《自分が作ったSSSランクパーティから追放されたおっさんは、自分の幸せを求めて彷徨い歩く。〜十數年酷使したはいつのまにか最強になっていたようです〜》第24話:人間は諦めて下を見ることがある。ただい立てる何かがあれば前を向くのさ

その瞬間ウートのが橫に真っ二つになった。

リムだ。リムがウートを両斷。

何が起きたのかわからない表のままウートが地面に落ちる。

さらにリムは隣にいたルストに襲いかかった。

『なっ!』

「ガァァァアア!!」

すぐに後ろに飛びのくルスト。

しかしそれ以上に早くリムが間を詰め、ルストは上半が消し飛んだ。

殘った下半からが吹き出ながら地面に倒れこむ。

一瞬で2人が殺され、呆気にとられるじじい達。

リムの目には怒りを宿しながらも涙が流れていた。

「ケイドを……ユルさない!」

『なぜじゃ!!』

「ガァァ!!」

すぐにその場から全員が退避しようと距離を取る。

だがリム相手では遅すぎたらしい。

ウバシャスの首が宙を舞い、俺の方へ飛んで來た。

さらにギアが上から踏み潰される。

『逃げろ!暴走だ……ぐあぁ!』

逃げようとしたグーゼットが背を向けた瞬間リムの攻撃がお見舞いされた。

走り出した両足を破壊され、地面に倒れたところを追撃される。

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潰された音が周りに響き渡った。

『傷付けてもかまわん!暴走を止めるのじゃ!』

さらにファルフェイとエファゾフが攻撃しようと構え詠唱を始めた。

しかしそれは悪手だ。

一瞬にしてリムに間を詰められ、腕の薙ぎ払いでファルフェイが腹ごと吹き飛ばされる。

エファゾフが腕を向け魔法を放とうとした瞬間、その腕をリムに摑まれた。

そして拳での真ん中を毆られると、腕だけを殘して弾け飛ぶ。

殘ったゼイトスは腰を抜かし、地面に座り込んでいる。

そこへゆっくりとリムが歩いていく。

『なぜじゃ……なぜじゃぁぁ!』

「ケイドを……傷ツケた……許さなイ!!」

リムの腕が上へふりかざされる。

そのまま真っ直ぐにゼイトスの頭へ降り注ぎ、派手な音を立てながら砕いた。

これで全員が死んだ。

リムがじじい共全員を殺してしまった。

「はっ……ははっ。ざまぁ……見ろよ」

俺はもう一度足に力をれて立ち上がった。

リムを迎えに行こう。

もしリムの暴走がじじい達のせいなら……今その元兇は消え去った。

元に戻るかもしれない。

俺は立ったまま、リムに向けて聲をかけた。

「リ、リム……?」

「ケイ……グアァァァァアア!!」

リムがこっちを向いたかと思った瞬間、両手を頭に當てて苦しむような聲を上げた。

いや違う。これは苦しんでいるんだ。

なんだ?何が起きてるんだ?

『ククククク……』

俺のすぐ橫で嫌な含み笑いが聞こえて來た。

そっちの方を向くと、先程飛んで來た首だけのウバシャスがいる。

『もう……もう止まらぬぞ』

「何をしやがった!?」

『我らという枷が外れたのじゃ……この世界を終わりに導く……』

な、なんだよそれ……。

周りを見回すと、じじい共は1つ殘らず霧になって行っていた。

リムを助ける方法は……ないのか?

「ふざけるなよ!?リムを戻してくれよ!!」

『無理じゃ。人形も死ねばこの暴走も終わるがのぉ』

死ぬ……つまりリムが死ねば暴走が終わるのか。

そのリムは苦しそうに地面を叩いたりして暴れている。

その苦しみから解放するにはーー。

「俺がリムを……殺すのか」

『ククク……。もうコアを破壊するしかない。そうすれば全ての力は霧散するぞ?』

「……」

した相手を殺す姿が見れなくて殘念だ……』

ウバシャスの顔がゆっくりと霧になって霧散していく。

その顔は先程までの怪しい顔とはし違った。

『コアを破壊すれば再生は不可能じゃ……そして……いやお主には……無理じゃな』

もう顔は殆ど殘っていない。

聲だけが空中を響いているようだ。

『萬が一……生き……むぞ……』

ウバシャスが消えた。

もう八柱は誰も殘っていない。

ここにいるのは俺とリムだけだ。

「ガァァオオオォォ!!」

相変わらずリムが苦しそうに暴れている。

いや先程よりはし落ち著いているか。

だが苦しそうな事に変わりはない。

「リム……」

俺は一歩ずつゆっくりと歩を進めた。

俺はこれからリムを助けたい。

だが助けるためには殺すしかない。

しかし……殺せるのか?

