《自分が作ったSSSランクパーティから追放されたおっさんは、自分の幸せを求めて彷徨い歩く。〜十數年酷使したはいつのまにか最強になっていたようです〜》番外編②:王國と王

「リム、出かけるぞ」

「むー?どこいくのー?」

サラ達が王都へ向かって早10日。

ケイドが朝から出かける準備をしている。

「王都だ。ちょっと嫌な夢を見てね」

「むー?よちむー?」

「まぁそんなとこかな」

寢ぼけ眼をりながらリムが起き上がる。

ケイドは家の中から荷を取り出し、準備はほぼ萬端だ。

軽い朝ごはんを用意し、リムが來るのを待つ

「結構走るけど大丈夫か?」

「リム走るの好きー!」

椅子にリムが座ると、2人は朝食を食べ始めた。

ここから王都までは10日はかかる。

それを走って向かおうと考えていた。

「サラよ、よくぞ街と民を守った」

王城、謁見の間。

王がサラに対して労いの言葉をかけている。

その場にはバツが悪そうな貴族達。

大貴族のデブもイライラしているのが顔に滲み出ている。

「いえ。國として民を守るのが務めです。そしてさらにご報告があります」

サラが頭を上げて王へ返答する。

服から丸められた紙を取り出すと立ち上がった。

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そしてドアに向かってるように聲をかける。

その丸まった紙を見た瞬間に貴族の一部が固まった。

バレたのだ。王拐が。

り口の方へ全員の視線が集まる。

そこに連れて來られたのは師団長と兵士達。

全員が縄で縛られており、聲を出すことも出來そうにない。

一部の貴族の顔が諦めたような表を作り出す。

「私は拐されかけました。これがその証拠と犯人です」

サラが王に近付き紙を渡す。

そこには確かに大貴族のサインと印。

さらに計畫の容が記載されていた。

「……ふむ。これは國の重大事件じゃな。事実確認をし、追って処分を言い渡す」

「よろしくお願いします」

これで大貴族は地に落ちるだろう。

國を私化し、自分がえる為だけにしかかない大貴族。

そいつらを一掃出來るとサラは安心した。

その姿を大貴族のデブはずっと睨みつけている。

自分の計畫が呈しただけでなく、犯罪者として処刑されるかもしれない。

周りの貴族からはザワザワと聲が響き渡っていた。

謁見の間から退出し、自分の家へ帰ってきたデブ。

思いっきり椅子を蹴り上げる様子からも、かなり怒り心頭であろう。

そこにほかの貴族達がやってきた。

「どうするんだ?このままではーー」

「わかっておる。印は無くしたことにしろ。証拠がなければシラを切り続けられる」

知らない、わからないといい続けるしかない。

むしろ問題は師団長だ。

彼が大貴族の名前を話し、あの証拠を信用あるものとすれば逃げ道はなくなる。

サインは代筆、印はない。証言できるものもいない。

そこまですれば、疑いの手からは逃げられるだろう。

まだ打てる手はある。

「暗部に師団長の暗殺をさせる」

「ふむ……それが一番いいでしょうな」

失敗した人間は切り捨てる。

これは歴史でも繰り返されてきたことだ。

そもそもスタンピートで街ごと滅んでいればこんなことにはならなかった。

どこで間違ったのかーーデブはずっと考えている。

しかし考えても考えても出てくるのはサラ王の顔。

そう、サラさえいなければこんな事にはならなかったはずだ。

「そして……あの王は殺す」

「いいのか?それこそ大事件になるぞ」

「王への回しと王子達への賄賂は出來ている。邪魔なやつを消して何が悪い」

犯人はその辺にいるのを捕まえて差し出せばいいだろう。

そう言ったストックは十分にある。

あとは王が外出するタイミングを見計らうだけだ。

幸いにも、王はよく王都を散歩することが多い。

通り魔のように殺害し、後で犯人を突き出せばいいのだ。

「よし、もう一度話をあわせるぞ。まずはーー」

貴族達は綿な打ち合わせを行なっていった。

次の日から王都はし混が起きた。

まず牢屋へとれていた師団長が何者かに殺害されていた。

犯人は不明。

見張っていた兵士は何者かに眠らされて発見されている。

師団長は牢にいたまま首を切られていた。

生々しい斬撃の跡が、牢に殘っている。

これでサラの計畫の一部が崩れた。

証拠と証言があれば間違いなく大貴族を処分出來ただろう。

だが殘っているのは証拠だけだ。

その証拠を巡って貴族達が反発している。

印が何者かに盜まれており、サインをした覚えもないと。

家の捜索を行ったが、たしかに印がない。

それだけでも大問題なのだが、処刑されるよりはマシだと考えたのだろう。

貴族達は処分をけることになったが、処刑よりはだいぶ軽いものとなった。

しかしサラの行に貴族が干渉しないとの約束は生きている。

実際にスタンピートを沈めた英雄として國民にも認知されていた。

それゆえに貴族からは邪魔者として見られている。

サラもそれをわかっていたので、自分の部屋から出ても城の部だけにしていた。

貴族達を追い込むためにいているがあまり果はない。

王子達にも協力を要請しているが、あまりいい顔もされていなかった。

しかしサラは諦めなかった。

貴族達をしっかりと追い込み、國を民のためにかすことを。

自分ではまだまだ実力不足だと思うことは多々あった。

それでもサラは前を向き続けた。

ある日、サラが自室に戻るとドアの隙間から1枚の紙がれられていた。

差出人は第1王子。

は貴族達の不正や罪を吐き出したいと書いてある。

もしかしたら自分にも被害が出るかもしれないが、これ以上國の衰退を見ていたくはないとも。

しかし見つかってしまっては、師団長のように殺されるのが怖いので別の場所で會いたいと書いてある。

手紙を貰ってからサラは王子に會いに行った。

王子の部屋にり、その話をしようとすると口を手で塞がれる。

誰が聞いてるかわからない。だからここではなく別の場所で話そう、と。

4日後に指定した場所で落ち合う約束をしてその場からサラが出て行く。

協力者がいる。

これほど嬉しいことはない。

サラは鼻歌を歌いながら自室へと戻って行った。

王子はサラが見えなくなると安堵のため息をついた。

貴族達の腐敗。それを一掃したい気持ちはある。

だがからずっと貴族にはあれこれされてきていた。

それを裏切るのもどうかと考えている。

それならば……サラと貴族の仲を取り持てないかと思案していた。

次の日。

城を歩いていると貴族の1人に呼ばれた。

どうやら話があるらしい。

王子は嫌な予がするものの、斷れないためそれに従う。

呼ばれた場所は大貴族の家だ。

何度も來ているので迷うこともない。

応接間に問いされると、大貴族のデブが待っていた。

「ようこそ王子様。お呼びして申し訳ありません」

「よい。そして話とはなんだ?」

「はい。それよりまずは楽しんでいただきたくーー」

大貴族が手を叩くと香爐と共にってきた。

この香爐の匂いを嗅ぐと、王子は逆らえなくなる。

一瞬にして虜にされた王子をが手を引いて別の部屋へと運んでいく。

「どうぞたっぷりとお楽しみください。話はそれからです」

「…………」

部屋のドアが閉まり、中から艶っぽい聲が聞こえてくる。

デブはそれを聞いてニヤリと笑った。

王子の洗脳はほぼ完している。

何か裏でいていても、これで報はバッチリ集まってくるのだ。

「ククククク。さて、王は何を企んでいるのですかねぇ」

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