皮を持った魔王へと変貌したのか。
重圧、いやこれは殺意か。
ヒリヒリとした空気が頬を刺してくる。
「この世を滅ぼすもの、そして魔族を脅かすもの。全て私が殺す……!」
本気だ。魔王の本気だ。
あれはやべーな。間違いなく勝てない。
……いや勝てなくてもいい。俺はこの子を守るんだ。
「ガァァァァァ!!」
咆哮を上げた魔王がザブラ達に突っ込んだ。
恐ろしく速い。
一瞬にして3人を壁の方向へと吹っ飛ばした。
「ぐぁっ!」
強力な一撃。
ザブラ達は疲労からかく気配がない。
先程の大技は全の力を使うものだ。
まさか防がれるとも思っていなかったのだろう。
魔王がゆっくりとザブラ達に近付いていく。
俺たちは後回しにするようだ。
確かに満創痍な俺たちは後でもいいのかもしれない。
いやいやいや、そんな事を考えてる場合じゃない。
このままでは……助けなければ……あいつらは間違いなく死ぬ。
あの魔王は恐ろしく強い。
地上最強と言ってもいいだろう。
纏っている魔力、き、全てが俺じゃ敵わない。
「ケイド……行かないで……」
気がつくとリムが俺の服を摑んでいた。
どうやら助けに行くか迷ってるうちにが前に出ていたらしい。
そうだ。俺はリムを守らなきゃいけないんだ。
だが、それでも……弟子を見殺しには出來ない。
「リム、ごめんな。ここで待っててくれ」
俺はそっとリムを降ろし、摑んでいた腕を離させた。
すまん。俺は俺に噓をつきたくない。
俺はかっこいい男だ。
嫌われようが、追放されようが、殺されそうになったとしても!
今助けられる可能のある命を見過ごせない!
「ごめんなリム。俺、バカだからさ」
立ち上がったが、リムの方へ振り向くことは出來ない。
俺に決意が揺れちまう。
ただ、俺も男だ。
簡単にはやられんよ。
「待て魔王。俺が相手だ」
に鞭を打って、俺は魔王へ構えた。
じょっぱれアオモリの星 ~「何喋ってらんだがわがんねぇんだよ!」どギルドをぼんだされだ青森出身の魔導士、通訳兼相棒の新米回復術士と一緒ずてツートな無詠唱魔術で最強ば目指す~【角川S文庫より書籍化】
【2022年6月1日 本作が角川スニーカー文庫様より冬頃発売決定です!!】 「オーリン・ジョナゴールド君。悪いんだけど、今日づけでギルドを辭めてほしいの」 「わ――わのどごばまねんだすか!?」 巨大冒険者ギルド『イーストウィンド』の新米お茶汲み冒険者レジーナ・マイルズは、先輩であった中堅魔導士オーリン・ジョナゴールドがクビを言い渡される現場に遭遇する。 原因はオーリンの酷い訛り――何年経っても取れない訛り言葉では他の冒険者と意思疎通が取れず、パーティを危険に曬しかねないとのギルドマスター判斷だった。追放されることとなったオーリンは絶望し、意気消沈してイーストウィンドを出ていく。だがこの突然の追放劇の裏には、美貌のギルドマスター・マティルダの、なにか深い目論見があるようだった。 その後、ギルマス直々にオーリンへの隨行を命じられたレジーナは、クズスキルと言われていた【通訳】のスキルで、王都で唯一オーリンと意思疎通のできる人間となる。追放されたことを恨みに思い、腐って捨て鉢になるオーリンを必死になだめて勵ましているうちに、レジーナたちは同じイーストウィンドに所屬する評判の悪いS級冒険者・ヴァロンに絡まれてしまう。 小競り合いから激昂したヴァロンがレジーナを毆りつけようとした、その瞬間。 「【拒絶(マネ)】――」 オーリンの魔法が発動し、S級冒険者であるヴァロンを圧倒し始める。それは凄まじい研鑽を積んだ大魔導士でなければ扱うことの出來ない絶技・無詠唱魔法だった。何が起こっているの? この人は一體――!? 驚いているレジーナの前で、オーリンの非常識的かつ超人的な魔法が次々と炸裂し始めて――。 「アオモリの星コさなる」と心に決めて仮想世界アオモリから都會に出てきた、ズーズー弁丸出しで何言ってるかわからない田舎者青年魔導士と、クズスキル【通訳】で彼のパートナー兼通訳を務める都會系新米回復術士の、ギルドを追い出されてから始まるノレソレ痛快なみちのく冒険ファンタジー。
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