いやむしろ俺が殺されるかもしれない。

「ケ……イド……」

リムが顔を手で抑えながらこちらに振り向いた。

その表は苦しそうで辛そうで……涙も浮かべている。

「リム、何も出來なくて……ごめんな」

俺の目からも涙が流れ始めた。

視界がぼやけて見える。

俺はリムを……これから……。

「コロ……して……」

今……なんて言った?

俺は涙を拭いリムを見た。

苦しそうな顔を無理やり笑顔に変えているリムがいた。

「ケイド……リム、わからなくなりそう……」

「リム……」

「ケイド傷付けたくない……もん。でも……」

「リム!!」

俺はリムに抱きついた。

冷たくゴツゴツしたが俺のに刺激してくる。

リムもゆっくりと手を俺の背中に置いてきた。

「リム、死ぬなんてダメだ。リムがいなかったら俺は……」

「ありが……トウ。でも時間が……ナイの。リムはケイド傷付けたく……オォォ…」

リムが俺を突き放すように手を出した。

しよろけながら一歩下がる。

今リムは苦しいのだろう。辛いのだろう。

しばらくすると、リムがまた俺の顔を見た。

「ケイド……好きだ……ヨ」

「俺も……俺も大好きだよリム!だから……」

「だカラ……殺しテ……?」

リムが殺してほしいと切している。

やらなきゃダメなのか?

俺がリムを殺さなきゃいけないのか?

また悩み始めるとリムから苦しそうなうめき聲が聞こえてくる。

ウバシャスの最後の言葉。あれはなんだ?

なぜあんな顔をした?何を伝えたかった?

もしかするなら……いや、もしかすればだ。

だが、確証はない。

「ゲイ……ド……はやグゥゥゥ!!」

「……わかったよ、リム。だけどな、俺も一緒だ」

俺は腹を決めた。

苦しみ続けるリムを見ていたくない。

このまま暴走し続けて誰かに殺されるのも嫌だ。

それなら……いっそ……賭けてやる。

「うおぉぉぉぉぉぉ!!」

俺はび聲をあげた。

神の限界を超える技。

これを使う時が來るとはな。

「ガァァァァ!!」

が飛んだのか。

リムが俺に向かって突進してきた。

それを俺は飛びながら避けると、リムも追ってきた。

「ガアァァ!」

振りかざされた拳が俺の橫をすり抜ける。

當たっていたはずの軌道がそれた。

まだリムの理は殘っているのだ。

「リム、ごめんな」

「ケイド……スキ……だよ……」

リムが最後の理で止まっている。

大きく空いた腹部には淡くっている場所が見えた。

ここか。ここにリムのコアがあるのか。

しかしその場所はどこよりもそうに見える。

俺は右手を懐にれると、そのまま拳を握り腰のあたりに持ってきた。

全生命力をその拳に乗せる。

リムの分厚い場所を打ち抜き、一発でコアを破壊するためだ。

せめて苦しまずに、一撃で。

「……奧義 運命ディスティニー」

俺の拳がリムの腹に突き刺さった。

拳の先にいものが當たったが、それが砕けるも同時にじた。

これでリムのコアを破壊したのだろう。

リムの中は暖かかった。

「ケイド……」

「リム……」

リムの顔はすぐ近くにあった。

口から一筋のを流しながら、優しい目で俺を見ている。

「ごめ……んね。ここで……」

リムのから黒い霧が空に向かってびていく。

先程まで全を覆っていた鎧のようなも消え失せる。

コアが破壊され、生としての死を迎えようとしているのか。

「リム……」

「えへへ。先に……逝くね」

リムのから黒い霧が全て消え去った。

目を閉じて眠るような顔になるリム。

そして口だけをかしながら、リムが聲を発した。

「ありが……とう……」

「……まだだ。まだ終わってない!!」

俺はリムに突き刺さっていた拳をさらに握りしめた。

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